2007年10月29日

ファラフェル

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/



11月3日は「アロマの日」だそうで、明日から1週間は「アロマ・
ウィーク」だそうです。
私はアロマにはまったく親しみがありませんが、現代のストレス
社会では結構アロマというのは重要なもののような気もします。
これを気にはじめてみようかなぁ… などと思った方はこちら
どうぞ。
せっかくだからアロマテラピーの資格も取っちゃおうかなという
方はこちら
ちなみに、男性のためのセットというのもあります。
ストレスフルな日常を送っている方、ぜひどうぞ。

さて、
東京国際映画祭のグランプリは『迷子の警察音楽隊』になりま
した。この作品も見てはいましたが、私としてはちょっと意外。
ほかにもっと面白い作品はあったのに。しかし、映画祭向きの
作品というのがあるのも確かで、イスラエルに来たエジプトの
警察音楽隊という設定と、程よい社会性とほどよいユーモア、
映画としての質の高さを考えるとまあ、納得できる結果ではあ
ります。この作品はすでに公開が決定(12月中旬から)してい
るので、レビューはそのころにお届けします。

映画祭は終わりましたが、今日もその中からレバノン映画の
『ファラフェル』です。
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=115
日本公開予定のない作品を紹介してきましたが、その中から何
本が公開されることになるでしょうね。




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ファラフェル

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − ファラフェル


--cinema2083------------

 ファラフェル

 Falafel
 2006年,レバノン,83分


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<キャスト&クルー>

監督 ミシェル・カンムーン
脚本 ミシェル・カンムーン
撮影 ミュリエル・アブールース
音楽 タウフィーク・ファッルーフ

キャスト エリー・ミトリー
     イーサム・ブーハーリド
     ミシェル・フラーニー
     ガブリエル・ボウ・ラシェド
     ヒヤーム・アブーシャディード

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 ベイルートの大学生トゥはバイトを終え、友人宅でのパーティー
に向かう途中、ファラフェル屋で不思議な話を聞く。パーティへと
やってきた彼はそこで繰り広げられるごたごたに戸惑いながら、想
いを寄せるヤスミンに視線を送るが…
 内戦が終結して15年、平和に見えるベイルートで暮らす若者たち
の一夜を描いた青春ドラマ。見ればとりあえずファラフェルが食べ
たくなる。



<レビュー>

 トゥが突然目撃する誘拐事件。トゥはこれに驚くがそれに対して
何もするわけではない。さらに、車に当てられたというちょっとし
たトラブルで持ち出される銃、一見平和に見える大学生の日常に見
え隠れする不穏な空気、トゥは殴られた相手に仕返しをするために
銃を手に入れる。その銃のアル中の密売人はレバノンについて、中
東のスイスなどといわれているが、その実、圧制と暴力の国である
と言う。この密売人の言葉がまさしくこの夜のベイルートを表して
いる。若者たちが遊ぶ姿は先進国とそれほど変わらない。しかし、
その背後には暴力と暗さが常にある。
 そのような国に生きる若者たちを描くことで浮かび上がってくる
のは平穏さと閉塞感だ。彼らの日常はごく当たり前の平和なものだ。
主人公のトゥはアルバイトをして夜は友達と遊ぶ当たり前の大学生、
パーティーでは惚れたはれたが話題の中心である。酒を飲んで時々
はドラッグもやる。しかし無茶はせず、バイトも友人も恋も大切に
する。
 しかし彼の希望はどこにあるのか。そんな平穏な日常を送ってい
る彼だが、どこかあきらめの表情が常に浮かんでいるように見える。
それは若者らしいツッパリと見ることもできるのかも知れないが、
それにとどまらない好奇心や意欲の喪失がそこにあるように見える。
そんな彼にファラフェル屋の主人が語るエピソードがじんわりと沁
み込む。飢餓に苦しむ村に空からファラフェルが降ったという話、
何百個に一個浮かないで沈むファラフェルがあるということ、それ
ははっきりとではないが、希望は常にあるということをトゥに思い
出させる。

 しかしもちろん、そう簡単に彼の閉塞感が和らぐわけではない。
出口を求める彼の鬱憤は暴力を振るわれた怒りにそれを見つける。
彼の鬱憤は怒りから暴力への衝動に変化し「因縁をつけた男」への
復讐に向けられる。これは彼の閉塞感の根深さを示しているのだろ
う。ファラフェル屋の話から感じたほのかな希望だけでは決して拭
い去ることのできない閉塞感、それは長きに渡る内戦がベイルート
に残した傷が15年という時間では拭いきれていないこと無関係では
ない。そのような社会で育った彼に希望を持てということはそう簡
単なことではないのだ。
 それは彼にファラフェルが空から降ってくるという小さな奇跡が
訪れてもほとんど変わらない。それでも彼は銃を持って「因縁をつ
けた男」のところに行こうとする。しかし、彼はそれに親友のオタ
ク男アブーディを連れて行こうとし、家族と暮らす家により、結局
その復讐は果たしえない。
 彼にはなぜアブーディが必要だったのか、あるいは彼は復讐をや
め、別の何かをしようとしていたのか。それは最後までわからない
が、見終わったときに強く感じるのはその疑問よりも何もなくてよ
かったという安心感だ。すっきりとはしないが、これが現実であり、
このような結末でよかったと思わせる。
 何かが起こりそうで何も起こらない。しかし、何も起こらないこ
とのほうが貴重なこともある。学生が簡単に銃を買えてしまう社会、
そんな社会が平和であるというのは奇跡のようなものだ。ファラフェ
ルはっ平和と平穏と安心の象徴である。それが当たり前にあること
の貴重さをもっと噛みしめろとこの映画は言っているような気がす
る。15年という歳月は平和をもたらした変わりに忘却ももたらす。
ファラフェルが貴重であったころを忘れず、平和であることに感謝
しなければならないのだ。それはかつて戦争を経験したことのある
あらゆる国(つまり世界のあらゆる国)に当てはまることである。





□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ファラフェル>

 『ファラフェル』のTIFFでの上映情報はこちら
  http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=115


<今日のお勧め>

 今日は在庫一掃セール品を。

 『Ray / レイ 追悼記念BOX』
  http://tinyurl.com/2elqzo

 『キング・コング プレミアム・エディション』
  http://tinyurl.com/235g4b

 『ウォンビン・セット』
  http://tinyurl.com/2554k5






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posted by ヒビコレエイガ at 15:03 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする