2007年10月03日

パンズ・ラビリンス

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ずいぶん前に、ここでも書いたと思うのですが、「世界が5次元で
あると実証された」のです。
何のことやら、というのが多くの人の意見でしょうが、SF好きで
以前から5次元やら6次元やらについて考えている私としてはそれ
は放って置けないわけで、先日その本「ワープする宇宙―5次元時
空の謎を解く」を買いました。まだ途中までしか読んでいませんが、
理論物理学の本というよりは科学読み物という感じで面白いです。
まあ、原子とか、クオークといった科学用語くらいは知っていない
と厳しいですが、それさえ知っていれば“次元”という概念の基本
や理論物理学の流れがわかりやすく解説されていて知的好奇心を刺
激されます。たとえ話や図を使って具体的に知覚できる形で解説し
ているのもいいところです。
興味のある方はぜひどうぞ
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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 パンズ・ラビリンス

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − パンズ・ラビリンス


--cinema2063------------

 パンズ・ラビリンス

 El Laberinto del Fauno
 2006年,メキシコ=スペイン=アメリカ,119分


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<キャスト&クルー>

監督 ギレルモ・デル・トロ
脚本 ギレルモ・デル・トロ
撮影 ギレルモ・ナヴァロ
音楽 ハビエル・ナバレテ

キャスト イバナ・バケロ
     セルジ・ロペス
     マルベル・ベルドゥ
     ダグ・ジョーンズ
     アリアドナ・ヒル

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 1944年スペイン、内戦で父を亡くしたオフェリアは身重の母と再
婚相手のビダル大尉がゲリラとの構想の根拠地としている山間部の
屋敷へと引っ越す。その夜、オフェリアは昆虫の姿をした妖精に導
かれて迷宮の奥へと進み、そこで彼女は自分が魔法の国の王女の生
まれ変わりだと告げられる…
 『デビルズ・バックボーン』のギレルモ・デル・トロが監督した
ゴシック・ファンタジー・ホラー。ファンタジーとは言えども、グ
ロテスクで、深い作品。


<レビュー>

 主人公はおとぎ話の世界にあこがれる女の子だが、時代は第2次
大戦末期、ドイツ、イタリアの支援を受けたフランコが内戦に勝利
したことで混迷を極めるスペインが舞台とあって、単純なファンタ
ジーとはなりえない。しかも主人公のオフェリアは父を内戦で亡く
し、母の再婚相手であるビダル大尉の下で暮らすことになり、その
ビダル大尉なる人物が冷酷無比の冷血漢と来る。頼るべき母も臨月
で旅した影響で対象を崩し、おとぎ話の世界に逃げ込もうとする娘
に「魔法など存在しない」と言い聞かせる。
 そのような状況の中で少女が緑色の体をした少し気持ち悪い妖精
に導かれて迷い込んだおとぎの国には山羊の化け物のような恐ろし
い姿をした“パン”という守護神がいて、彼女が魔法の国の王女に
戻るための試練を与える。
 このあたりまでは、宮崎アニメの実写版という感じもある。宮崎
アニメというと「かわいい」印象が強いが、じつはそこにはグロテ
スクなものも結構含まれている。『風の谷のナウシカ』にも『千と
千尋の神隠し』にもグロテスクなクリーチャーが登場するが、ソフ
トな画風によってそのグロテスクさが薄められているというだけな
のだ。この作品の場合はそのグロテスクなクリーチャーをリアルに
実写化することで気味の悪さが目立ってしまっているわけだけれど、
グロテスクなファンタジーという点では宮崎アニメと通底する部分
があると思う。
 私はこの世界観は結構好きだ。宮崎アニメでも、のどかなものよ
りもどこかグロテスクだったり、辛らつだったりするものが好きだ
けれど、ファンタジーというのはただ幻想を垂れ流すだけでなく、
どこかでグロテスクであったり、現実への批判を込めてあったりす
るほうが面白いと思う。その意味でこの作品は面白く、大人の鑑賞
にも堪える作品だと思う。

 大人のためというわけではないと思うが、これはすべてが少女の
空想であったと片付けることも可能な物語だ。おとぎの国を見たの
は少女だけだし、最後にはパンがビダル大尉の目には見えないとい
うことも明らかになる。頼るものもいない厳しい生活の中で、少女
が空想に逃げ道を見出し、自分が魔法の国の王女の生まれ変わりと
信じることで現実から逃避する。それが空想ではないということを
括弧にするために、彼女は無意識にドレスを汚さざるを得ない状況
を作ったりして行く。
 しかし、それがすなわちこの魔法の国が存在しないということを
意味するわけではない。この魔法の国はオフェリアの頭の中には確
かに存在したのである。それは彼女の空想の産物であるということ
もできるのかもしれないが、あるいは何かが彼女に働きかけたと考
えることもできる。多くの人の目からは隠されたものが彼女の前に
だけ現れた、そう考えることも不可能ではない。
 その証拠に終盤、オフェリアは閉じ込められた部屋から見事に抜
け出す。その場面は映されていないが、彼女が魔法によって部屋か
ら抜け出したのではないかと考えられるように物語は構成されてい
る。目に見えない世界とこの世界がどこかで接合しているとして、
それがオフェリアという少女だったと考えることもできるのだ。
 そう考えると、この作品はSFに近いのかもしれない。そもそも
SFとファンタジーとは“空想”という部分で共通点があるものだ
し、この作品の雰囲気はSF映画の奇才クローネンバーグを髣髴と
させるものもある。また、ギレルモ・デル・トロはSF作品も手が
けてもいる。文学に目を向けてもSFとファンタジーを両方手がけ
る作家もいるし、SFに基盤を置いたファンタジーというのは単な
る空想を描いたもの養鯉も面白いことが多い。
 ファンタジーではあるけれど、小さい子供が見たら泣いてしまい
そうな映画、それは大人の空想力を高めるファンタジーとSFの間
にある作品のようだ。




□ ヒビコレリンク

 『風の谷のナウシカ』

 『千と千尋の神隠し』




□ DVD今日の買い!

<今日の作品:パンズ・ラビリンス>

 『パンズ・ラビリンス』のDVD発売は未定です。


<今日のお勧め>

 ギレルモ・デル・トロ監督作品

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posted by ヒビコレエイガ at 15:04 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする