2007年06月29日

霧の波止場

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/




6月ってこんな暑かったっけ? と思う日々です。
ところどころで雨は降っていますが、じとじとしとしとな梅雨と
いう感じではありませんね。

こんな日はぐわっとビールでも飲みたいですね。金曜日だし…
ああ




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 霧の波止場

□ DVD今日の買い!

------------------------ 




■ 今日の映画 − 霧の波止場


--cinema1996-----------

 霧の波止場

 Le Quai Des Brumes
 1938年,フランス,90分


-----------------------


<キャスト&クルー>

監督 マルセル・カルネ
脚本 ジャック・プレヴェール
撮影 ユージン・シュフタン
音楽 モーリス・ジョーベール

キャスト ジャン・ギャバン
     ミシェル・シモン
     ミシェル・モルガン
     ロベール・ル・ヴィギャン
     ピエール・ブラッスール


<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 トラックをヒッチハイクした兵士のジャンは行く当てもなく町を
さまようが、町外れにある酒場パナマでネリーという女性と出会う。
朝、いく当てもないジャンとネリーは酒場を出て港を歩くが、そこ
でネリーが知り合いのチンピラのルシアンに絡まれ、ジャンがそれ
を追い払う。
 基本的には恋愛映画だが、そこに射す影とエスプリの効いたセリ
フがフランス映画らしさを演出している。



<レビュー>

 この時代、ハリウッドはまさに黄金時代であったのに対し、ヨー
ロッパはナチスの影の下、暗黒時代といっていい時期だった。そん
な中、フランスとイギリスだけが良質の映画を作り続け、現在まで
見続けられている。しかし、その作風はやはりハリウッドとは大き
く違う。スクリューボール・コメディなどによって確立されたハリ
ウッドのスタイルとは異なる映画がここにはあった。
 この作品は、そんなヨーロッパの独自性が非常によく見える映画
だ。まず目に付くのは画面の構成の仕方の明らかな相違である。こ
の頃のハリウッド映画(古典的ハリウッド映画)というのはある種
の確立された“文法”に基づいて作られていた。たとえばそのひと
つに「イマジナリーライン」というものがある。これは被写体とカ
メラの間に仮想的なラインを引き、カメラはその内側には入らない
というルールである。これにより、カメラは登場人物たちを常に同
じ方向から撮ることになり、切り返しのシーンでも、会話している
2人をふたりとも正面から撮るということにはならない。ふたりと
も横顔か、ひとりが正面でひとりが後姿ということになるのである。
このルールは視点を安定させることで、観客に確固とした居場所を
提供し、安心してみることができるようにするのである。
 ハリウッドで確立されたこのルールは当時のフランスにはもちろ
んなく、この作品でも丸いテーブルに座った人々を次々と正面から
撮るようなシーンがあり、その他にも視点が突然変わるようなカッ
トも数多くある。今では、そんなことは当たり前なのだが、この時
代の作品にそのようなシーンがあるとハッとする。何か“違うもの”
を見ているような感覚になるし、そのつなぎ方が完成されていない
だけに不安定な感じがするのだ。
 それはやはり、この頃はハリウッド映画のほうが完成度が高いと
いうことである。黄金期のハリウッドはやはり世界の映画の中心だっ
たのだ。

 しかし、それでこの映画が面白くないということにはならない。
古典的ハリウッド映画にはプロットの面でもルールがあり、それは
たとえば、(恋愛映画でなくとも)最後には必ず恋愛が成就すると
いうようなものだが、この作品はそのルールに従うことはない。だ
が、プロットに関してはフランスらしいよさがある。
 悲惨な境遇にあるふたりの悲恋物語であるのだが、単にふたりが
出会って恋をするというわけではない。それぞれに事情を抱え、そ
れぞれに異なる心情を持つ。そしてその心理の動きが手に取るよう
にわかり、引き込まれていく。特にネリーというキャラクターは秀
逸で、17歳という年齢特有の不安定さが非常によく表現されている。
そしてそれを演じたミシェル・モルガンも素晴らしい(なんと、こ
のとき本当に17歳だったという。とてもそうは見えないが…)
 ジャン・ギャバンのほうもさすがにいい演技をしている。ジャン・
ギャバンは当時のヨーロッパの数少ないスターの一人で、もちろん
男前が売りなわけだが、もちろんそれだけにとどまらない存在感と
表現力があったという印象だ。
 この作品はすごく暗い。しかし、その暗さの中にわずかな希望や
幸せが存在する。これは私の印象に過ぎないのだが、このような映
画というのはすごくフランス映画らしいという気がする。それがと
きに笑えないコメディとなったりもするのだが、暗さの中にある明
るさ、あるいはわずかな明るさがあるくらい物語を見ると「ああ、
フランス映画だなぁ」と思うのだ。







□ DVD今日の買い!

<今日の作品:霧の波止場>

価格:¥ 473(定価:¥ 500)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 1938年の映画

価格:¥ 3,050(定価:¥ 3,675)
おすすめ度:


価格:¥ 300(定価:¥ 500)
おすすめ度:


価格:¥ 200(定価:¥ 500)
おすすめ度:


-----
posted by ヒビコレエイガ at 15:34 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月28日

マダガスカル

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/





ああ、6月も終わりです。
月末に気になることといえばなんでしょうかね。
一部の人は楽天の期間限定ポイントの期限切れだったりしますか?
ということで、少ないポイントでも買える送料無料商品なんての
をちょっとあげてみます。
94円! 大人気バーモント酢
120円 シミ取り美容液
180円 カルシウム炭酸湯
200円 サポートストッキング
350円 インクジェット対応和紙
358円 シルバーリング
418円 ロット社製ポロシャツ
500円 豚まん・餃子・焼売セット
なんだかたくさんになってしまった…
ポロシャツっていいかもなぁ



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 マダガスカル

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

------------------------ 





■ 今日の映画 − マダガスカル


--cinema1996-----------

 マダガスカル

 Madagascar
 2005年,アメリカ,86分


-----------------------


<キャスト&クルー>

監督 エリック・ダーネル
脚本 マーク・バートン
   ビリー・フロリック
   エリック・ダーネル
   トム・マクグラス
撮影 
音楽 ハンス・ジマー

キャスト ベン・スティラー
     クリス・ロック
     デヴィッド・シュワイマー
     ジェイだ・ピンケット・スミス
     サシャ・バロン・コーエン


<評価>

☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 セントラルパーク動物園の人気者のライオンのアレックスとシマ
ウマのマーティ、ふたりは親友だがシマウマのアレックスは生まれ
てから一度も動物園の外に出たことがないことを不満に思っていた。
人間好きなアレックスはマーティが逃げ出すのをとめようとするが、
マーティは10歳の誕生日の夜、たまらず動物園を飛び出す…
 動物を主人公にしたドリームワークスのコメディアニメ。ディズ
ニーっぽいファミリー向けのライトなアニメ。



<レビュー>

 ドリーム・ワークスのアニメは、すでに確立されたディズニーの
牙城を崩すため、反骨精神にあふれた作品として支持者を得てきた。
その代表作が『シュレック』で、ディズニーお得意の御伽噺の世界
を舞台にしながら、それをおちょくるようなギャグも盛り込んで、
“オトナ”な観客の支持を取り付けた。
 しかし、そのドリームワークスがディズニーをしのぐ勢いで成長
し、アニメ部門がドリームワークス・アニメーションとして独立し
てからは、どうも骨抜きになってしまったように思える。ドリーム
ワークス・アニメーションが主となってアニメ製作を始めたのは、
2003年ころからで、2004年の『シュレック2』以降はほぼ単独で製
作している。
 そして、それ以降の作品はどうもディズニーっぽくなっている。
まるでそれまでの皮肉はのし上がるための手段だったとでもいうよ
うに、ディズニーと変わらない内容の作品を作ってしまっているの
だ。もともとファミリー向けのアニメとして作られているため、物
語はもともとディズニーとそれほど変わらなかったわけだが、子供
にはあまりわからない部分で批判精神を見せていたのに、この作品
にはそれすらほとんど見られない。わずかに見られたのはペンギン
隊くらいではないか。このペンギン隊こそがドリームワークスであ
り、むしろ彼らが主人公でなければならないのではないか。
 アメリカに限らずだが、大きな権力や企業が寡占状態になると、
その組織が似通ってしまうというのはよくある話だ。今のディズニー
とドリームワークスを見ていると、アメリカの2大政党制を思い浮
かべてしまう。大まかにはほとんど違いがないが、細部で争って、
さも大きな違いがあるかのように振舞う。実際、ディズニーは共和
党とのつながりが強く、ドリームワークスは民主党とつながりが深
い(ドリームワークスの設立者の一人デヴィッド・ゲフィンは民主
党の大物支持者でもある)から、同じような構図が見られるように
なるのも必然なのかもしれない。

 楽しいはずのファミリー・アニメを見てこんなことを思うのは、
単純につまらないからだ。見ていて退屈というわけではなく、アニ
メとしてはそれなりに楽しめるのだけれど、あくまでも動物ものの
当たり障りないアニメであり、オトナが見るに値する刺激はない。
もう子供にとっても大人にとってもディズニーとドリームワークス
の違いはなくなってしまった。
 違いがあるとすれば、ドリームワークスのアニメはお笑い芸人が
吹き替えを担当するということくらいだろうか…




□ ヒビコレリンク

 『モンスターズ・インク』

 『カーズ』




□ DVD今日の買い!

<今日の作品:マダガスカル>

価格:¥ 1,791(定価:¥ 1,990)
おすすめ度:





<今日のお勧め>

 おやすみ

-----
posted by ヒビコレエイガ at 15:04 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月26日

スキャナー・ダークリー

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/





なんだかんだで結局ビリーをテレビで見ていません。
娘のシェリーが実は奥さんの連れ子だとか、いろいろなうわさは
入ってくるものの、実物は見てません。
もう説明不要でしょうということで、今日はビリーバンドがない
人とか、もう1本ほしい人向けの情報を。
まずは、ビリーバンドとほぼ同じ商品。結構出回っています。
次は、自分で作るという方にはこちら。好みの長さにできるのでいいかもしれません。




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 スキャナー・ダークリー

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

------------------------ 

デイリー・ランキング昨日は9位


■ 今日の映画 − スキャナー・ダークリー


--cinema1995-----------

 スキャナー・ダークリー

 A Scanner Darkly
 2006年,アメリカ,100分


-----------------------


<キャスト&クルー>

監督 リチャード・リンクレイター
原作 フィリップ・K・ディック
脚本 リチャード・リンクレイター
撮影 シェーン・F・ケリー
音楽 グレアム・レイノルズ

キャスト キアヌ・リーヴス
     ロバート・ダウニー・Jr
     ウディ・ハレルソン
     ウィノナ・ライダー
     ロリー・コクレイン


<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 近未来のアメリカ、“物質D”と呼ばれる強力なドラックが蔓延
する社会で覆面麻薬捜査官のボブ・アークターはその物質Dの供給
源を探るためジャンキーのジムやアーニーを居候させ、ドナという
女性に近づいた。しかしそのためには彼自身も物質Dを飲まなくて
はならず、徐々に中毒に陥っていく。
 フィリップ・K・ディックの「暗闇のスキャナー」(映画公開に
あわせて原作の題名も「スキャナー・ダークリーと改められた」)
をリチャード・リンクレイターが『ウェイキング・ライフ』でも用
いたデジタル・ペインティングで映画化。はっきりいって実写にし
たほうがよかったと思うが、それなりに面白い。



<レビュー>

 この映画の面白さはフィリップ・K・ディックの原作に尽きる。
前半、ジャンキーのわけのわからない会話などに時間が割かれ、な
んとも散漫というか空虚な印象だが、この空気こそがフィリップ・
K・ディックらしさという感じがする。未来というのは誰もが自由
に発想することができる場所だが、ディックはそこにあえて暗さを
持ち込み、今ある現実が進むであろう悲観的な未来像をそこに示す。
しかもその多くは劇的ではなく、人間や社会の細部から崩壊してい
く世界なのである。このジャンキーを巡る前半部分はそのディック
の描く世界像に一致している。それは非常に荒廃し荒んだ未来であ
る。現在のわれわれはそこに希望を見出すことができない。
 そして、リチャード・リンクレイターがこだわるデジタル・ペイ
ンティングもこの世界観にはマッチしている。デジタル・ペインティ
ングというのは基本的には実写で撮った映像をアニメーション化し、
そこにさまざまな映像を足し引きすることで実写の特殊効果では出
せない表現も可能にするというもので、非常に手間とコストがかか
るといわれる。しかし、その割にはどうも違和感を覚える部分も多
い。実写のリアリティとも、アニメの作り物としての文法とも違う
表現であるだけに、どちらの見方をすればいいのか迷うし、そのよ
うに迷うところでは“リアル”と認識しうる映像とのギャップが見
えてしまう。それはたとえば単純に車が走るシーンだったり、人が
歩いているだけのシーンだったりするのだが、そこここに動きのぎ
こちなさというのが散見される。
 この程度の効果なら、実写にして特殊効果でやってもいけたよう
な気もするが、リチャード・リンクレイターはなぜかこだわる。こ
の作品は前半で見事にフィリップ・K・ディックの作品世界を表現
し、終盤では映画的なストーリーテリングも見せていて、展開とし
ては非常に面白いものだと思う。難解なディックを映像で表現する
という難しさを乗り越えて、うまくまとめているのだ。だからこそ、
この映像の粗が残念だ。

 フィリップ・K・ディック作品の映画化といえばなんといっても
『ブレード・ランナー』が有名だが、それ以外でも『トータル・リ
コール』『マイノリティ・レポート』『ペイチェック 消された記
憶』とメジャーな作品が並ぶ。しかし、『ブレードランナー』以外
ははっきりいって、フィリップ・K・ディックのらしさを完全に消
去して、彼のストーリーの面白さだけを利用したエンターテインメ
ント作品でしかない。原作を読むと本当にそこには重厚な世界があっ
て、(好き嫌いは分かれるにしろ)力強さを感じるのだが、多くの
作品はその“らしさ”を拭うことで映画化を容易にしているのであ
る。
 その意味では、この作品は『ブレードランナー』以来およそ25年
ぶりにフィリップ・K・ディックに真っ向から挑んだ作品だと評価
することもできる。ただ、この作品にしてもディックの作品が同時
に持つ悪趣味さは冒頭の“虫”のシーン以外では表現することがで
きなかった。この悪趣味さという点だけで言うと『トータル・リコー
ル』に軍配が上がるだろう(『スクリーマーズ』というB級映画)
もある。
 フィリップ・K・ディックは好んで映画化されるが、実は非常に
映画化するのが難しい作家なのだろう。




□ ヒビコレリンク

 『ブレード・ランナー』

 『ペイチェック 消された記憶』

 『マイノリティ・リポート』





□ DVD今日の買い!

<今日の作品:スキャナー・ダークリー>

価格:¥ 3,111(定価:¥ 3,980)
おすすめ度:


フィリップ・K. ディック
価格:¥ 924(定価:¥ 924)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 フィリップ・K・ディック原作の映画

価格:(定価:¥ 2,100)
おすすめ度:


価格:¥ 980(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 899(定価:¥ 999)
おすすめ度:


価格:¥ 3,400(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


-----
posted by ヒビコレエイガ at 15:03 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月25日

チェ・ゲバラ−人々のために−

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/




新しいパソコンを買ったため、いろいろといじり、すっかり時間を
食ってしまいます。まあ、ほとんどは趣味ですが、溜め込んだ映像
を整理したり、ほかにもいろいろと考えていることもあり、その方
法を探ったりとなかなか忙しいわけです。
しかし、やはりパソコンが早いと作業も快適。ゲームなどはやらな
いので、スペックを本当に実感できるということはあまりないです
が、DVD-R1枚を10分足らずで焼けるとやはり作業効率はアップし
ます。
おなかがすいたので、今日はこの辺で



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 チェ・ゲバラ−人々のために−

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

------------------------ 




■ 今日の映画 − チェ・ゲバラ−人々のために−


--cinema1994-----------

 チェ・ゲバラ−人々のために−

 Che - Un Hombre de Este Mundo
 1999年,アルゼンチン,88分


-----------------------


<キャスト&クルー>

監督 マルセロ・シャプセス
脚本 マルセロ・シャプセス
撮影 ウンベルト・ヴァレラ
音楽 ルイス・マリア・セルラ

キャスト チェ・ゲバラ


<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 キューバ革命の指導者として知られるチェ・ゲバラ、彼はアルゼ
ンチンで生まれ、医者となったがアルゼンチンを離れてキューバ革
命に参加した。そのチェ・ゲバラの短い生涯を生前彼とともに過ご
した人々へのインタビューでつづる伝記映画。
 製作したのは彼の生まれ故郷アルゼンチンの映画監督マルセロ・
シャプセスで、キューバとは異なる視点から彼の生涯を見直す形と
なった。


<レビュー>

 これは簡単に言えば「チェ・ゲバラ入門」である。チェ・ゲバラ
はそのイメージが世界に流布し、キューバ革命の闘士ということは
知られているが、実際彼が何をし、どのような人物だったのかはあ
まり知られていない。キューバの人々は彼のことをもちろんよく知っ
ているわけだが、それ以外の国ではイメージばかりが先行し、その
実情はあまり見えてこないというのが正直なところだろう。
 それはおそらく彼の生まれ故郷であるアルゼンチンでも同じなの
だろう。彼は若くしてアルゼンチンを去っている。彼が青年だった
当事、アルゼンチンはペロンの独裁政権時代であり、彼はそれを逃
れて南米各地を放浪、その末にカストロと出会い、キューバ革命に
没頭するようになる。
 この作品は主に彼がキューバ革命に参加して以降のエピソードを
彼とともに過ごした人々の証言から紡ぎだしていく。それは大体は
時系列順だが、細かい部分ではそれぞれの証言者に依拠しているた
め、大まかな流れと細かなエピソードというモザイク的な構成にな
る。
 しかし、このモザイク的な構成がチェという人物の魅力を引き出
している。単純に時系列順で構成してしまってはただの歴史上人物
になってしまうし、一人の証言者のインタビューをまとめて流した
のではただの思い出話になってしまう。そこを、複数の証言を比較
できるようにすることで人間としてのチェ・ゲバラの姿が浮かび上
がるようにうまく構成してあるのだ。
 だから、チェ・ゲバラという人物がどのような人物だったのかと
いうことを大まかにつかみたいという人にはうってつけの材料とい
えるだろう。

 ただ、この作品に登場する人々は彼の仲間ばかりであり、ほとん
ど好意的な印象しか証言として出てこない。確かに彼は好人物で、
やさしく、しかし実行力があり、謙虚であったのだろう。それはよ
くわかるし、この作品を見ると本当にチェ・ゲバラという人物に敬
服する気持ちがわく。
 しかし、完全に完璧な人間などいやしない。彼にも気難しいとこ
ろがあったという証言は出てくるし、コンゴやボリビアに関しては
彼にもミスがあったということを認める証言があるが、そこからは
彼の人間くささや不完全さは表れてこないのだ。そのようなミスに
もかかわらず彼は完璧な人間であり、誰からも愛される。
 でも、本当は彼を嫌っていた人もいただろうし(たとえば革命に
よって覆されたバティスタ政権人々なら必ずそうだ)、彼だってまっ
たくあくどいことをやっていないとは言えないのではないか。彼が
これだけ不正を憎む背景にはきっと何かあったはずだし、そのよう
に彼という人間を育てた背景にもドラマがあるはずだ。
 この作品は入門編としてはとてもいい。しかし私が見たいのはもっ
と人間チェ・ゲバラを感じさせてくれる作品だ。



□ ヒビコレリンク

 『モーターサイクル・ダイアリーズ』




□ DVD今日の買い!

<今日の作品:チェ・ゲバラ−人々のために−>

価格:¥ 4,442(定価:¥ 4,935)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 チェ・ゲバラ関連のドキュメンタリー

価格:¥ 7,056(定価:¥ 10,080)
おすすめ度:


価格:¥ 2,016(定価:¥ 5,040)
おすすめ度:


価格:¥ 2,993(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 3,500(定価:¥ 5,040)
おすすめ度:


-----
posted by ヒビコレエイガ at 16:50 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月24日

モスキート・コースト

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/





最近のスポーツ界はいろいろな王子なんかが話題ですが、来月は
アメフトのW杯がひっそりと川崎で開かれます。サッカーなんか
と比べるとまったく話題にありませんが、日本は第1回から2連
覇中。ただ、今回はアメリカが初参加ということで、優勝は難し
いかもしれません。
とはいっても、アメリカのチームはもちろんプロではなく、かと
いって大学生でもなく、大学を卒業しプロになれなかった選手た
ちということです。おそらく日本人のトップよりは実力が下だけ
れど、平均よりは上という選手がバランスよく集まっているので
はないかと思うので、かなりいい試合ができるのではないかと思
います。
あとはNFL EUROPEが盛んなドイツが注目でしょうか。
マイナーなイベントなため、チケットも結構お手ごろなので、ご
近所の方は出かけてみてください。
公式サイト



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 モスキート・コースト

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

------------------------ 


昨日は、デイリーアクセスランキング3位でした!


■ 今日の映画 − モスキート・コースト


--cinema1993-----------

 モスキート・コースト

 The Mosquito Coast
 1986年,アメリカ,119分


-----------------------


<キャスト&クルー>

監督 ピーター・ウィアー
原作 ポール・セロー
脚本 ポール・シュレイダー
撮影 ジョン・シール
音楽 モーリス・ジャール

キャスト ハリソン・フォード
     ヘレン・ミレン
     リヴァー・フェニックス
     ジャドリーン・スティール

<評価>

☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 発明家のアリー・フォックスは天才的な発明をするが、アメリカ
社会を呪い、社会に適合しているとは言い難かった。そして彼はつ
いに未開の民族を求めて、家族とともにジャングルに移住すること
を決意する。ホンジュラスのモスキート海岸へと移住した彼らは、
奥地の村をひとつ手に入れ、そこに移住することに…
 現代社会の物質文明への苛烈な批判を込めた人間ドラマ。本当に
いやな主人公をハリソン・フォードが見事に演じている。


<レビュー>

 この主人公のアリー・フォックスはアメリカ社会に飽んで、未開
社会を求めて“モスキート・コースト”へ行くわけだが、結局のと
ころ彼は何を求めているのか。いきなり村を買い、そこに乗り込ん
でいって自分がやりたいように畑を作り、養殖用の生簀を作る。そ
れは確かに村人の生活を豊かに下かも知れない。しかし、わざわざ
畑を作って作物を作らなくても食べ物はそこらじゅうにいくらでも
あるし、わざわざ養殖しなくても魚は目の前の川で取れるはずだ。
 結局のところ彼はとにかく余計なものを付け加えるばかりなので
あり、その際たるものが巨大な氷製造装置なのだ。彼は氷を作り、
熱帯のジャングルの人々を喜ばせるが、それは本当に彼らに必要な
ものではない。彼らは彼らなりに熱帯に即した生活方法を築いてき
たし、氷は彼らの生活を多少快適にしはするが、それは彼らの生活
に必要不可欠なものではない。だから彼らはそれをすぐに当たり前
のものと受け取るようになってしまい、アリーは失望する。
 それはある意味では、彼が心底嫌う宗教と同じ類のものだ。氷は
物理的に、宗教は精神的に生活を豊かにするが、それはどちらもわ
ざわざ別の社会から持ってくる必要はないものではないか。彼と牧
師のスペルグッドが反目するのは彼らが似ていて、先住民の人気を
獲得するという同じ目的でジャングルにやってきているからだ。彼
らの行動は16世紀17世紀に同じ土地にやってきたスペイン人とまっ
たく同じである。金を求めてやってきた山師たちと布教を目的にやっ
てきた宣教師、目的に変化はあるが、先住民が持つ旧来の権利を奪
いに来ていることに違いはない。

 この物語はアリー・フォックスという人物を通じて現代文明を痛
烈に批判している。彼の他の社会への無理解と、テクノロジーへの
盲信はまさに現代社会が世界を破壊してきたし、今も破壊し続けて
いることを象徴的に表す。文明は環境を破壊し、支配したような気
になっているが、時に圧倒的な自然の力の前に屈服してその無力さ
を顕わにする。しかし、文明はその自然をコントロールしようとし
続け、自然を不自然なものへと改変し続けようとする。
 この作品の中で私にとっては最も印象的なショットだった氷製造
機を俯瞰で撮ったショット(鬱蒼としたジャングルに銀色の箱が不
気味にぽつんと立っている)は、文明の無力さと不自然さを一瞬で
表現しているのだ。
 この作品が作られた80年代は、まだまだ大量生産大量消費が当た
り前の時代であり、この作品のような文明批判のやり方には新鮮さ
があったのかもしれない。しかし、それから20年の間にこのアリー・
フォックスのような人物がそれこそ何万人も現れて、反面教師とし
て文明のあり方に疑問を投げかけてきた。
 だから今となっては、この予定どの問題意識ではあまり知的刺激
にもならず、その結果、この主人公アリー・フォックスはただただ
いやな奴になってしまっている。見ていて不愉快だしいらいらする。
そんなキャラクターを演じたハリソン・フォードは評価できるのか
もしれないが、あまり見てよかったと思う映画ではない。リヴァー・
フェニックスの魅力も今ひとつ引き出されていない気がする。



□ ヒビコレリンク

 特にありません





□ DVD今日の買い!

<今日の作品:モスキート・コースト>

価格:¥ 882(定価:¥ 980)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 ピーター・ウィアー監督作品

価格:¥ 620(定価:¥ 690)
おすすめ度:


価格:¥ 1,350(定価:¥ 1,500)
おすすめ度:


価格:¥ 1,350(定価:¥ 1,500)
おすすめ度:


価格:¥ 1,350(定価:¥ 1,500)
おすすめ度:


-----
posted by ヒビコレエイガ at 21:34 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする