2007年09月06日

チャップリンの独裁者

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台風です。これが届くころにはどうなっているかという感じです
が、関東地方のピークは今日の夜中から明日未明という予想なの
で、まだそれほど風雨が強いという感じではないかもしれません。
それほど強い台風ではないですが、直撃は久しぶりなので、物が
飛んでしまったりしないように気をつけましょう。
それから、福島ではサーフィン中の男性が亡くなったということ
ですので、海や川には近づかないようにしましょう。台風が行っ
てからも高波や増水で危険なので、見物は安全なところから。
リアルタイムの情報はウェザーニュースが便利です。

さて、まずまず好調なまぐネット!βですが、コミュニティのオー
ナーでなくてもレビューを書けるようになりました。
そんな機能があったらいいなと思って、まぐまぐの担当者に提案
してみたら、そんな意見が多かったのか採用されたようです。皆
さんも映画を見たりなんだりしたらレビューを書いてくださいね。
知らせてくれれば見に行きます。レビューにコメントがつけられ
ないとか、フレンドリストにある人の更新が自動的にチェックさ
れないとか、いろいろ問題はありますが、まだβ版なので、これ
から変わっていくでしょう。皆さんも気づいたことがありました
ら、言ってください。リクエストしてみます。
レビューからアフィリエイとができないかと提案しても見たので
すが、それはどうなるかまだわかりません。
とりあえず、こちらからご登録を。




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 チャップリンの独裁者

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − チャップリンの独裁者


--cinema2044------------

 チャップリンの独裁者

 The Great Dictator
 1940年,アメリカ,126分


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<キャスト&クルー>

監督 チャールズ・チャップリン
脚本 チャールズ・チャップリン
撮影 カール・ストラス
   ロリー・トザロー
音楽 メレディス・ウィルソン

キャスト チャールズ・チャップリン
     ジャック・オーキー
     ポーレット・ゴダード
     チェスター・コンクリン

<評価>

☆☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 第1次大戦末期、トメニアの兵士チャーリーは飛行機の墜落事
故で記憶喪失に陥り、敗戦後十数年にわたって入院生活をする。
その間にトメニアでは独裁者ヒンケルが力を握り、ユダヤ人たち
を迫害していた。病院を抜け出したチャーリーはそんなことはまっ
たく知らずにユダヤ人街に帰り、そこで親衛隊とひと悶着起こす
が…
 当時まさに脅威となっていたヒトラーとナチスを風刺し、笑い
飛ばした社会派コメディドラマ。チャップリンの思想はここに結
実し、未曾有の名作となった。チャップリンの本格的なトーキー
第1作でもある。


<レビュー>

 このあまりに有名な作品は、ヒトラーを思い浮かべると同時に
ここでチャップリンが演じた独裁者を思い浮かべてしまうくらい
に人々の心に焼き付いている。チャップリン自身がヒトラーに偶
然似ていた(ヒトラーがチャップリンを意識していたという話も
あるが)ということからこの映画は生まれ、「独裁者ヒンケルと
ユダヤ人の床屋が似ているのは単なる偶然である」という言葉で
映画は始まる。
 時代背景としては、アメリカはまだ中立であり、国内には強行
を脱したヒトラーを評価するむきもあり、反ユダヤ主義もプロテ
スタント国家であるアメリカには根強かった。そのためチャップ
リンは非米活動委員会に目をつけられもした。しかし特に公開に
関して制限がつくことはなく1940年10月に公開、批評家から高い
評価を得ると共に、ヨーロッパの観客に熱狂的に迎えられた。第
1次大戦を題材にした『担え銃』の時もそうだったが、チャップ
リンの戦争映画はアメリカよりもヨーロッパで受け入れられやす
いのかもしれない。
 もちろん、チャップリンはそもそもヨーロッパ人であり、イギ
リス時代には反ユダヤ的なギャグをユダヤ人地区でやってしまい
大顰蹙を買ったなどという経験持っている。だからチャップリン
の人種意識というのはヨーロッパ人的であったはずだ。その彼が
威張り散らしているだけで意気地のない独裁者と心優しいが本当
は勇敢なユダヤ人の床屋という二役を演じたことの意味は果てし
なく大きい。
 映画を見ていて思うのは、どちらも間違いなくチャップリンで
あり、そのふたりに違いはないということだ。独裁者とユダヤ人、
殺すものと殺されるもの、対照的な二者の間に違いはないという
皮肉。実際ユダヤ人というのは民族ではないのだから、これはあ
りえないことではないし、ユダヤ人という想像上の民族に対する
迫害のナンセンスさを二役を演じることによってチャップリンは
表現しているのだろう。

 このようなメッセージにあふれたこの映画は基本的に喜劇では
ない。非常にシリアスな物語にチャップリンらしいギャグがちり
ばめられた作品なのだ。チャップリンのフィルモグラフィーはド
タバタ喜劇から始まり、ヒューマンドラマとしての味わいを徐々
に加味してきたが、ここに来てその関係は完全に逆転し、ギャグ
をちりばめたヒューマンドラマとなったわけだ。しかし、それで
いいのだろうと思う。チャップリンという役者は喜劇だけにとど
まる役者ではないし、優れた喜劇役者というのはシリアスな演技
をさせてもうまいものなのだ。
 ギャグのほうで注目に値するのはヒンケルの意味不明な言葉だ。
でたらめなドイツ語風の言葉には時々意味のわかる単語が含まれ、
それが繰り返され、なんとはないおかしさを生む。詳しく分析す
るとなんとなく意味が取れるようだが、それは完璧主義者チャッ
プリンのこだわりであって、観客にそれを求めているわけではな
いだろう。それよりも重要なのは、彼の言葉が“笑い”の対象と
なるということだ。この理解不可能で“おかしな”言葉は彼が我々
とは隔絶した他者であることを暗に示しているのだ。もちろん、
先に書いたように彼はこのヒンケルとユダヤ人の床屋が変わらな
いということも同時に描くことで一方的な視点に陥ることを防い
でいる。このあたりはさすがにチャップリンのバランス感覚のよ
さだろう。
 一方、シリアスさが最高潮に達するのが有名な最後の演説であ
る。チャップリンが心の底から叫ぶようなまじめな演説には本当
にすばらしい言葉があふれている。自由と人間を愛するチャップ
リンの、飾らない言葉がここに吐き出されているというべきだろ
う。それは自分と偶然にも似ていたヒトラーといおう独裁者に対
するメッセージである。
 ただ、この最後の演説は独裁者の言葉にも聞こえる。演説の中
でも言われているように、民主主義という名の下に実は独裁政治
を行う独裁者の言葉も耳に優しいのだ。われわれはこれをいかに
聞き分ければいいのか。愛があれば憎しみは生まれないというが、
その愛を利用して人々を陥れる独裁者にわれわれはどう対抗すれ
ばよいのか。この演説は堂々とそしてまっとうに自由と民主主義
を主張するが、この演説はそもそも聞いている人々の耳には独裁
者の言葉として聞こえるはずのだ。
 ただ、ハンナにはこれが独裁者ではなく一人の人間の心の叫び
だということがわかるとすることで、そこに救いを見出そうとし
ている。しかし、この声がハンナに聞こえるときに、それが天の
声のように聞こえるという点には疑問が残る。信仰と結びついた
思想は果たして公平さを保ち続けることができるだろうか。説明
を必要としない神の言葉は独裁者の言葉とどこかに通っている。

 この作品はすばらしい作品だし、いろいろな面でもほめること
は簡単だ。しかし、諸手を挙げて賛美することにはわずかの疑問
も覚える。チャップリンの平和主義には賛同したいが、そこには
危ういものも見え隠れする。実際彼は赤狩りの波の中でアメリカ
を離れざるを得ないことになる。彼はもちろん共産主義者ではな
いが、彼の思想にどこか危うさが伴っていたためにそのような事
態に巻き込まれることになってしまったのではないか。もちろん
誰にも未来を予見することはできない。チャップリンにも他の誰
にも、彼の平和主義がいつか糾弾されることになるなどというこ
とは思い及ぶわけはなく、力いっぱいにヒトラーに“NO”を突き
つけただけなのだが、映画に関しては完ぺき主義であり同時に完
全であったチャップリンも思想、理論武装という面では完全では
なかった。
 『モダン・タイムス』で赤旗を仕方なく振ったチャップリンは、
ここでも付け入る隙を与えてしまったのだ。この作品が思想的に
も優れた作品であるがために、そこのとはこの作品の評価に小さ
くはあるが瑕をつけることになってしまったのだ。





□ ヒビコレリンク

 『モダン・タイムス』



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<今日の作品:チャップリンの独裁者>

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<今日のお勧め>

 1940年の映画

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posted by ヒビコレエイガ at 15:04 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする