2007年02月26日

百萬両秘聞

関東地方は、昨日は本当に寒かったです。
暖冬でずっと暖かかっただけに余計にこたえました。
とはいえ、今日明日まあまあ寒いくらいで、週の半ばにはまた
ぽかぽかとしてくるようです。
今年はもう雪は降らないでしょうねぇ…


-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 百萬両秘聞

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 百萬両秘聞



--cinema1917-----------

 百萬両秘聞

 1927年,日本,124分

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<キャスト&クルー>

監督 マキノ省三
原作 三上於菟吉
脚本 山上伊太郎
撮影 松浦茂

キャスト 嵐長三郎
     市川小文治
     山本礼三郎
     尾上松緑
     松浦築枝


<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 幽霊野という荒野にのぞむ老夫婦の家、そこに立ち寄りひとりの
若侍が荒野に旅立っていった。その夜、彼らの息子も家を訪ね、若
侍が幽霊野にいったということを聞いて後を追う。ふたりは古塚に
隠されたという百万両の隠し場所を記した絵図を探していたのだ…
 嵐寛寿郎が嵐長三郎時代に出演したマキノ省三監督による時代劇
サスペンス。昭和2年のこの作品がほぼ完全な形で残っていること
だけでも奇跡的であり、それだけでも見る価値がある。



<レビュー>

 マキノ省三は映画について常々「一スジ、二ヌケ、三ドウサ」と
言っていたという。これはつまり、映画は一にスジ(脚本)、二に
ヌケ(映像)、三に動作(役者)が重要だということであり、まず
ストーリーがおもしろく、次に映像がキレイで、最後に役者の縁起
がよければいい映画が作れるという彼なりの哲学であった。その哲
学がゆえにマキノ省三は脚本家を厚遇し、大事にした。この作品の
脚本家である山上伊太郎は省三が最後にひいきにした脚本家と言っ
ていい。その前には寿々喜多呂九平や三村伸太郎がいたが、晩年の
彼の作品は山上伊太郎が多く脚本を書いている。
 そして、この作品は確かにプロットが素晴らしい。物語は荒野に
望む老夫婦の家に始まり、そこにひとりの若侍と夫婦の息子が順に
訪れる。そして、その荒野の只中にある古塚に“百万両”の隠し場
所を書いた絵図があるというのだ。しかし、その若侍・春水主税
(嵐長三郎)が掘り出したものは一首の短歌に過ぎなかった。主税
はその短歌の謎を解こうとし、その事情を知らない夫婦の息子であ
る通り魔の半次(市川小文治)は彼が百万両のありかを知ったに違
いないとして彼を追う。そして半次はお上にも追われ、親分を頼ん
で行くのだ。ここまでですでに謎解きとおっかけっこという、観客
が次の展開に胸を躍らせる要素が出揃っている。
 そして、それにさらに“女”を加える。嵐長三郎というスターが
いるがゆえに、彼を絶世の美男という設定にし、そこにふたりの女
を登場させるのだ。ふたりの男の思惑に、ふたりの女の思惑が絡み、
物語はより複雑に、そしてよりおもしろくなっていく。
 マキノ雅広は後年この山上伊太郎を評してサイレント時代はいい
ホンを書いていたといった。彼いわく山上伊太郎はトーキーにはロ
マンティックすぎるというのだ。その言葉について考えながら、こ
の作品を振り返って観ると、サイレントとトーキーの脚本の違いと
いうのが多少見えてくる。まずサイレントの脚本はわかりや少なけ
ればならない。トーキー映画は言葉によって状況や物語を説明でき
るが、サイレント映画ではそれを基本的には映像と文字で説明しな
ければならない。活弁が入ることが前提となってはいるが、それで
もやはり、どうしても説明しなければならない部分はインタータイ
トルとして文字で入れなければならず、しかもあまり文字が多いと
映画の展開の邪魔をしてしまうため、極力少なくしなければならな
い。だから、なるべく物語はわかりやすく、出来れば映像を見てい
るだけで何が起こっているのかがわかるように組み立てるのが理想
的ということになる。山上伊太郎の脚本はこのわかりやすさを備え
ている。わかりやすい物はその多くがワンパターンというか、ひと
つの型にはまりやすい。マキノ雅広はそれを称して“ロマンティッ
ク”と読んだのだろう。トーキー時代になると、脚本はわかりやす
さよりも観客を驚かすような展開を求めるようになる。山上伊太郎
は結局その流れについていけず、トーキーの時代にはあまりいい脚
本が書けなくなってしまったのだ。
 しかし、この作品はサイレントであり、普通に観ているとこの脚
本は素晴らしいし、トーキーだったら面白くないとも思われない。
トーキーとサイレントでは観客の映画の見方も必然的に変わってき
てしまうものらしい。特に日本のサイレント映画は活動弁士がつく
ことが前提となっているので、外国のサイレント映画ともまた違う。
外国のサイレント映画は映像と文字で全てを説明しようとし、特に
ほとんど全てを映像で表現しようとする。だからほとんどセリフは
なく、動きや表情による独特の文法が生まれた。しかし日本のサイ
レントでは活弁士がセリフをしゃべるから、口だけを動かしている
という映像が多く出てくる。重要なセリフは文字で説明されるが、
ほとんどのセリフは活弁士がしゃべるのだ。この作品はそんなにほ
んのサイレント映画に非常にマッチした作品である。もちろん活弁
士のよしあしによって映画のおもしろさが変わってきてしまうとい
う問題はあるが、私が見た澤登翠による活弁版はおもしろかった。
活弁を吹き込んだのが最近であるため、録音の状況が悪くなかなか
セリフが聞き取りにくい初期のトーキー映画よりむしろわかりやす
かったのではないかとも思う。

 というように、この作品ではサイレント独特のホンのおもしろさ
が十分に楽しめ、マキノ省三いうところの「一スジ」は見事にクリ
アしているといえる。
 しかし、二ヌケのほうはどうか。照明やカメラの質の問題があり、
もちろん現在とは撮影状況がまったく違うが、今から見ると映像の
ほうは少々つらい。なんと言っても夜の表現がうまくない。当時の
カメラだと、ちゃんと被写体を「ヌク」には相当の光量を必要とし、
夜の場面でも役者にライトを当てないと顔が映らなかったという事
情はわかる。しかし、この作品では夜と説明されるシーンも昼と説
明されるシーンもほとんど違いがわからない。言ってしまえば夜と
昼の違いは夜と説明されるかそれとも昼と説明されるかの違いでし
かないのだ。夜らしい映像が取れないのなら何か別の形で夜を表現
すればよかったのではないかと思う。

 三ドウサのほうはなんと言ってもスター嵐長三郎がいる。あごが
長いが確かに美男子、そして立ち回りも最高だ。彼はまもなくマキ
ノを脱退し、嵐寛寿郎と名乗って押しも押されもせぬスターになる
が、この頃からすでにスターの風格が漂っていた。
 そんな嵐寛にどうしても注目が集まるが、私は通り魔の半次を演
じた市川小文治という役者が非常にいいと思った。美男子ではない
が阪妻を髣髴とさせるようないい表情をしている。彼は東亜・マキ
ノ・千恵蔵プロ・日活を渡り歩いた名脇役だった。
 省三がいくら「一スジ、二ヌケ、三ドウサ」と言っても映画は脚
本化だけで作れるものではない。脚本、カメラ、役者、演出、そし
て数多くの裏方、その全てがそろって初めて映画が出来る。省三は
もちろんそのことを知っていたからこそ、脇役に彼のように非常に
いい役者を起用したのだと思う。しかし、それでもやはりまずホン
がなければいい映画は取れない、いい映像がなければおもしろい映
画にはならない。そして、いい俳優がいなければ客を呼べない。演
出家はそれだけそろっていれば誰でも出来ると言ってみたのだろう。
 マキノ雅広は父よりもさらに映画が多くの人間によって作られる
ということを重視した。プロットのよさで観客をひきつけた父とは
違う作品作りを、雅広は日本にトーキーを確立して行く中で身につ
けた。そのため山上伊太郎のような“ロマンティック”な脚本家と
は袂を分かつことになったわけだが、彼も認めているサイレント時
代の山上伊太郎の本のおもしろさを十分に楽しむことが出来るのが
この作品である。



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:百萬両秘聞>

 ビデオのみ:『アポロン活動大写真 百萬両秘聞』
  http://tinyurl.com/3ynjdd-----
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2007年02月24日

ワイルド・シングス3


えー、ニュースで気になったのは、出生率が1.3を超えそうだ
というあたりでしょうか。私の周りもベビー・ブームという感
じで、けっこう次々生まれています。
私の周りというのはほとんど団塊ジュニア世代なので、ようや
くその世代が子供を生み、第3次ベビーブームがやってきたと
いうことなのではないかという気がします。
おそらく、ずっと続いていた不景気感がようやく薄らいできて、
年代的にもまだまだ子供を生める年代ということで、これから
数年はけっこう子供の数は増えるのではないかという気がしま
す。友達の中には2人目、3人目というのも少なくないですし。
経済的なことにかかわらず、子供が多いとなんだが幸せな気分
になるようなもします。これも種の保存のために遺伝子に組み
込まれた感覚なのでしょうか…
まあしかし、皆大変そうですが、楽しそうでもあるので、いい
ことだと思います。これからもどんどん子供を生める社会のほ
うがやはりいいですね。


-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ワイルド・シングス3

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − ワイルド・シングス3


--cinema1916-----------

 ワイルド・シングス3

 Wild Things: Diamonds in the Roughd
 2005年,アメリカ,87分

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<キャスト&クルー>

監督 ジェイ・ロウィ
脚本 アンディ・ハースト
   ロス・ヘルフォード
撮影 ヒューバート・タクザノウスキー
音楽 スティーヴン・M・スターン

キャスト サラ・レイン
     サンドラ・マッコイ
     リンデン・アシュビー
     ディナ・メイヤー
     ブラッド・ジョンソン

<評価>

☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 高校生のエレナが同級生のマリーの継父であるジェイにレイプ
されたと訴え、ジェイは逮捕される。すべての証拠はジェイに不
利なものだったが、マリーとジェイが死んだ母親の形見である400
万ドルのダイヤモンドをめぐり争っていると知り、エレナの保護
監察官クリステンは捜査に乗り出す…
 『ワイルド・シングス』シリーズの第3作、第1作はケヴィン・
ベーコン主演で劇場公開されたが、第2作はビデオ発売、そして
この第3作はTV映画とグレードダウン、その割には悪くない。


<レビュー>

 最初の15分ほどを見逃してしまい、それで映画を見たことにな
るのか微妙だなと思ったが、それでも少し見ていると話がわかっ
てしまうというのがTV映画のすごいところだ。この映画はつま
り、ヌードシーンを織り交ぜながら展開されるサスペンスで、こ
れがTV用というのもすごいと思うが、この程度の映画でもこれ
くらい見せるというのもすごい。
 確かに出ている役者はいまいちというかB級で、ヌードシーン
中心に選ばれたことは明らかだが、話の展開は何度もどんでん返
しがあって面白い。最初はレイプ事件と遺産の相続をめぐる争い
があり、それが絡んでそこに陰謀があるだろうということは簡単
に想像できるのだが、それにとどまらず色々な人が陰謀に絡み、
最後にはだいどんでん返しがある。最初を見ていなかったおかげ
かどうかはわからないが、このどんでん返しにはまったく気づか
ず、驚かされた。
 この最後のどんでん返しの驚きだけのために90分のこの映画を
見る価値があるかどうかは微妙だが、ヌードシーン(またはレズ
シーン)を見たい人や、B級のサスペンス映画が好きな人ならば
見ても損はないのかもしれない。言ってしまえば火サスなんかで
やる「湯けむり混浴殺人事件」をちょっと凝ったつくりにしたよ
うなもの。その種のサスペンスが好きな人の要望には十分にこた
えられるだろう。

 この映画を見て思うのは、“エロ”の力ってのはすごいな、と
いうことだ。こんな低予算、B級役者出演の三文サスペンスでも
エロが絡めば日本に輸入され、DVDも発売され、TVでも放送
され、きっとたくさん売れるのだ。
 日本でも誰か女優が「脱いだ」となればそれだけでその映画は
話題となり、観客を集める。
 映画というのは見世物から発展してきた文化だけれど、見世物
というのは卑猥なもの(エロに限らないが)と結びつきやすいも
のだった。映画が一大産業となっても、見世物という出自を忘れ
させないのはこの“エロ”なのである。
 “エロ”が絡めば映画は売れる。ポルノ映画のようにそれに特
化したものではなく、普通の映画の中に“エロ”が織り込まれる
とき、そこに覗き見的な味が生まれ、見世物の魅力が映画の中に
よみがえるのだ。日本にも“エロ”とサスペンスを組み合わせた
Vシネという一大ジャンルがあるが、“エロ”をサスペンスに組
み込んだ映画の魅力は万国共通だということだろう。

 


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ワイルド・シングス3>

ワイルドシングス3
価格:¥ 1,177(定価:¥ 1,481)

おすすめ度:


<今日のお勧め>

一応、『ワイルド・シングス』シリーズを

ワイルドシングス エロティック・バージョン

価格:¥ 1,435(定価:¥ 1,481)
おすすめ度:

ワイルドシングス2

価格:¥ 1,332(定価:¥ 1,481)
おすすめ度:
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2007年02月23日

トランスアメリカ


今日の映画は『トランスアメリカ』
この間の『プルートで朝食を』からトランスセクシャルつながり
です。ホモセクシュアルではなくトランスセクシャル、その線引
きには微妙なところもありますが、今日はトランスセクシャルで
す。

今日の話題もそれ関連で。
昨年深夜枠のドラマで放送された「私が私であるために」という
ドラマのDVDが一昨日発売されました。
これは、主人公を演じた相沢咲姫楽さんは自身がトランスセクシャ
ルであり、ミュージシャン役で登場するミュージシャンの中村中
さんもトランスセクシャルということで、ドキュメンタリー的な
要素もあるドラマだそうです。
興味深くはあるが…
価格:¥ 3,224(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 トランスアメリカ

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − トランスアメリカ


--cinema1915-----------

 トランスアメリカ

 
Transamerica
 2005年,アメリカ,103分


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<キャスト&クルー>

監督 ダンカン・タッカー
脚本 ダンカン・タッカー
撮影 スティーヴン・カツミアスキー
音楽 デヴィッド・マンスフィールド

キャスト フェリシティ・ハフマン
     ケヴィン・ゼガーズ
     フィオヌラ・フラナガン
     エリザベス・ペーニャ
     グレアム・グリーン

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 性同一性障害に悩むブリーはようやくカウンセラーの同意を取
り付け、性転換手術を受けることになった。しかしその矢先、
ニューヨークの拘置所から“スタンリー”の息子が捕まったとい
う知らせがある。一度だけ女性と関係を持ったことがあるブリー
はそれが自分の息子だと考え始める…
 トランスセクシャルと親子関係というふたつの問題を一つの旅
に込めたロードムービー。監督のダンカン・タッカーはインディー
ズ出身でこれがデビュー作、主演のフェリシティ・ハフマンはア
カデミー賞候補にまでなった。



<レビュー>

 この映画はトランスセクシュアルの父親と、父親に憧れる不良
の息子という舞台装置によってほとんど全ての要素が決定してし
まっている。だから物語の展開は予想通りに進むわけだが、それ
はつまり望ましい展開ということでもある。ありがちな展開では
なく、望ましい展開をする、それがこの映画な見事なところであ
るといえる。
 ブリーは子供の頃から何十年もトランスセクシュアルに悩み、
ついにそれを解消することができるチャンスがやってきたのだか
ら、それに固執するのが当然だ。いくら未知の息子が現れたからっ
て突然父性(あるいは母性)がわいて、自分のことよりも息子の
ことを優先するなんて話ではまったく説得力がない。だからブリー
は息子よりも自分を優先して、カウンセラーを納得させることが
でき、自分の望みを実現することができる車での旅を選択するの
だ。
 これは私には当たり前の展開と映るが、ハリウッド映画にあり
がちなのは逆にブリーが突然父性に目覚め、まず息子との関係を
修復しようとするという展開だ。息子に自分のトランスセクシャ
ルを告げることはできないから、とりあえず男のふりをして息子
の前に現れ、息子の願望を満たしてやるという展開である。それ
もひとつのあり方であり、それでも面白い展開が起こりうるとは
思う。しかし、やはりブリーの心情を思うとそれはリアルではな
く、この作品の展開のほうがふさわしいのだと思う。
 そのようにうまく展開されるこの物語は確かにおもしろい。し
かし、起きる出来事も息子の反応もブリーの親の反応もどれもこ
れもが予想通りとなるのがどうも気詰まりだ。つまりこの映画は
非常に優等生の映画なのである。ありうべきステレオタイプと望
ましい進歩的な思想、そのふたつを対立させて、結局愛の力が古
臭いステレオタイプを打ち砕き、進歩的な思想が勝利する。全て
がそのような展開で支配されているのである。だから面白くはあ
るが退屈でもあるのだ。
 しかし、ラストは少し違う。物語はとんとん拍子に進むのでは
なく、最後に停滞するのだ。典型的なハッピーエンドではなく、
このように停滞することでこの物語はリアリティを取り戻し、嘘っ
ぽいハッピーエンドよりもっと幸福な結末を迎えることができて
いるのだ。

 そして、何よりも特筆すべきはフェリシティ・ハフマンである。
性同一性障害の男性を女性が演じるというのは非常に難しいこと
のはずだ。もちろんメイクの技術もあるのだろうが、彼女はどう
見てもおっさんにしか見えない(映画の途中ではうっすらとひげ
さえ生えている)。声も必死で高い音を出そうとしている男性の
声にしか聞こえないのだ。
 この映画ははっきり言ってこのフェリシティ・は不満の存在に
よって初めて成立している。もちろん男性に演じさせることもで
きたとは思うが、ブリーの心はあくまで女性なのである。女性に
なりたい男性ではなくて、男性の体を身にまとった女性、それを
演じられるのはやはり女性なのだろう。これまでトランスセクシャ
ルを演じる役者はやはり肉体的な性別によって決定されることが
多かったが、このやり方のほうが(演技力やメイク技術が伴えば)
しれないと思えた。




□ DVD今日の買い!

<今日の作品:トランスアメリカ>
価格:¥ 3,591(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


<今日のお勧め>

今日はトランスセクシャルな映画。

価格:¥ 3,121(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 2,546(定価:¥ 2,625)
おすすめ度:


価格:¥ 888(定価:¥ 995)
おすすめ度:


価格:¥ 4,999(定価:¥ 4,935)
おすすめ度:
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2007年02月22日

肉体と悪魔



今日は猫の日です。ニャーニャーニャーです。猫ひろしです。
ついでにもう一つ、食器洗い乾燥機の日だそうです。その理由は
「ふうふにっこり」で222だそうです。うーん、猫の日より面
白い。最近はスリムタイプなどいろいろ出ていますが、人気があ
るのはこの辺り↓のようです。
ナショナル
シャープ
↑こちらは3万円を切る価格、数量限定お早めに。

それはさておき、
今朝の朝日新聞に高橋源一郎氏の憲法に関するコラムが載ってい
ました。「9条どうでしょう」や「憲法九条を世界遺産に」など
に言及しながらそれをうまくまとめている感じで、なかなかわか
りやすくいいコラムでした。
ネットでは読めないようなので、とっていない方は図書館などで
お読み下さい。クラブA&Aという朝日新聞の会員制サイト(月
額500円)なら読めるかもしれません。
最近よく新聞のことを書いている気もしますが、新聞ってのはや
はりいいもんです。
参考図書はこちら
9条どうでしょう
憲法九条を世界遺産に


-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 肉体と悪魔

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 肉体と悪魔


--cinema1914-----------

 肉体と悪魔

 
Flesh and the Devil
 1926年,アメリカ,90分


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<キャスト&クルー>

監督 クラレンス・ブラウン
原作 ヘルマン・ズーデルマン
脚本 ベンジャミン・F・グレイザー
撮影 ウィリアム・H・ダニエルズ

キャスト グレタ・ガルボ
     ジョン・ギルバート
     ラルス・ハンソン
     バーバラ・ケント
     ウィリアム・オーランド

<評価>

☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 軍の休暇で親友のウルリッヒとともに故郷を訪れたレオは母親
やウルリッヒの妹ヘルタとの再開を喜んでいたが、駅で見かけた
ひとりの美女フェリシタスに一目ぼれしてしまう。その夜の舞踏
会で再会した二人はすぐに恋仲になるが、フェリシタスには実は
夫があり…
 グレタ・ガルボがハリウッドでスターの座を射止めた作品。確
かにグレタ・ガルボの妖艶な魅力は発揮されているが作品として
は凡庸か。


<レビュー>

 グレタ・ガルボはいわゆる“魔性の女”を演じる、夫がいるに
もかかわらずレオを愛してしまい、それが原因で決闘が起き、夫
は死ぬ。そして、レオがアフリカに赴任すると、その間にウルリッ
ヒと結婚してしまうのだ。これはあまりにもあまりな展開、魔性
の女というよりは単に惚れっぽい、あるいは周囲に流されやすい
だけの女という気もするが、とにかくそのようにして男を翻弄す
るのである。
 これがグレタ・ガルボという素材を生かそうという戦略である
ことは間違いない。ヨーロッパからやってきた間違いなくヨーロッ
パ顔をした売出し中の女優、その素材の良さを見出したMGMが
彼女を売り出すべくこの映画を作ったのだ。その狙いは見事に成
功し、彼女の妖艶な魅力は世の男たち(女たちも)をとりこにし
た。彼女の整った顔立ちと冷たいまなざし、上目遣いをするとき
のその魅力、すらりとしたスタイル、どれをとってもアメリカ的
な(言ってしまえばメアリ・ピックフォード的な)健康的な魅力
とは別の魅力がそこにあるのだ。
 それだけでこの作品は十分であって、この物語もその魅力を発
揮させるための舞台装置に過ぎなかったはずだ。そして、映画の
大半はその通りに進行する。しかし、ラストでクラレンス・ブラ
ウンはこの設定を破綻させてしまう。

<ここからネタばれです。>
レオがアフリカから帰ってくるとフェリシタスはウルリッヒと結
婚してしまっているわけだが、フェリシタスはレオに再び愛の言
葉をささやき、一緒に逃げようというのだ。しかし、それを実行
しようという夜、フェリシタスはウルリッヒから豪華なブレスレッ
トを贈り物としてもらう。それを見たフェリシタスはレオと逃げ
ることを拒否するのだ。そしてレオとウルリッヒの2人は翌朝決
闘するべく“友情の島”へと向かう。
 ここまではいい。しかし、ここでクラレンス・ブラウンの倫理
観が働いたのか、友人2人が仲直りをしてしまうのだ。そして、
友情の島へと向かったフェリシタスは割れた氷の下へと沈んでし
まう。これはいかがなものか。悪女、あるいは魔性の女という設
定を徹底するのなら、2人は決闘し、どちらかが死に、フェリシ
タスはその生き残った1人を捨てて去って行くべきではなかった
か。それでこそ本当の悪女であり、冷徹な魅力を発する女になる
のではないだろうか。
 この結末ではフェリシタスは少し頭の足りない自分勝手な女に
しか見えない。妖艶というよりは白痴的なそんな女になってしま
う。当時の倫理観からすればそのような結末は許されなかったの
かもしれないし、ある意味では極めてハリウッド的なハッピーエ
ンドではあるけれど(この後レオがヘルタと結婚することは明ら
かだ)、今から見ればこれが1920年頃から映画を撮ってきた(あ
の『モヒカン族の最後』の監督である)クラレンス・ブラウンの
限界なのかもしれない。
 グレタ・ガルボはこのクラレンス・ブラウンと多く仕事をして
いるが、それがよかったのか悪かったのか。






□ DVD今日の買い!

<今日の作品:肉体と悪魔>

肉体と悪魔
価格:¥ 3,197(定価:¥ 3,675)

おすすめ度:


<今日のお勧め>

今日はやはりグレタ・ガルボですね。

グランド・ホテル 特別版
価格:¥ 1,350(定価:¥ 1,500)

おすすめ度:


ニノチカ
価格:¥ 448(定価:¥ 500)

おすすめ度:


アンナ・カレニナ
価格:¥ 419(定価:¥ 500)

おすすめ度:


クリスチナ女王
価格:¥ 485(定価:¥ 500)

おすすめ度:



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2007年02月20日

プルートで朝食を



少し前にニュースで“ポイント”に関する消費者保護だなんだの
という法律を作るとか作らないとか言っていましたが、確かに最
近はポイントやマイルが現金のように流通しているので、なにか
原則が必要なのかもしれません。せっかく頑張って貯めたのに…
なんてことがあると哀しいですからね。
私もいろいろポイントを集めていますが、一番使っているのは楽
天でしょうか。ANAのマイレージにも交換できるし(期間限定らし
いですが)、もちろん楽天でも使えます。TSUTAYAのポイントにも
交換できたはず。
いまは、ポイント山分け8連発というのをやっています。
http://tinyurl.com/2glhgw
多分期間限定ポイントなので、ポイント交換には使えませんが…


-------- 目次 --------

■ 映画の1926年 − お休み

■ 今日の映画
 プルートで朝食を

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − プルートで朝食を


--cinema1913-----------

 プルートで朝食を

 
Breakfast on Pluto
 2005年,アイルランド=イギリス,127分


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<キャスト&クルー>

監督 ニール・ジョーダン
原作 パトリック・マッケーブ
脚本 ニール・ジョーダン
   パトリック・マッケーブ
撮影 デクラン・クイン
音楽 アンナ・ジョーダン

キャスト キリアン・マーフィ
     リーアム・ニーソン
     ルース・ネッガ
     ローレンス・キンラン
     スティーヴン・レイ
     イアン・ハート
     ブライアン・フェリー

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 アイルランドの田舎町の教会の前に捨てられたパトリックは近
所のブレイデン家で育てられた。パトリックは幼い頃から姉のド
レスやお化粧に興味を持ち、やがて“キトゥン”と名乗るように
なった。しかし時は70年代、IRAのテロは勢いを増しており、パト
リックの親友の一人がそれに巻き込まれてしまう…
 アイルランドでベスト・セラーとなった同名小説を巨匠ニール・
ジョーダンが映画化した。


<レビュー>

 決してワクワクするような作品ではないのだが、見終わって見
るとなかなか味わい深い。序盤の女の子の格好に憧れる男の子と
いう設定は『ぼくのバラ色の人生』などを思い出させるし、同様
に幻想的とも思わせる部分もあって、ニール・ジョーダンらしか
らぬという印象を持つ。しかし、パトリックが成長し、IRAなどの
問題が絡んでくると、さすがという展開を見せ始める。
 キトゥンの最初の恋人となったロックシンガーがIRAに参加
しているという設定だが、キトゥンはあくまでそれに巻き込まれ
まいとする。彼女は「真剣であること」を嫌い、そんな世界なら
生きていたくないとまで思うのだ。
 これは非常に示唆的だ。オカマ(いまなら性同一性障害だが、
当時はただのオカマ)であるキトゥンは男女関係の埒外におり、
社会の埒外にいる。しかし、一つの恋によって彼女は社会の網に
絡み取られ、否応なしに社会のしがらみに引きずり込まれるのだ。
彼女はただ好きな人と一緒に痛いだけなのに、社会派それを許さ
ない。彼女だけが社会の埒外にいる分にはいいが、相手の男との
かかわりにおいて社会とかかわらざるを得ないのだ。そして、彼
女は社会の埒外にいたいのだ。
 だから、彼女の人生は困難なものになる。愛を探しながら社会
からは逃れる、その不可能なふたつを両立させようとして彼女は
着ぐるみをかぶり、テロリストと間違われる。

 そんな彼女にとって“母”とは何なのか、それは彼女にとって
の欠如であると同時に目標である。彼女の中にぽかりと開いた穴
であり、またそのようになりたいという理想でもある。それを追
い求め続けるが、決して手にすることができない欲望の対象、そ
れは人間にとって普遍的な欲望を象徴しているのかもしれない。
 そして、キトゥンの父親にとっても彼女はそのような存在であ
る。女を欲望することを禁じられた神父が求める禁じられた対象、
そこに存在するのは禁忌と欲望の相克である。
 そのようにして同じものを決して手にすることができない欲望
の対象として追い続けるふたりはいつしか出会う。欲望とはそれ
を手にすることが重要なのではなく、それを求めることが重要な
のである。その過程の中で何かを手にし、何かを失う。
 ニール・ジョーダンは“オカマ”と神父という欲望に対して特
異なあり方をせざるを得ない人の欲望を描くことで、人間の普遍
的な欲望について描こうとしたのだろうか。
 この物語が退屈さを持ちながら不思議な魅力が備わっているの
はそこに欲望をめぐる物語という普遍的な言説が潜んでいるから
なのではないか。思えばニール・ジョーダンの作品には常に欲望
が絡んできた。突き詰めていけばラカンやらなんやらの心理学的
背景がでてきそうなその深みが彼の作品の魅力の秘密なのかもし
れない。




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posted by ヒビコレエイガ at 15:03 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする