http://www.cinema-today.net/
東京国際映画祭もいよいよあと2日となりました。
ここまで21本を見まして、出色は『再会の街』と昨日見た
『潜水艦は蝶の夢を見る』でしょう。
『潜水艦〜』のほうは特別招待作品で、お正月公開が決まってい
るので、そのときに改めて紹介しますが、かなり面白かったです。
『再会の街』のほうも上映は終わってしまいましたが、私の予想
ではおそらくグランプリを撮るので、日曜日の受賞作品上映に行
けば見れるはずです。
まあ、こちらも公開が決まっているので、もちろん公開されてか
ら見てもいいのですが。
今日はまだ上映がある作品の中から『ラッキー・マイル』です。
土曜日の20時からあります。
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=105
ホームページのほうも随時更新していますので、ご覧ください。
http://cinema-today.net/feature/tiff2007.html
-------- 目次 --------
■ 今日の映画
ラッキー・マイル
□ ヒビコレリンク
□ DVD今日の買い!
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■ 今日の映画 − ラッキー・マイル
--cinema2081------------
ラッキー・マイル
Lucky Miles
2007年,オーストラリア,105分
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<キャスト&クルー>
監督 マイケル・ジェームズ・ローランド
脚本 マイケル・ジェームズ・ローランド
ヘレン・バーンズ
撮影 ジェフ・バートン
音楽 トマス・ブルーマン
キャスト ケネス・モラレダ
ロドニー・アフィフ
シーサック・サックプラサート
<評価>
☆☆☆1/2(満点=5)
<プレヴュー>
密入国船に乗ってオーストラリアにやってきたカンボジア人とイ
ラク人12人だが、下ろされた場所は何もない砂漠でそれぞれ分かれ
て当てもない旅をすることに。その中でカンボジア人のアランとイ
ラク人のヨシフがひとり集団から離れることになる。そしてふたり
は出会うのだが…
異なる国からやってきた3人が繰り広げる奇妙な道中をユーモラ
スに描いた社会派コメディ。監督のマイケル・ジェームズ・ローラ
ンドはこれが長編デビュー作となる。
<レビュー>
浜辺に下ろされた12人の密入国者たち、彼らが眼にするのは果て
しなくなにもない荒野、しかし彼らに選択の余地はなく、カンボジ
ア人とイラク人の二つのグループはそれぞれ充てもなく歩き始める。
その台地はあまりに広大すぎて人間の姿はちっぽけでおかしく思え
てくる。主人公のふたりアランとヨシフはわけあってそれぞれのグ
ループから離れることになり、一人旅を続けざるを得なくなる。一
人ぼっちの人間にとってこの荒野は絶望的過ぎ、であったふたりは
不安から仕方なく道連れになる。
この荒野の中でふたり(後に3人)はあがき、小さな希望にすがっ
て歩き続ける。しかしやはりこの荒野は広大すぎ、その先には絶望
しかまっていないように思える。アランの当てにならない地図も、
ラメランの根拠のない自信もはかない希望を保つための方便でしか
ない。しかし、このちっぽけな人間はこの絶望の中でも希望を捨て
ず、一喜一憂を繰り返す。この姿がなんともおかしく、ほほえまし
くていい。もちろん極限状態では人間のいやな部分も出てくるけれ
ど、人間は絶望の中の本のわずかな希望でも幸福になれるものなの
だということもわかる。
こういう物語では、だいたい彼らの間に友情が生まれるもので、
この作品もそんな作品のように見えるのだが、私は必ずしも彼らの
間に芽生えた感情は友情ではないように思えた。それは友情を含め
た人間関係、人間と人間とのつながりについて考えさせられるもの
だが、友情というよりは運命共同体としての共感、自己愛の投影と
しての愛情がそこにはあるのではないかと思うのだ。
ここで出会うのはまったく異なる環境でまったく異なる生活をし
てきた人間同士である。そのような人間同士が出会ってまず生まれ
るのは拒否/拒絶である。それは相手を理解できないことから来る。
オーストラリア人の兵士達が彼らの不可解な行動を見て、スパイで
はないかと的外れな想像をしたように、相手の行動の真意が理解で
きないのだ。間違った素材から生まれた想像は大体的外れだ。自分
とはまったく異なる基盤を持った人について、自分自身を基準にし
て想像してしまってはそれは的外れなものになってしまう。しかし
人間はそのようにして先入観を抱き、相手を警戒するものだ。この
2人/3人の間でも最初はそのような警戒心が生じる。
しかし、この極限的な旅の中で同じ行動をすることによって共通
する部分を見出し、少しずつ相手のことが想像できるようになる。
そのようにして始めて相手を受け入れることができ、自分のことを
思うように相手のことを思ってそこにつながりが生まれるのだ。
あらゆる人間関係には常に先入観と誤解が入り込む。この作品は
それを最大限に誇張したものだ。ここまで極端な拒絶や誤解が生ま
れ、それが劇的に瓦解するということは日常ではないわけだけれど、
その小さなバージョンは日々繰り返し起こっているのだ。
この作品はコメディというか、基本的に喜劇だけれど、そのおか
しさは私達が日常的に他者と接する中で感じるおかしさを拡大した
ものである。背景にはさまざまな政治情勢があるのだが、それはまっ
たく感じさせず、ユーモアあふれる人間ドラマに徹したことでこの
作品はいい作品になったし、考えようと思えばその先(1990年のカ
ンボジアとイラクについて)を知るきっかけにもなる。
彼らはみな難民として受け入れてもらえたのだろうか。日本だっ
たらおそらく本国に強制送還か、よくても第3国に出国という形に
なったのではないかと思う。移民国オーストラリアなら、彼らを受
け入れてくれたのではないかと願いたい。
□ DVD今日の買い!
<今日の作品:ラッキー・マイル>
『ラッキー・マイル』のTIFFでの上映情報はこちら
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=105
<今日のお勧め>
今日はベストセラーを







