2007年12月30日

キング 罪の王

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/



どうも。
今年も残すところ今日を含めてあと2日となりました。
すでに海外にいる方、まだ仕事をしている方、規制ラッシュの
渋滞に捕まっている方、家で大掃除をしている方、年賀はがき
を前に途方にくれている方、いろいろいると思いますが、忙し
くしていても、ボーっとしていてもあと2日でお正月は来ます。
お正月くらいはのんびり過ごしましょう。
メルマガも年末年始は休み休みになると思いますが、どうぞよ
ろしく。

今日は『キング 罪の王』です。
いまいち… これでは今年の見納めにはならんなぁ…


-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 キング 罪の王

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

------------------------ 




■ 今日の映画 − キング 罪の王


--cinema2123------------

 キング 罪の王

 The King
 2005年,アメリカ,105分


-----------------------


<キャスト&クルー>

監督 ジェームズ・マーシュ
脚本 ジェームズ・マーシュ
   ミロ・アディカ
撮影 アイジル・ブリルド
音楽 マックス・エイヴリー・リクテンスタイン

キャスト ガエル・ガルシア・ベルナル
     ウィリアム・ハート
     ペル・ジェームズ
     ローラ・ハリング
     ポール・ダノ

<評価>

☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 海軍を除隊となったエルビスはコープス・クリスティという小さ
な町にある教会にやってくる。そしてその牧師デビッド・サンダウ
に自分が何者であるかを告げる。デビッドは家族にエルビスと関わ
らないよう言うが、エルビスはデビッドの娘マレリーに近づく…
 ガエル・ガルシア・ベルナルが無表情な主人公を好演。監督はヤ
ン・シュワンクマイエル作品の共同監督などをしているイギリス人
のジェームズ・マーシュ。



<レビュー>

 物語の意図はわかる。まだ見ぬ父を求める青年が、その父親に拒
絶されたとき、どのような行動をとるかということだ。しかも、そ
の父親は前衛的な教会の牧師となってそれなりの財を築き、二人の
子供も持って幸せに暮らしている。一方エルビスのほうは母も亡く
し、軍隊を経験し、決して恵まれた暮らしとはいえない。そんなエ
ルビスが父デビッドの家庭に入り込もうとするとき、そこには秘密
と憎悪と愛情とが複雑に絡み合った複雑な物語が出現する。
 しかし、この映画はただそれだけなのだ。自分のほうを振り向い
てくれない実の父と曲がりなりにも関わるためにその娘マレリーに
エルビスは近づき、それは徐々に悲劇へと摩り替わっていく。それ
を見せられたからといって、だからなんだという感じ。その物語の
展開に面白みがあるわけでもなく、主人公の心情が克明に描かれて
いるわけでもない。むしろ無表情な主人公の心情は観客から隠され
ており、彼の意図は不気味な雰囲気の裏に隠されてしまっているの
だ。
 これでは、観客はいったいどこに自分の位置を定めていいのかわ
からなくなってしまう。逆恨みに近い復讐を果たそうとする主人公
か、それとも自分の体面のために自分の過去を振り返ろうとしない
父か、何も知らない娘か。
 これが現代アメリカの抱える問題のいったんであるということは
わかる。家庭環境の複雑化と、宗教の顕在化。宗教はビジネスとな
り、人々を安易に救う免罪符になってしまった。
 中にデビッドの息子ポールが学校に対して進化論の代わるカリキュ
ラムを組むように要請するというシーンがある。これは実際に今で
もアメリカではあることで、進化論を信じていない人たちもたくさ
んいる。この宗教的偏屈さはアメリカにさまざまな問題を生み出し
ているだろう。
 デビッドはエルビスの問題に対して、「すでに神の赦しを得た」
と言い放つ。その神は彼の神であり、エルビスにはまったく関係の
ない神だ。しかし彼はそう信じ、それがエルビスにも当てはまると
考えてしまう。そのような独善的というか一方的な決め付けは絶対
的な存在である神を前提としてしまうと容易に他者をないがしろに
できてしまう。それが人々の感情を傷つけ、反目させ、悲劇を生む。

 まあ、じっくりと考えればそのような問題がここには描かれてい
るということがわかるのだが、この作品の時間のすすみ方は、あま
りに遅く、しかも退屈で、物語の展開としても映画がすすんでいる
間にそのようなことを考えさせるような展開にはなっていない。
 もう少しうまくすれば含蓄のある面白い作品になっていたような
気もするのだが、おそらく映像の使い方が単調すぎたり、不必要に
凝ったショットを使いすぎたりしているせいで全体が凡庸なものに
なってしまっているのではないか。
 ただ、ガエル・ガルシア・ベルナルはやはり魅力的な俳優だ。こ
の作品では妙に背が低く見えるが、それが弱々しさを演出し、不気
味な怖さを生み出している。作品としてはあまり面白くないが、ガ
エル・ガルシア・ベルナルのファンなら観てもいい作品だと思う。





□ DVD今日の買い!

<今日の作品:キング 罪の王>

価格:¥ 3,227(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 ガエル・ガルシア・ベルナルで。

価格:¥ 2,600(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 3,651(定価:¥ 4,935)
おすすめ度:

価格:¥ 2,913(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:





-----
posted by ヒビコレエイガ at 14:04 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする