2007年09月21日

さらば、ベルリン

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ちょっと前からアムネスティ・インターナショナルのメールマガ
ジンに登録しています。
普段ニュースを見ていてもなかなかわからないような情報が送ら
れてきて大変に勉強になるのですが、少し前には日本での死刑執
行のニュース
がありました。
死刑というのは被害者の遺族の心境もあって難しい問題ではあり
ますが、ほとんど報道もされないのでは論争にもなりません。
光市の事件もあるし、裁判員制度も始まろうとしているし、死刑
という制度についてもう少し真剣に考えなければならない時期に
来ているのかもしれないと思いました。
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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 さらばベルリン

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■ 今日の映画 − さらばベルリン


--cinema2054------------

 さらばベルリン

 The Good German
 2006年,アメリカ,108分


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<キャスト&クルー>

監督 スティーヴン・ソダーバーグ
原作 ジョセフ・キャノン
脚本 ポール・アタナシオ
撮影 ピーター・アンドリュース
音楽 トーマス・ニューマン

キャスト ジョージ・クルーニー
     ケイト・ブランシェット
     トビー・マグワイア
     ボー・ブリッジス
     トニー・カラン

<評価>

☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 1945年、解放直後のベルリンに入った記者のジェイク・ゲイスマー
は早速財布を掏られてしまう。その財布を掏った運転手のタリーは
ベルリン混乱を利用して金儲けをしていたのだ。そしてタリーは米
軍がブラントという男を捜していると知り、それを利用して金儲け
をたくらむが、実はそれは恋人のレーナの夫だった。
 ソダーバーグとジョージ・クルーニーのセクション・エイトが40
年代の映画にリスペクトをささげて作った懐古的フィルム・ノワー
ル。


<レビュー>

 映画は解放直後のベルリンを記録した米軍の記録フィルムで始ま
る。そして、映画の途中でも時折その記録フィルムが挿入されるの
だが、作品全体がそのフィルムと調和するような映像で作られてい
る。簡単に言えば、コントラストの強い白黒画面、白い部分は空白
のように白く、黒い部分は闇のように黒い。加えて画素の荒さのよ
うに感じられるノイズが入り、まさに40年代のフィルムであるかの
ように見えるのだ。さらには、音楽の使い方も大げさな感じが非常
に40年代っぽい。40年代のフィルムを再現するという観点から見れ
ばこの映画はほぼ完璧だろう。
 しかし、肝心の内容のほうはどうか。内容のほうも40年代風のフィ
ルムノワールで、ハードボイルドな男とファムファタル的な女が登
場する。しかし、まず思うのはこの主人公のジェイクはいったい何
をしたいのかという疑問だ。ケイト・ブランシェット演じるレーナ
にほれ込んでいるという設定だと思うのだが、このハードボイルド
な男からはそのような空気がなかなか伝わってこない。ジェイクは
結局レーナの愛を求めているのか、それとも真実を求めているのか。
私にはこのジェイクという男は隠された真実を知った上でレーナを
求めるかどうか決めようとしているように見える。レーナのほうは
ジェイクを求めているのだという様子は見える。しかしそれが愛な
のかどうかはわからない。
 結局のところこの映画の問題は、これがラブストーリーなのか戦
争映画なのかはっきりとしないという点にあるのではないか。ラブ
ストーリーなら(結末はどうあれ)さまざまな障害がありながら愛
の成就に向けて進むし、戦争映画ならば感情が邪魔になりながらも
真実をあくまでも追求する。もちろん物事はそんなに単純ではない
し、人間の心もそんな簡単な論理で動いているわけではない。しか
し、この作品はストーリーを複雑にすることによって焦点が定まら
なくなってしまっているように思える。それも(最後に恋愛の結末
を持ってくることで主プロットのほうの結末をあいまいにするとい
う)40年代のハリウッド映画らしさなのかもしれないが、それにし
ては“甘さ”が足りなかったのではないか。

 結末を見ると“戦争”について語るという点では考えさせられる
作品ではある。さまざまな経験をしながらナチスに支配されていた
パリを行きぬいたユダヤ人の女と戦時のベルリンを経験せずに突然
帰ってきた男、このふたりの間の経験の差はあまりに大きい。それ
がこのふたりの間に断絶を作り、決して理解しあえないまま物語は
展開して行っていたのだ。この断絶は確かにわれわれに何かを投げ
かける。しかし、複雑な展開の物語、様々なものが隠された物語に
しては、最終的に投げかけられるものは単純すぎないか。
 戦争の生々しさは多少描けているとは思うが、それがなかなかし
みてこない。ハードボイルドに迫るのか、社会派で真実を追うのか、
それをはっきりさせなかったことで、なんとなく中途半端な印象に
なってしまったところがこの作品がどうもしっくり来ない最大の理
由かもしれない。





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posted by ヒビコレエイガ at 15:05 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする