2007年12月05日

帰郷

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昨日はクリスマスの話題でしたが、今日はお正月の話題。
昨日は紅白出場歌手が発表されたりして、もうすっかり年の瀬と
いう感じですが、世の中ではすでに福袋が売り出され、売切れた
りしています。お正月に発売される福袋の予約が始まって、あっ
という間に売り切れたりするそうな。
私は福袋はあまり買わないんですが、好きな人は好きですからね。

売り切れているものも多いので、お早めにどうぞ。



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 帰郷

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 帰郷


--cinema2105-----------

 帰郷

 落葉帰根
 2007年,香港=中国,100分


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<キャスト&クルー>

監督 チャン・ヤン
脚本 チャン・ヤン
   ワン・ヤオ
撮影 ユー・リクウァイ
   ライ・イウファイ
音楽 

キャスト チャオ・ベンシャン
     ホン・チイウェン
     ソン・タンタン
     フー・ジュン

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 チャオが乗った深から重慶に向かうバスにバスジャックが乗り
込んで来る。チャオは隣の男が実は死んでしまっていることを告げ、
バスジャックを追い払うことに成功するが、他の乗客に気味悪がら
れ、バスを降りることになる。チャオは友だちのリュウの遺体をふ
るさとに帰るべく、ヒッチハイクと徒歩で旅を続ける。
 『スパイシー・ラブ・スープ』のチャン・ヤン監督のコメディ・
ドラマ。微笑ましくも深みのあるドラマに仕上がっている。


<レビュー>

 題材は死んでしまった男を運ぶというなんとも物騒なものだが、
チャン・ヤンはその題材を平和で微笑ましい物語に変えてしまう。
これはこの監督の特徴であり技だと思う。牧歌的というわけではな
いのだけれど、穏やかでのどかで優しい。『こころの湯』のような
いかにもな題材だけでなく、この作品のような物騒な題材でも同じ
ように優しい作品を取れるというのはすごいことだ。
 この作品に限って言うと、それを実現しているのは“旅”である。
ひとところにとどまらないことで、面倒くさい人間関係やしがらみ
から逃れることができ、死人という物体はひとつのエピソードにな
り、主人公のチャンのキャラクターづけをする小道具に過ぎなくな
る。そこがこの映画の味噌なのだと思う。つまりこの作品はロード
ムービーであることで成功しているのだ。
 うだつのあがらない中年の男が、唯一の友人も失ってしまい、彼
の望みをかなえるために旅に出る。途中で泥棒にも会い、一文無し
にもなるけれど、暖かい人々との出会いもあり、紆余曲折を経なが
らも前へ進んでゆく。

 ロードムービーというのは一般的に、目的地に向かう旅の旅程で
別の何かを発見するという展開になることが多い。それはロードムー
ビーというのが結末に向かうことに意味があるのではなく、その過
程に意味がある物語だからだ。
 この作品もそのような展開をとる。目的は友人の遺体を故郷へと
運ぶことだが、作品の核心は彼の旅自体にある。彼がさまざまな人々
と出会うことで自分自身が変わっていくのである。
 もちろんただ旅をすれば、そのような出会いと発見が生まれるわ
けではない。この作品で言えばこの主人公のチャオの正直さがそれ
を呼ぶ。彼は死人を運んでいるということがばれないように口をつ
ぐむこともあるし、ひもじくて葬式にもぐりこむこともある。しか
し聞かれれば正直に答え、人をだまそうとはしない。その正直さが
人の善意を呼び寄せ、彼の旅は何とか進んでいくのだ。彼の正直さ
はおそらく彼のそれまでの人生で幸福と同時に不運も読んでいたの
だろう。彼はそれを背負ったまま旅に出て、その正直さで新たな人
生を呼び寄せた。それは決して劇的な変化ではないけれど、彼の旅
が徒歩でゆっくりと進むように、彼の人生もゆっくりと変化してい
くのだ。
 ロードムービーにおける旅とは常に人生の比喩である。このゆっ
くりとした旅は彼のゆっくりとした人生、あるいは停滞した人生を
表象しているのだろう。

 ロードムービーというのはやはりいい。物語が進めば場所が変わ
り、風景が変わり、人が変わる。旅人はどこでもよそ者であり、出
会うのは常に未知のものである。未知のものとの出会いは新たな発
見、新たな展開、新たな関係を生む。
 ロードムービーでは何も劇的なことが起きなくても、小さな驚き
の連続がドラマを生み、それが面白い。小さなドラマの積み重ねが
主人公の内面にひとつの流れを生み、それが物語となるのだ。そし
てそこに彼の人生が見える。その控えめな感じがなんともいいのだ。
 この作品にもそんなロードムービーのよさがきっちりと当てはま
る。中国は広く、その文化のバリエーションは豊富だ。だから、中
国を舞台にしたロードムービーはもっとあってもいい。そんな思い
を強くさせる作品だった。




□ ヒビコレリンク

 『こころの湯』


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:帰郷>

 http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=77


<今日のお勧め>

 中国第六世代監督の作品

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posted by ヒビコレエイガ at 15:05 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする