http://www.cinema-today.net/
クルド人関連でトルコとイラクの緊張が高まっていますね。イラ
ク戦争でクルド人勢力の協力も仰いだアメリカはこの事態にどう
対処するんでしょうか。どうもイラクはベトナム化しているよう
な気がしますが、周辺情勢はベトナム戦争当時のベトナムよりも
複雑です。シリアはイラクからの難民の受け入れを中止している
し、何とかしないと本当に大変なことになってしまいます。
日本としては、海上給油とかISAFへの参加なんていう欧米諸
国のご機嫌取りの方法を論議している場合ではなく、国連なり何
なりを通じて中東諸国と連携して、具体的な問題解決策を探るこ
とのほうが必要なんじゃないかと思いますが…
国会議員の中にひとりでも本当にイラクの人たちのために何をす
るべきかを考えている人がいるのか、まったく疑問に思います。
私はイラク政策が争点になるのなら、日本の国民の多くは、イラ
クの人たちを本当に助けた人や政党に投票すると思いますがね。
さて、
ちょっとリニューアルしたホームページでは“Special Feature”
というコーナーを設けて、特集中の作品を載せていこうと考えて
います。
で、今回は「東京国際映画祭」の特集という予告をしました。
会期は今週の土曜日からですが、一足先に見ることができました
ので、今日から特集スタートということで。
今日から毎号かどうかはわかりませんが、会期中は毎日お届けす
るつもりです。皆さんも六本木、渋谷に足をお運びください。
今日は『思い出の西幹道(仮題)』という作品。来年の中国と日
本の共同制作で、来年の公開がすでに決まっているそうです。
TIFFでは、10/25の10:50と10/27の11:50に上映があります。
ともにティーチンあり。
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=27
-------- 目次 --------
■ 今日の映画
思い出の西幹道
□ ヒビコレリンク
□ DVD今日の買い!
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■ 今日の映画 − 思い出の西幹道
--cinema2072------------
思い出の西幹道
西干道
2007年,中国=日本,101分
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<キャスト&クルー>
監督 リー・チーシアン
脚本 リー・チーシアン
リー・ウェイ
撮影 ワン・ユー
音楽 チャオ・リー
キャスト チャン・トンファン
リー・チエ
シェン・チアニー
チャオ・ハイイエン
ヤン・シンピン
<評価>
☆☆☆(満点=5)
<プレヴュー>
1978年、中国北部の町、絵を描くのが好きな小学生のファントウ
と勤めている工場をサボってばかりの兄スーピンの家の向かいに北
京からシュエンという娘が引っ越してくる。舞台で踊りを披露した
シュエンにスーピンは惚れてしまうが、シュエンはまったく相手に
しない。
中国の田舎の素朴な風景と素朴な人々、これぞ中国映画という感
じの味わい深い佳作。中国第6世代の監督のひとり、リー・チーシ
アンの長編第2作。
<レビュー>
中国北部の田舎町に住む純朴な兄弟、そこに北京からやってきた
美しい少女、少女は踊りを見せて兄弟を魅了し、兄はいつか町を出
てやろうとあこがれる。ここまでそろえば、いかにもな中国映画の
舞台は完全にそろう。舞台設定も1978年と現在ではないから、その
田舎町には通勤通学の足として蒸気機関車が走り、人々の格好も顔
もすべてが素朴で、ノスタルジーを掻き立てるものだ。
そんな舞台装置のいかにもな中国映画だから、どうも陳腐なもの
になってしまいがちだけれど、このリー・チーシアンはそれをうま
く食い止めて、“いい”作品に仕上げている。まずいいのは、映像
だ。荒涼とした大地というのは中国北部を舞台にした映画にありが
ちか映像だが、ロングショットでその映像を撮り、画面いっぱいに
使ってそこに人の動きを入れる。たとえば、シュエンが二人の男に
絡まれ、スーピンがそれを助けるシーン、画面を横切る一本道で繰
り広げられるそのシーンは一貫してロングショットで捉えられ、スー
ピンに追い立てられた二人組シュエンとスーピンのところから離れ
る。普通ならここで二人組がフレームアウトするか、カメラがシュ
エンとスーピンによるところだが、この作品ではこのシーンをロン
グで捉え続け、二人組は画面のぎりぎりまで行ったところで戻って
くる。この画面全体をうまく使った映像の作り方によって観客の注
意が画面全体に及び、風景は単なる牧歌的な風景であることをやめ
るのだ。
また、この町は単なる田舎町ではなく、荒涼とした台地の中に工
場が林立する場所でもある。牧歌的なはずの田舎町に巨大な工場が
いくつも建っている。煙突からは絶えず煙が吐き出され、そのせい
かはわからないが、空はいつも曇り太陽は顔を出さない。この重苦
しく閉鎖的な感じはここにいる若者の未来の暗さをあらわしている。
スーピンは働くのがいやだから工場に行かない“ろくでなし”とい
うことにされているが、その工場で働いていても彼には未来がない
ということがわかってくると、その彼の気持ちも理解できるように
なる。ファントウも意識はしていないが、このままでは自分にも未
来がないということに感づいており、絵を描くということがその暗
さに対する唯一の望みとなっているのだ。
そんな二人の前に現れたシュエンは北京という都会を具体的にイ
メージできる対象であり、それは未来の象徴でもある。だからスー
ピンはシュエンに固執し、ファントウはシュエンにもらった画用紙
(北京の画用紙)を大事にしまいこむのだ。
そしてこの作品はさらにその北京=未来を線路の先にある場所と
して意識させ、たびたびその線路を映し出す。線路が消え行く地平
線の先にはまだ見ぬ未来がある。閉鎖的で保守的な田舎町に嫌気が
差した若者は線路の先にある未来を夢見るのだ。
さらに言えば、牧歌的なまま終わらない終盤の展開も秀逸なもの
がある。どんでん返しというほど驚く展開ではなく、予想の範囲は
出ないのだが、それでもそこには変化がある。それは中国という国
の変化とも結びついているようにも思え、何らかのメッセージを受
け取ることも可能だ。
この映画はいい映画だ。中国映画が好きな人はもちろん、あまり
中国映画を観たことがないという人にもお勧めできる。ただ、それ
なり数の中国映画を見て、それほど中国映画が好きではないという
人には「またか」という感じの作品になってしまうかもしれない。
しかし、まだ40代と若いこのリー・チーシアン監督は近いうちに中
国を代表する監督になるかもしれないと感じさせるものがあるので、
そんな人も見ておいて損はないと思う。
□ ヒビコレリンク
『わが家の犬は世界一』
同じ中国第六世代のルー・シュエチャンの監督作品。
□ DVD今日の買い!
<今日の作品:思い出の西幹道>
『思い出の西幹道』のTIFFでの上映情報はこちら
<今日のお勧め>
中国第六世代監督の作品









