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今日は真面目な話です。
今月の初めですか、鳩山法相が死刑執行された死刑囚の氏名を
公表しました。死刑というのは、法律の名のもと、つまり国民の
名の下に行われるものなので、これまで氏名が公表されていな
かったおかしいわけで、そのこと自体は当然だと思います。
私たちは自分たちが国家の一員としてその死刑を執行している
のだという意識を持たねばなりません。
残虐な殺人事件がおきると、その被害者の遺族が「極刑」を求
めるということが、最近よくあります。その遺族の気持ちはわ
かりますし、そう求めることは間違ったことだとは思いません。
しかし、裁判は被害者のために行われるわけではなく、国民の
ために行われます。日本という国に住む人々が安心して暮らせ
るように犯罪を犯したものは罰する、それが裁判のシステムな
わけです。被害者の遺族がいくら望んでも、国民の総意が「極
刑」を望まなければ、その犯人を死刑にすることはできない。
それが法律です。
つまり、死刑を言い渡すということは、私たち日本国民がみん
なで「その犯人を殺す」ことを決めたということです。
なぜ、そんなことを書いたかと言えば、先日、国連が「死刑執
行の停止」を求める決議が可決されたからです。死刑の廃止で
はなく、死刑執行の停止、これは裁判が完全なものでは決して
ありえず、冤罪が常にありうるから取り消すことのできない死
刑という刑罰には問題があるからです。
これは非常に難しい問題です。でも考えなければならないので
す。クリスマス、年末年始と楽しい時間を過ごす前に、少し立
ち止まって考えてみてください。
参考書というのは難しいですが、根本的なところから考えるな
ら法哲学について学ぶのもいいかもしれません。
今日の映画は明日公開『ペルセポリス』です。
イラン人の少女の物語。戦争が身近にある生活、考えさせられ
ます。
-------- 目次 --------
■ 今日の映画
ペルセポリス
□ ヒビコレリンク
□ DVD今日の買い!
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■ 今日の映画 − ペルセポリス
--cinema2119-----------
ペルセポリス
Persepolis
2007年,フランス,95分
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<キャスト&クルー>
監督 マルジャン・サトラピ
ヴァンサン・パロノー
原作 マルジャン・サトラピ
脚本 マルジャン・サトラピ
ヴァンサン・パロノー
音楽 オリヴィエ・ベルネ
キャスト キアラ・マストロヤンニ
カトリーヌ・ドヌーヴ
ダニエル・ダリュー
サイモン・アブカリアン
フランソワ・ジェローム
<評価>
☆☆☆1/2(満点=5)
<プレヴュー>
1978年のイラン、9歳の少女マルジはブルース・リーにあこがれ、
幸せな家庭で育っていた。しかし、王制に反対した反政府革命が勃
発、マルジと家族も革命に期待を寄せその活動に参加するが、革命
は内戦へと発展してしまう…
パリ在住のイラン人マルジャン・サトラピの自伝グラフィック・
ノベルの映画化。映像はおしゃれでかわいいが、内容は重い。
<レビュー>
これはまず非常に勉強になる映画だ。私たちは日々イスラム世界
のニュースを目にするけれど、その歴史についてはほとんど知らな
い。現在問題となっているイランという国についてもほとんど知ら
ない。この作品で描かれたイラン革命によって気づかれた国家体制
は今まで継続しているわけだが、その現在のイランという国がどの
ようにしてできたかということを私たちはたった30年前のことなの
にほとんど知らない。この作品はその“歴史”を一人の少女の目か
ら見ることができるということで非常に勉強になる。王様を素晴ら
しい人だと信じていた少女が革命思想に染まり、しかし革命がなさ
れると新しい政府はまた異なった弾圧を加える。それは世界中で繰
り返されてきたことだけれど、それが30年前のイランでも起こって
いたことを知るのは重要だ。
そして、同時にそのような内戦状態の中でもマルジのような若者
が若者らしい生活を送っていたことを見られるのもうれしい。パン
ク少女のマルジがストリートで禁制品のアイアンメイデン(!)の
カセットを買う。それが犯罪に当たるかどうかはともかく社会の常
識に反抗するような行動を取ると言うのは若者の特権だ。アイアン
メイデンはヘビメタでパンクではないけれど、マルジは常にパンク
精神を持っていた。まさに“Punk is not Ded”(綴り間違いではあ
りません。マルジのパーカーのメッセージそのままです)だ。
ただ、この主人公のマルジに共感できるかどうかは難しいところ
かもしれない。女子(女性というよりは女子)なら比較的共感しや
すいのだと思うが、客観的に見てしまうとちょっと疑問も残る。マ
ルジが国を出てそこで経験する苦難は理解できるし、そこで出会っ
た数少ない友達との関係もいい。しかしそれがあくまでも主観的に
描かれている以上、彼女の感情とその背後の社会との関係は今ひと
つ見えてこない。となると、果たしてこの物語は一人の少女を描き
たいのか、それともイランあるいはイスラムという社会を描きたい
のか、そのあたりがはっきりしなくなってしまうし、両方描こうと
しているのだとしたらどちらも描ききれていないと言わざるを得な
い。
マルジはそもそも典型的なイラン人の少女と言うわけではない。
外国に留学することなどなかなかできなかっただろうし、彼女の家
はかなり裕福だ。しかし、彼女の家族はすごく魅力的だ。彼女には
父親と母親とそしておばあちゃんがいたからこそ、このような生活
を送ることができたし、その思想性をはぐくむことができた。
見方としては社会的なテーマを持つものというよりは一人の少女
の私小説的な物語としてみたほうがいいのだろう。そうすればマル
ジとその魅力的な家族の物語に浸ることができるし、そこからその
家族を取り巻く社会に目を向けることもできる。そうすればこの映
画は非常な魅力を放つだろう。
ただ、ここで描かれている事実を鵜呑みにするのはやめたほうが
いい。物事はここで描かれているよりはるかに複雑だ。当たり前だ
がマルジには見えていなかったこともたくさんあるに違いない。そ
のことを念頭において、これがひとつの見方に過ぎないと肝に銘じ
てみれば、そこから感じ取れる何かは非常に重く、しかし大切なも
のになるだろうと思う。
原作も読んでみたいな。
□ ヒビコレリンク
『ペルセポリス』公式サイト
□ DVD今日の買い!
<今日の作品:ペルセポリス>
原作です。
<今日のお勧め>
イラン女性は抑圧されているか?
レビュー
レビュー
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