2007年10月17日

誰かを待ちながら

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/



なんだか10月に入ったあたりからずっと眠いです…
何なんだこれは。
季節の変わり目で安眠できていないのでしょうか
眠気の覚めるアロマでもかいで頑張りますかね…

あるいは安眠枕でも…


今日も東京国際映画祭から。
『誰かを待ちながら』という作品です。
上映は21日と26日にあります。
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=21



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 誰かを待ちながら

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

------------------------ 




■ 今日の映画 − 誰かを待ちながら


--cinema2073------------

 誰かを待ちながら

 J'Attends Quelqu'un
 2007年,フランス,96分


-----------------------


<キャスト&クルー>

監督 ジェローム・ボネル
脚本 ジェローム・ボネル
撮影 パスカル・ラグリフール
音楽 

キャスト ジャン=ピエール・ダルッサン
     エマニュエル・ドゥヴォス
     シルバン・ディユエド
     フロランス・ロワレ=カイユ
     エリック・カラヴァカ

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 フランスの田舎町でカフェを営むルイは馴染みの売春婦と逢瀬を
重ね、その妹アニエスは最近夫との関係がうまくいっていない。そ
の町に2年間の旅を終えて帰ってきた青年ステファンはかつての恋
人らしき女の家に無言電話をかけ、その家を除き見る。
 小さな田舎町を舞台に、そこで暮らす人々が抱える孤独を描いた
佳作。『明るい瞳』のフランス若手監督ジェローム・ボネルのいか
にもフランス映画らしい映画。




<レビュー>

 私は時々、映画を見ながら「哲学を忘れているのではないか」と
思うことがある。その哲学とは「人生哲学」というように言う場合
の哲学ではなく、純粋に何かを突き詰めて考えるという哲学だ。そ
のように思うことはフランス映画に特に多いが、この作品もそんな
作品のひとつだった。
 かといってこの作品が哲学的な作品かというとそうでもない。こ
の作品は簡単に言えば“孤独”の物語である。人は孤独にどうしよ
うもなく惹かれるけれど、同時に孤独から逃れて大切な人と触れ合
いたいと思う。そのような人間と孤独の関係をただただ繰り返し描
くのだ。

 主人公のルイは、段々わかってくるのだが、妻と別れまだ小さな
子供は母親と暮らしたまに彼の住居兼仕事場(カフェ)にやってく
る。そしてまた彼には馴染みの売春婦のサビーヌがいる。そのルイ
の妹アニエスは小学校の先生で新聞記者の夫と幸せな生活を送って
いるが、その夫との関係がこのところ今ひとつうまく言っていない。
2年間の旅を終えて故郷に帰ってきた青年ステファンは昔の恋人ら
しい女性に声をかけられず、彼女の夫らしい男と何とか友達になろ
うとする。
 彼らに共通するのは心に空白を抱えているということだ。その空
白を埋めてくれる「誰か」を彼らは待っている。だからこの作品は
『誰かを待ちながら』というタイトルなのだ。
 しかし、この作品はただそれだけだ。3人の誰かを待っている人
の数日間をただただ映し出しただけだ。それぞれの人生のときは進
み、小さな事件はいくつかおきるが彼らの空白は埋まらないまま淡々
と物語は進んでいく。そうなると、どうしても考えてしまうのは、
彼らが抱える空白に巣食っているものは何かということだ。そして、
それが“孤独”である。彼らはその空白を埋めようとするのだが、
そこに巣食っている“孤独”もどこかで失いたくないと思っている。
だからこの物語は進まず、彼らは孤独なままなのだ。
 これはいったい何なのか。単なる停滞なのか、それとも小さな一
歩なのか、あるいは人生とはそもそもこういうものなのか。この物
語はそのようなことを観客に考えさせる第一歩なのだ。だから、こ
の作品自体に哲学がないとしても、観客はここから哲学の深みに入
り込んでしまう。

 この作品の持つ意味を解くにはおそらくルイの愛読書として何度
も言及される「感情教育」を読む必要があるのではないかと思う。
私も概略しか知らないのでそこから解き明かすことはできないのだ
が、この映画の物語と「感情教育」とは少なからず重なり合う部分
があったと思う。
 「感情教育」は小説だが、フランス映画は哲学や小説に言及する
のが好きだ。それはフランス映画が映画だけに終わるのではなく、
常にその外側へとつながっていっていることを意味している。映画
の中で描かれているのは見ている自分とは関係ない別世界の出来事
ではなく、実生活の写像なのである。人はそれを哲学を通じて理解
することができる。
 この作品の物語は「だからなんだ」と言いたくなるようなもので
あり、はっきり言って退屈といいたくなる部分もある。しかし、そ
の退屈にこそ哲学があるのかもしれない。退屈した観客が映画から
飛躍して何かを考える、それがこの映画の楽しみ方なのかもしれな
い。




□ ヒビコレリンク

 特にありません



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:誰かを待ちながら>

 『誰かを待ちながら』のTIFFでの上映情報はこちら
  http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=21


<今日のお勧め>

 くせのあるおやじジャン=ピエール・ダルッサン出演作

価格:¥ 3,652(定価:¥ 4,935)
おすすめ度:


価格:¥ 9,450(定価:¥ 5,040)
おすすめ度:


価格:¥ 3,032(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:






-----
posted by ヒビコレエイガ at 16:05 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする