2007年04月30日

痴人の愛


GWは色々な事故も起きます。
昨日も免許取立ての居眠り運転で6人死傷という事故もありまし
た。渋滞のイライラや疲労で不注意な運転になってしまわないよ
う十分お気をつけください。
運転手自身はなかなか気づきにくいものですから、一緒に乗って
いる人が気を使ってあげるといいと思いいます。



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 痴人の愛

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 痴人の愛


--cinema1959-----------

 痴人の愛

 Of Human Bondage
 1934年,アメリカ,82分

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<キャスト&クルー>

監督 ジョン・クロムウェル
原作 サマセット・モーム
脚本 レスター・コーエン
撮影 ヘンリー・ジェラード
音楽 マックス・スタイナー

キャスト レスリー・ハワード
     ベティ・デイヴィス
     フランシス・ディー
     ケイ・ジョンソン
     レジナルド・デニー

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 パリで画家を目指していた足の悪いフィリップは才能がないと断
言され、医者を目指すためロンドンに渡る。そこで美人のウェイト
レス、ミルドレッドに出会い、彼女の夢中になるが、彼女は思わせ
ぶりなばかりでなかなか彼を相手にしようとせず…
 サマセット・モームの「人間の絆」の一部を映画化。ベティ・デ
イヴィスが徹底した悪女を演じた演技が話題となり、映画の演技に
革命的な変化をもたらしたとも評された。

 

<レビュー>

 男を利用して生き抜こうという女と、そんな女に翻弄される男、
長い小説であるサマセット・モームの「人間の絆」の中でも強烈な
印象を残す悪女ミルドレッドを見事に映画化したこの作品は、確か
に谷崎の「痴人の愛」とどこか重なるところがある。谷崎の「痴人
の愛」が書かれたのはこの作品の10年ほど前のことで、作品として
話題にもなったから、日本の配給会社がこのような邦題をつけたの
だろう。今では谷崎の「痴人の愛」も数本の映画が作られているか
らなんとも紛らわしいが、内容を表現する邦題としては優れたもの
だったという気はする。
 それはともかく、この作品はやはりミルドレッドという人物像が
興味深い。ミルドレッドはフィリップの相手もしながら、中年の男
とも付き合い、最終的にはその男と結婚するといってフィリップを
振る。しかし数年後、ミルドレッドは妊娠してフィリップの前に現
れ、実はその男には妻子がいたということがわかる。フィリップは
今付き合っている女性を捨ててまでミルドレッドを救おうとするが、
ミルドレッドはまたも態度を豹変させ、フィリップにつらく当たる
のだ。
 このミルドレッドの感情はいったいなんなのだろうか。彼女はフィ
リップに愛情を持っていないわけではない、というよりは彼を心底
から愛しているのだ。だからこそ、彼の人生を自分のような女のた
めに駄目にしてはいけないと思っていつも彼が自分の下を去るよう
に仕向ける。肯定的に見ればそう考えることができるのではないか。
それでも彼女は本当につらくなったときにはフィリップに頼るしか
なく、そんな自分の弱さに対する怒りをフィリップにぶつけて、結
果的にフィリップの人生も自分の人生もめちゃくちゃにしてしまう
のだ。
 あるいは、否定的に見れば彼女はただ自堕落な女なのだ。常に利
用できるものは利用し、他人の人生をめちゃくちゃにしようとかま
わない。ただ自分の欲望のままに生き、フィリップの人生などまっ
たく省みていないだけだと考えることもできる。しかし、彼女の行
動を見ると、どうしてもそうではないように思えてしまう。たとえ
ば、彼女がフィリップに怒りをぶつけ、彼の部屋をめちゃくちゃに
するシーンで彼女はフィリップに送られてきた為替を燃やす。彼女
が自分のことだけ考えていたのなら、それを金に買えて自分のもの
にすることを考えるはずだが、彼女は怒りに任せてそれを燃やすの
だ。

 そして、当時話題になったようにそのミルドレッドを演じたベティ・
デイヴィスの演技は確かに見事だ。高慢ちきな女、媚びるような態
度、相手を人とも思わないような行動、そんな悪女らしい悪女を見
事に演じきっている。これが革新的と考えられたのは、そのような
役柄がこれまで映画には決して登場しない役立ったからだろう。今
までは悪女といっても男を誘惑する妖婦のような存在であり、そこ
には常に妖艶さがあったのだ。しかしこのミルドレッドには妖艶さ
もない完全なる悪女である。当時、女優には役のイメージが付きま
とった。だから、誰もこのような役をやりたがらなかっただろう。
それは同じ年に撮られた『或る夜の出来事』でわがままな女を演じ
たクローデット・コルベールと同じ状況である。しかし、ベティ・
デイヴィスはその悪女の仮面の裏にある真情までを演じきり、新た
な女性像を打ち出した。そこが革命的なのだ。
 この1934年という年は、こうして映画が描く人物像の幅が広がっ
た年なのかもしれない。ハリウッドの黄金時代といわれる1930年代
は、同時にスターの時代でもあったが、スターというものがサイレ
ンと時代から続くいわゆるスターのイメージ一辺倒のものから、さ
まざまな役柄を演じる演技者としてのイメージに変わりつつあった
時代なのかもしれない。スターがただ映っているだけで客を呼べる
時代は終わり、スターはスターとしての表現をしなければ演技者と
してスターであり続けられない、映画のトーキー化はそのような変
化ももたらしたのだ。

 

□ DVD今日の買い!

<今日の作品:痴人の愛>

価格:¥ 475(定価:¥ 500)
おすすめ度:
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2007年04月29日

或る夜の出来事


GWに入りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は真ん中に2日平日があり、ばっかりと分かれているので、
どちらかはのんびり、どちらかは小旅行なんて方も多いのではな
いでしょうか。もちろん海外へ脱出する人たちの群れがニュース
で流れもしましたが…

あとは、GWを利用して東京にこられるなんて方もいると思いま
す。東京ミッドタウンとかいろいろあるし。この読者の中でそん
な方がいらっしゃいましたら、ぜひ京橋のフィルムセンターに行っ
てみてください。銀座の程近く、500円で日本映画の名作が観られ
ます。
今は今村昌平と黒木和雄の追悼特集を開催中です。
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2007-04-05/nittei.html
ちなみに、休日でもかまわず月曜日(4/30)は休みですので、お
気をつけ下さい。


-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 或る夜の出来事

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 - 或る夜の出来事


--cinema1958-----------

 或る夜の出来事

 It Happened One Night
 1934年,アメリカ,105分


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<キャスト&クルー>

監督 フランク・キャプラ
原作 サミュエル・ホプキンス
脚本 ロバート・リスキン
撮影 ジョセフ・ウォーカー
音楽 ルイス・シルヴァース

キャスト クラーク・ゲイブル
     クローデット・コルベール
     ウォルター・コノリー
     ロスコー・カーンズ

<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 富豪のひとり娘エリーは父親に反発して勝手に結婚するが、父親
に船に軟禁されてしまい、そこから脱走、父の追っ手を逃れるため
に夜行バスでニューヨークへ向かう。一方、新聞記者のピーターは
くだらない記事を送って編集長にどやされるがとりあえずニューヨー
クの新聞社に向かうことに。同じバスに乗り合わせたふたりは…
 のちに“スクリューボール・コメディ”と称されることになるジャ
ンルの最初の作品と位置づけられるロマンティック・コメディの古
典。アカデミー賞主要5部門を受賞し、フランク・キャプラ、クラー
ク・ゲイブル、クローデット・コルベールを一気に有名にした。


<レビュー>

 “ロマンティック・コメディ”というジャンルの映画は今でもハ
リウッドでは大いに健在で、いまでも年に何十本作られているかわ
からないわけだが、それらの作品のほとんどがこの『或る夜の出来
事』と基本的には同じ構造によって成り立っていることに気づく。
もちろんそれは、この作品が全ての“ロマンティック・コメディ”
の元祖であるというわけではなく、この時代に盛んに作られた「ボー
イ・ミーツ・ガール」という典型的なプロットの恋愛映画の構造が
今も継承されており、さらには出会った男女を最初に対立させるこ
とでユーモアの要素を加える“スクリューボール・コメディ”に含
まれる作品も数多く見られるということである。つまりこの作品は、
30年代から40年代に作られた“スクリューボール・コメディ”の元
祖であると同時に代表作であるために、そこから発展して行った現
在の“ロマンティック・コメディ”の源流と見ることが出来るとい
うことだ。例えば『ノッティングヒルの恋人』なんかはその典型だ。

 まあ、そんな堅っくるしい歴史の話はさておき、この作品は今見
ても十分に楽しめる作品だ。誤解から生じる行き違いのくり返しに
よって徐々に引かれながらもなかなか近づくことが出来ないふたり
を見事に描き、“ジェリコの壁”によってそのふたりの距離感を見
事に表現している。この“ジェリコの壁”は撮影中にクローデット・
コルベールが着替える場所がなかったことから、フランク・キャプ
ラが思いついたらしいが、この壁のありようによってふたりの関係
が見事に表現される。
 最初この“壁”は文字通りふたりの間を隔てる壁だったのだが、
野宿をしたり、ヒッチハイクをしたりという旅程を通して、それは
安全や安心を象徴するようなものになって行く。それはふたりを隔
てると同時に結びつけ、ふたりは毛布というある種の膜を隔ててつ
ながりあうのだ。このような鍵となるアイテムがあるとスクリュー
ボール・コメディやロマンティック・コメディは面白くなる。例え
ば『赤ちゃん教育』ではそれは豹の赤ちゃんだった。
 そしてこの作品ではなんと言ってもクラーク・ゲイブルが格好い
い。最初はなんだかいやみな男という感じだったが、初めてふたり
がモーテルに泊まった翌朝、ピーターは寝坊するエリーの服にアイ
ロンをかけ、朝食を作る。しかもすでにきっちりと服を着込んでい
るのだ。この紳士的な態度がなんとも格好よく、しかもエリーに媚
びはしない。
 このクラーク・ゲイブルの格好よさが世の男性陣に受けたのは、
彼が映画の中でやっていた素肌にYシャツを着るというスタイルが
爆発的に流行り、男性用下着の売上が75%も落ち、下着メーカーが
コロンビアに抗議したというエピソードにも表れている。ちなみに
このスタイルは用意された下着が大きすぎたためにたまたま生まれ
たらしい。

 また、この作品は、最初2人の女優に出演を断られ、クローデッ
ト・コルベールもギャラがよかったことでいやいや出演したらしい。
それはこの作品の男女の関係が当時の男女に対する(特に女性から
見た)あり方に反するものだったからではないだろうか。この作品
のような気の強い女性を演じてしまったら、そのイメージがついて
しまうのではないかと危惧したのだろう。しかし、その構図が受け
てアカデミー賞を受賞、新たな映画のジャンルまで誕生してしまっ
たのだから、わからないものだ。
 この作品にまつわるエピソードは偶然が一つのムーブメントを生
み出す典型のように思える。それはもちろん作品が面白く、大ヒッ
トすることが前提ではあるのだが、映画が世の中に一つのムーブメ
ントを作り出すというのは映画の黄金時代の特徴だ。30年代のハリ
ウッドがアメリカにムーブメントを生み出したように、昭和30年代
の日本でも映画が大きなムーブメントを生み出した。
 この作品は映画としてももちろんおもしろいが、それにまつわる
エピソードを様々に知ることで、映画というものの面白さを知るこ
とも出来る作品だ。今は数多いメディアのひとつになってしまった
映画が娯楽の王様だった時代、その時代を象徴する作品のひとつな
のだ。






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<今日のお勧め>

 フランク・キャプラは名作ぞろいです。しかもほとんど
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2007年04月27日

キング・コング



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 キング・コング

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 - キング・コング


--cinema1957-----------

 キング・コング

 King Kong
 1933年,アメリカ,100分

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<キャスト&クルー>

監督 メリアン・C・クーパー
   アーネスト・B・シュードサック
原作 エドガー・ウォレス
脚本 ジェームズ・アシュモア・クリールマン
   ルース・ローズ
撮影 エドワード・リンデン
   ヴァーノン・ウォーカー
   J・O・テイラー
音楽 マックス・スタイナー

キャスト フェイ・レイ
     ロバート・アームストロング
     ブルース・キャスボット
     フランク・ライチャー
     サム・ハーディ

<評価>

☆☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 冒険映画監督のカール・デラムは新作映画のための主演女優を探
していたが、見つからず、自ら街に出て生活に困っていた美女アン
を見つける。外洋に出たところで彼が船員たちに告げた行き先は地
図にも載っていないキング・コング伝説のある島だった…
 世界の怪獣映画の原点であり、特撮映画の古典のひとつでもある
名作。単に歴史的な名作というだけでなく、今見てもサスペンス的
な要素にも優れ、心理描写も巧み、特撮技術には隔世の感はあるが、
これぞまさに原点という感慨もある。


<レビュー>

 『キング・コング』の印象というとやはり拙い特撮と、エンパイ
ア・ステート・ビルに上るキング・コングの絵(ポスター)であり、
今見てどうなのかという懸念は隠せないだろう。
 しかし、実際見て見るとこれは単に怪獣映画というだけではない。
特に前半はサスペンス的な面白さに満ちている。デラム一行が濃い
霧の中を公開するシーンの緊迫感、島に上陸して先住民たちを発見
し、その儀式を見るときのスリル(ここの音楽がまたいい)、そし
て先住民との関係がどうなって行くのかという展開、それらはまさ
に娯楽映画らしい楽しさに溢れている。
 そしてそのままの勢いでコングが登場し、そのキングの森に入る
となぜか恐竜まで登場する。ここからの展開はまあ大体予想がつく
わけだが、ただコングとアンの関係がどうなるのかはなかなか予想
がつきにくくて面白い。結局コングの意図とは何なのか、そこに興
味が行く。
 しかし、コングをニューヨークにつれてきてからの展開は今ひと
つ尻すぼみな印象はぬぐえない。島では巨大だったコングも巨大な
都市ニューヨークに来てしまえばそれほど巨大な存在でもない。エ
ンパイア・ステート・ビルを上るコングはポスターの印象と比べる
とちっぽけなものにしか見えない。勝手にゴジラ規模の大きさを想
像していただからだろうけれど、破壊者というよりは何かから逃げ
伸びようとしている生き物にしか見えないのだ。それは恐竜に追わ
れた船員のひとりが木に登って逃げようとしていたのと同じく、高
いところに行くことで何かから逃れられると考えたかのように見え
る。

 そんな印象からもわかるように、このキング・コングからはちっ
とも恐怖を感じない。最初に死んだ船員たちは追っ手を振り払おう
としたコングによって殺されたわけだが、コングに殺そうという意
図があったとは思えない。村に入ってからは怒りに駆られて、なぜ
か人を口にくわえ(食べるわけではない)、踏み潰し、建物を破壊
するが、それはアンを取り戻すための行為にも見える。
 この島の人々とコングと生贄の関係とは一体どのようなものなの
か。私が思うに、コングは村にとってはある種の守り神なのではな
いだろうか。壁によって閉じ込められた森にはコング以外にも恐ろ
しい生き物がたくさんいる。コングは村人にとって恐怖の対象とい
うよりは、それらの生き物が村に入ってくるのを食い止めてくれる
“味方”なのではないだろうか。村人はその守り神への貢物として
“花嫁”を捧げる。“花嫁”は生贄ではなく、贈り物なのだ。
 その贈り物を奪われれば神も怒る。コングが暴れ、村を襲ったの
は、“花嫁”を捧げることを嫌がって誘拐してきた女性を捧げた村
人たちへの天罰なのだ。つまり、この物語(の前半部)は神話なの
であり、神と人との関係を描いた物語なのだと私は思うのだ。
 そして、それと平行するように先進社会と未開社会の関係の物語
が展開される。コングはもちろん未開社会の象徴であり、先進社会
の人々が未開社会の未知のものに対して抱く恐怖の象徴である。彼
らはその恐怖を逆に恐怖を与えることによって制圧し(デラムがコ
ングを「恐怖によって手なずける」といってのは非常に印象的だ)、
その恐怖の源泉を見世物にすることによって克服するのだ。
 それは現代の神話であり、ハリウッド映画で際限なく繰り返され
るモチーフである。この作品は都市につれてこられたコングの無力
さをわずかならが描くことで、疑問符を付けはするが、結局その構
図をひっくり返すことはしない。
 この映画の後味がどうもあまりよくないのは、そのせいかもしれ
ない。恐怖を恐怖と割り切ってすっきりと終わることもなく、かと
いって恐怖が生み出す構図を批判するわけでもない。見る人によっ
て解釈も印象も変わってくる、そんな終わりかただ。

 ピーター・ジャクソンのリメイク版もちょっと見てみたい。






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<今日の作品:キング・コング>

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<今日のお勧め>

 とにかく『キング・コング』

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2007年04月26日

ブロンドの恋


ああ、マンゴーが食べたい。
特に石垣島産のが
今予約しても食べられるのは7月から8月ということですが、
それでも食べたい…
輸入物でもおいしいですが、やっぱり違う。
ああ、マンゴーが食べたいなぁ…


-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ブロンドの恋

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■ 今日の映画 - ブロンドの恋


--cinema1956-----------

 ブロンドの恋

 Lasky Jedne Plavovlasky
 1965年,チェコスロヴァキア,88分


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<キャスト&クルー>

監督 ミロス・フォアマン
脚本 ミロス・フォアマン
   ヤロスラフ・パポセック
   イヴァン・パッセル
   ヴァクラフ・サセック
撮影 ミロスラフ・ハエック
音楽 エヴセン・リン

キャスト ハナ・ブレチューバー
     ウラジミール・プホルト
     ウラジミール・メンシーク
     イヴァン・ケイル

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 2000人の女工が働く製靴工場があるチェコの田舎町、女工たちの
流出に頭を悩ませる経営陣は軍に掛け合って兵士たちを駐屯させて
女工たちの生活を一新させようとする。
 その女工の一人アンドゥラはボーイフレンドのトンダにもらった
指輪を友達に自慢し、森番にもモーションをかけられたことも自慢
する。
 後にハリウッドに進出して『カッコーの巣の上で』『アマデウス』
を撮ることになるミロス・フォアマンの初期の代表作のひとつ。



<レビュー>

 この映画はギターを持った少女が調子っぱずれの歌を歌うという
人を食ったような映像で始まる。かなり長いタイトルロールの間、
その調子っぱずれの歌が流れ続けると、2人の少女がベッドでひそ
ひそと会話をしているシーンへと移る。そのシーンは少女のうちの
一人アンドゥラがただただ自慢話をしているというシーンである。
このシーンもなんだかどうでもいいような話して、いったい何の映
画なんだという気になる。
 そして、その印象はこの作品を通してある。この作品に登場する
人々はみな自分のエゴの言うなりに行動し、エゴイスティックな言
葉をひとに浴びせる。そのエゴイズムの応酬は見ていて非常に不愉
快なのだ。
 しかし、映画がこのように不愉快という感情を強烈に引き起こす
というのは映画に力があるということでもある。映画の“強さ”は
見ている人の内にどのような強い反応を引き起こすかということに
ある。笑い、感動などというポジティブなものあるが、この作品の
ように怒りや不愉快さというネガティブな反応を引き起こすものも
ある。
 もちろん見ていて面白いと思えるのはポジティブな反応を引き起
こす作品だが、ネガティブな反応であっても強烈な反応が起きれば、
見ている人はそこからその映画について考えざるを得なくなる。な
ぜこんなに不愉快な思いをしなければいけないのかと。そして、そ
れがここに描かれているエゴイズムのせいだと気づくのだ。この作
品の登場人物たちが振りまくエゴは見ている人のエゴとぶつかる。
そして、その衝突が不愉快さを感じさせるのである。つまり、ここ
に描かれたエゴを見つめることは自分自身のエゴを見つめることに
つながる。
 さすがにこの作品に出てくる人たちのような強烈なエゴを持って
いる人というのはなかなかいないから、現実には「こんな人たちが
いなくてよかった」と思うわけだが、そのようにしてみている人た
ちに何らかのアクションを起こさせるというのがこの作品の力であ
ると思う。すごく不愉快なのに、なぜか見るのをやめようという気
にはならないのはその辺りに理由があるのではないか。

 そして、もうひとつこの映画が優れていると思える点は、たくさ
んの人が登場するシーンの巧みさである。軍隊が町にやってきたそ
の歓迎パーティのシーン、その会場には兵士と女工たちでごった返
している。フォアマンは最初にそこにいる人々の表情を一人ずつ捉
える。そのショットは遠くからズームで覗き見たような映像であり、
映る人々の表情が自然であるために、まるで実際のパーティーを覗
き見たような気になってくる。実際にこれだけの人(100人近くいる
ように見える)を同時に演技させ、それをロングで狙ったのだとは
考えがたいが、そうなのではないかと思わせるような映像でありつ
なぎ方をしているのだ。
 それをみてホーっと感心する。ほかのシーンにもドキュメンタリ
じみたリアリティがあふれており、いわゆるドキュメンタリータッ
チとは違う臨場感がある。このような技術的な確かさがあるからこ
そ『カッコーの巣の上で』や『アマデウス』という作品を作ること
ができたのだろう。『アマデウス』を見たのはずいぶん前のことだ
が、評判のいいディレクターズカットでも見てみようかと思った。




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<今日の作品:ブロンドの恋>

 

 

ブロンドの恋
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<今日のお勧め>

 ミロス・フォアマンの代表作を

 

 

カッコーの巣の上で
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ヘアー [MGMライオン・キャンペーン]
価格:¥ 970(定価:¥ 1,000)
おすすめ度:

 


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2007年04月25日

我輩はカモである


えー、母の日に土地を送るなんてのはいかがですか?
とはいっても、地球ではなく月です。
なんと1200坪で2700円だそうです。
http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=UHJ6C+5LTYUQ+4T2+5YJRM
今はもちろん行くことも見ることもできませんが、ひ孫のひ孫
くらいになったら、自分の土地を訪問することができるかも…
ただカーネーションを送るより話の種になっていいのではない
でしょうか。


-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 我輩はカモである

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 我輩はカモである


--cinema1955-----------

 我輩はカモである

 Duck Soup
 1933年,アメリカ,69分

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<キャスト&クルー>

監督 レオ・マッケリー
脚本 バート・カルマー
   ハリー・ルビー
撮影 H・シャープ
音楽 

キャスト グルーチョ・マルクス
     チコ・マルクス
     ハーポ・マルクス
     ゼッポ・マルクス
     マーガレット・デュモント

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 財政難に陥ったフリードニアでは、富豪のディスデル夫人の一言
でルーファスを首相として迎えることに決まる。その就任パーティ
の席で、国家転覆をもくろむ隣国の大使トレンティノはディスデル
夫人に取り入ろうとし、さらに2人のスパイを送り込むが…
 マルクス兄弟のナンセンスコメディの傑作。これを最後にMGM
ヘと移籍した彼らは一転スターとなるが、興行的には失敗したこの
作品が最高傑作と見るむきもある。

 

<レビュー>

 
 実際に今、普通にコメディとしてみてこの作品が面白いかどうか
は微妙なところだ。今見て面白いのは、主役のグルーチョよりもそ
の2人の兄チコとハーポのドタバタであるように思える。2人が展
開するコントはまさにスラップスティックで、ベタではあるが、今
でも笑える。ピーナッツ売りのくだりなんかは、テンポよく繰り返
していくことでどんどんおかしくなっていくコントの教科書のよう
である。ただ、この2人の面白さは抜群に面白いというわけではな
い。基本的にサイレントのギャグ(ハーポのほうは言葉がしゃべれ
ない役である)であるこの2人のコントは先人のキートンやハロル
ド・ロイドやチャップリンのものと比べて劣っているとは言わない
が、優れているとは言いがたい程度のものだ。
 それに対してグルーチョ・マルクスの芸はまさにトーキー時代の
ギャグであり、これ前でのコメディ映画にはないものであるという
ことは見ていてわかる。そもそも彼らは舞台出身であり、小さな劇
場という空間を生かした辛辣さが売りだった。グルーチョはそれを
そのまま映画に持ち込んだわけで、それは単なるドタバタや人情劇
にあふれていた喜劇映画化にとっては革命的な出来事だっただろう。
しかし、同時にそのような小屋向けの笑いが映画という大きな大衆
に向けたメディアには受け入れがたかったというのも事実であるよ
うだ。マルクス兄弟が映画に進出してパラマウントで撮った5本の
映画(この『我輩はカモである』がその最後の作品)は興行的には
平凡なものに終わった。

 しかし、彼が映画に持ち込んだ新しさは後の映画人たちに大きな
影響を与えていく。彼が映画に持ち込んだのは「ナンセンス」であ
り「アナーキー」だ。この作品でグルーチョのギャグの多くが笑え
ないのはそれが「ナンセンス」であるからだ。ナンセンス・コメディ
というのはいつの時代も見る人を選ぶ。ナンセンスな笑いとはそれ
を見る側にそれに答えるものがあって初めて笑えるからだ。それが
笑いとなるにはその前提として何らかの了解事項があり、それを演
者と観客が共有して初めて笑いが生まれる。劇場ではそれは容易だっ
たが、映画ではなかなか難しい。いまでも『モンティ・パイソン』
が一部の人には熱狂的に迎えられ、他方で多くの人には理解できな
いのはナンセンス・コメディのそのような特徴によるのだと思う。
 他方、アナーキーのほうは笑いには結びつきにくいが、理解はし
やすい。この作品では政治というもののナンセンスさを笑い飛ばす
ことによってアナーキーな表現を実現している。それは敷衍してい
けば社会批判というものにもつながるわけだが、それは受けての問
題であり、作品としてはアナーキーさの表現にとどまっている。こ
れは非常にうまいと思う。アナーキーであるということは何かを破
壊することである。何かを破壊してそこに別のものを再構築するの
ではなく、ただ破壊するのである。だからそのあとに残るのはいわ
ば瓦礫の山であり、つまりは無意味なものだ。
 そのようなアナーキーな行為には、破壊の爽快感と、その無意味
な場所に何かを再構築しうるという期待感が存在する。ウディ・ア
レンは観客がこの期待感を確実に抱くように作品を構築することで
アナーキーさとやさしさを同居させることに成功した。
 この作品は決して爆笑コメディというわけではない。しかし見終
わってみると不思議な爽快感があり、考えさせられるものもある。
後世の、特にアメリカのインテリといわれる映画人が影響を受けた
というのもわかる気がする。



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:我輩はカモである>

価格:¥ 980(定価:¥ 980)
おすすめ度:


<今日のお勧め>

 マルクス兄弟パラマウント時代の作品

価格:¥ 8,128(定価:¥ 8,379)
おすすめ度:

 『ココナッツ』
  http://tinyurl.com/233l78

 『けだもの組合』
  http://tinyurl.com/23e6bw

 『いんちき商売』
  http://tinyurl.com/2cka5r

 『御冗談でショ 華麗なるドタバタ』
  http://tinyurl.com/yozgju

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