2007年10月21日

青い瞼

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http://www.cinema-today.net/




昨日は映画祭にはいけなかったのですが、レッドカーペットとか
オープニングセレモニーとかいろいろあったようです。
その様子はホームページから見ることができます。
イベント情報なども載っているので、ご覧ください。

今日もその作品で『青い瞼』です。
上映は今日21日の夕方と23日です。
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=5
まだ日本での配給が決まっていないそうなので、もう見る機会は
ないかもしれません。興味のある方はこの機会にどうぞ。




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 青い瞼

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 青い瞼


--cinema2076------------

 青い瞼

 Parapados Azules
 2007年,メキシコ,98分


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<キャスト&クルー>

監督 エルネスト・コントレラス
脚本 カルロス・コントレラス
撮影 トナティウ・マルティネス
音楽 イナキ

キャスト セシリア・スアレス
     エンリケ・アレオラ
     アナ・オフェリア・ムルギア
     ティアレ・スカンダ
     ルイサ・ウェルタ

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 制服会社に勤めるマリナは年に一度の抽選会でリゾートへの豪華
ペア旅行があたる。しかし、友達もいないマリナは一緒に行く相手
も見つからずに困ってしまい、しばらくあっていない姉を誘うこと
にする。そんな時、元同級生だというビクトルに話しかけられるが、
マリナは彼のことをまったく覚えていなかった…
 孤独な男女の出会いを描いたドラマ。監督はこれが長編デビュー
作となるメキシコ期待の若手監督エルネスト・コントレラス。



<レビュー>

 マリナがビクトルと旅行に行くことを決めるまでに結構な時間を
割かれているが、実際この物語が展開されるのはこの決定以降のこ
とで、それ以前は背景説明に過ぎない。マリナは姉と行くことに決
めるが、夫とうまくいっていない姉は夫とふたりで旅行に行けるよ
うマリナに旅行をあきらめさせようとする。マリナが首を縦に振ら
ないために、姉はマリナを負け犬と呼んでふたりは喧嘩別れする。
マリナがビクトルを誘ったのは、その姉とのやり取りが原因だろう。
旅行の相手を探すのもそうだが、自分だって男と付き合うことぐら
いできるということを姉に見せてやろうという意図があったのだ。
前半部分はこのようなマリナの心情と彼女の孤独の説明であり、同
時にビクトルの孤独の説明でもある。
 このふたりがであったとき何が起きるか、これがこの映画のテー
マである。ふたりとも一人でいることになれすぎて、人とどう接し
ていいのかがわからない。そういう人が人と触れ合うとき、思うが
侭にならないストレスにさいなまれてしまう。一人でいれば何でも
自分の好きなようにできるが、誰かと一緒にいると何かを妥協しな
ければいられない。まだ打ち解けていないふたりならなおさらそう
だ。
 ふたりの初めてのデートであるピクニックのシーン、敷物を敷い
て座ったふたりの間には並木で作られたトンネルがずっと奥まで続
いている。これはもちろんふたりの間にある溝の深さを表している
のだろう。そしてマリナはあまり会話もせず敷物の繊維をむしる。
もちろん、それはストレスを感じたときに人が気を紛らわせるため
にとる行動だ。
 物語としては、その距離が徐々に縮まっていくとなりそうだが、
マリナにはその距離を縮めようという気があるようにすら見えず、
心理的な距離は縮まらないままふたりはデートを重ね義務のように
段階を踏んでいく。そしてふたりの関係が最後まで行くかという夜
のダンスホールでもふたりの距離は縮まっていない(これも視覚的
に表現される)。
 結局ふたりは打ち解けないのだが、隣にいるということにはまっ
たく意味がないわけではない。マリナは凍りついた固い殻をまとっ
てビクトルのといるけれど、ビクトルの体温はわずかずつでもその
固い殻を溶かしていく。殻の内側にたどり着くことはなくともその
殻には凹みができ、その相手がいなくなると、その凹みは空洞とな
る。マリナは最終的にこれ以上近づくことの危険を察して相手を遠
ざけるが、そこで始めてその空洞に気が付く。孤独な人同士がであっ
たとき、すぐにはドラマは生まれないが、そのような過程を経て何
かがわかる。

 この作品を見て思い出すのはアキ・カウリスマキの作品だ。無口
で不幸な二人の物語、そして孤独なもの同士が出会う物語、このふ
たりの主人公をマッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンが演
じていれば、完全にカウリスマキの世界となるような気がする。
 場所がメキシコになっても孤独で無口で不幸な二人が出会う物語
がもつムードは変わらない。果たしてこのエルネスト・コントレラ
スがカウリスマキのようにこんな作品ばかりを撮っていくのかはわ
からないが、少なくともこのような作品はフィンランドでもメキシ
コでも作られ、日本でも受け入れられるいわば世界に普遍的な物語
であるということだ。
 だからこの作品もしっくり来る人には結構しっくりと来る作品だ
と思う。映像の使い方も上手だし、配役も絶妙、結末も微妙だが考
えさせられる。映画祭という華やかな舞台にこれだけ地味で暗い作
品を持ってくるというのはなかなか面白い。




□ ヒビコレリンク

 マッティ・ペロンパーとカティ・オウティネン

 『パラダイスの夕暮れ』

 『愛しのタチアナ』
  


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:青い瞼>

 『青い瞼』のTIFFでの上映情報はこちら
  http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=5


<今日のお勧め>

 アキ・カウリスマキです。

価格:¥ 3,400(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 4,489(定価:¥ 5,985)
おすすめ度:


価格:¥ 1,760(定価:¥ 2,500)
おすすめ度:






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posted by ヒビコレエイガ at 15:06 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする