2008年01月30日

すべての些細な出来事

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/



ちょっと前だと思いますが、日本のワインがヨーロッパに輸出
されることになったというニュースがありました。
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2008/01/19/5.html
EUの基準はなかなか厳しいそうで、日本のワインもそれだけ
質が上がったということなんでしょうね。地産地消ということ
を考えても、日本のワインってのも気になりますね。
ちなみに、輸出が認められたワインというのはこちら
他にもdancyuのこの本を見て気になったのがいくつか。
甲州シュール・リーという葡萄がよさそうです。
原茂
勝沼
もうひとつはその名も「農民ドライ」、こちらは北海道。



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 すべての些細な事柄

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■ 今日の映画 − すべての些細な事柄


--cinema2143------------

 すべての些細な事柄

 La Moindre des Choses
 1996年,フランス,105分


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<キャスト&クルー>

監督 ニコラ・フィリベール
撮影 カテル・ジアン
   ニコラ・フィリベール
音楽 アンドレ・ジルー

キャスト ラ・ボルドのみなさん

<評価>

☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 鬱蒼とした森の中にある診療所、精神科のクリニックであるラ・
ボルド診療所では患者たちによる演劇の準備が進められていた。患
者と職員は一緒にセリフを練習し、歌を歌い、楽器の練習をする。
 患者も医者も看護人も普段着で過ごすこの診療所でみなで劇を
作り上げていく様子を映す。フランスでは半年のロングランとなり、
ゴダールにも賞賛されたというドキュメンタリー。


<レビュー>

 この作品は非常に散漫だ。舞台が精神科のクリニックで、患者た
ちを中心に何か劇を上演しようとしているというのはわかる。それ
は患者然とした人が出てきたり、薬が用意されていたりすることか
らわかるのだが、このクリニックでは患者も医師も看護人もいわゆ
るコスチュームを着てはおらず、ぱっと見では誰が患者で誰が職員
なのかわからない。だから、ここで何が起こっているのか、という
ことが良くわからないのだ。
 それもおそらくこのクリニックの治療の方針なのだろう。患者と
思われる人が交換手をしていたり、患者同士が助け合っているのを
見ると、その方針も有効なのだろうと思える。このフランスの田舎
にあるクリニックはドゥルーズとの共著で知られるフェリックス・
ガタリと精神科医のジャン・ウーリーが設立したクリニックである
らしい。柵などの境界のない広い敷地にお城のような建物が建つこ
のクリニックはファンタジーの世界であるかのような印象も与える。
 そして、ここの職員たちの患者に対する態度は温かく、医者/看
護人と患者というよりは一緒に暮らす仲間という印象を与える。フィ
リベールは長編デビュー作となった『パリ・ルーブル美術館の秘密』
でルーブルを“村”にたとえたように一種の(仮想的な)共同体を
対象として映画を作るのを得意としているようだ。
 この作品も精神科のクリニックを舞台としているが、精神病が問
題なのではなく、そこにいる人々が主人公であり、精神病という病
を抱えていて、社会からは阻害されていても、この共同体の中では
一定の役割を与えられ、その一員として生活しているということを
描いている。フィリベールはその共同体に入り込み、しかしそこの
人々とは微妙な距離感を保ちながら、人々に暖かい視線を注ぐ。そ
のまなざしが心地よく、観客をひきつけるのだ。
 ただ共同体に入り込むがゆえに、その共同体の質によって映画の
全体のムードも変わってくる。共同体とはいえ、それぞれが気まま
というかばらばらに振舞っているこの診療所を描いたこの作品のムー
ドは散漫なものになる。小さな小学校を描いた『ぼくの好きな先生』
は非常に緊密なムードになる。
 そのムードを伝えるというのも面白いとは思うのだが、ここまで
散漫になってしまうと戸惑いと退屈さがない交ぜの印象になってし
まい、映画としてはいまひとつひきつけられないといわざるを得な
い。対象となる共同体のムードを伝えながらも、作品としてはしっ
かりとまとまったものにするというやり方ができたら、この作品も
非常にすばらしいものになったのではないかと思う。

 このニコラ・フィリベールというドキュメンタリー作家の独特の
作り方は面白いとは思う。映画というのは基本的にカメラと観客の
視線が同一化されるので、作り手の一人称の語りでない限り、観客
の傍観者としての地位を犯さないように慎重に映像が組み立てられ
るものなのだが、この人の作品ではずっと傍観者として映画を見れ
ていたのに、映っている人たちが急にカメラのほうを見たり、突然
フィリベール自身が発言したりして、その均衡を破る。
 これは違和感を感じさせるわけだが、この違和感は彼が被写体と
なる共同体の中に入り込んでいることの表明でもあり、同時に観客
を巻き込むための戦略でもあるだろう。それがもっと洗練されてい
けば、予想もできないほど面白い作品が生まれてくるかもしれない。



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:すべての些細な事柄>

 『すべての些細な事柄』のDVDは未発売です。
  ビデオはあります。


<今日のお勧め>

 数は少ないですが、ニコラ・フィリベールを。

価格:¥ 4,536(定価:¥ 5,040)
おすすめ度:


価格:¥ 4,990(定価:¥ 5,670)
おすすめ度:



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2008年01月29日

ヴィトゲンシュタイン

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/



昨日ニュースを見ていたら、横綱審議委員の内館牧子さんが、
インタビューをしようとした取材陣に「わたしの本を読んでく
ださい」と言っていました。
この本↓
内館 牧子
価格:¥ 1,575(定価:¥ 1,575)
おすすめ度:

のことだと思いますが、一応公の委員会の委員なんだから、
本を読んでくださいじゃなくて、一言二言答えるのが普通なん
じゃないかと思いませんか?
朝青龍の品格をうんぬん言うんだったら、まず自分の態度をしっ
かりと省みて欲しいものです。人のふり見て我がふり直せって
ね。そこまでして本を売りたいのかね。

と書いてる私もわが身を省みなければ。
ファンの人がいたらごめんなさい。ただの独り言です。



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ヴィトゲンシュタイン

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − ヴィトゲンシュタイン


--cinema2142-----------

 ヴィトゲンシュタイン

 Wittgenstein
 1993年,イギリス=日本,75分


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<キャスト&クルー>

監督 デレク・ジャーマン
脚本 デレク・ジャーマン
   テリー・イーグルトン
撮影 ジェームズ・ウェランド
音楽 ジャン・レイサム=ケーニック

キャスト クランシー・チャセー
     カール・ジョンソン
     マイケル・ガフ
     ティルダ・スウィントン

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 天才的な哲学者として知られるヴィトゲンシュタイン、オースト
リアに生まれ、ケンブリッジで学んだ彼の人生はどのようなものだっ
たのか。
 鬼才デレク・ジャーマンがヴィトゲンシュタインの一生を描いた
伝記映画。黒い背景の前で人々が演じる演劇のようなスタイルで、
緑の火星人を登場させるなど幻想的な演出もくわえたデレク・ジャー
マンらしい作品だが、ヴィトゲンシュタインの思想をしっかり伝え
ようという意欲も感じられ、比較的見やすい作品となっている。



<レビュー>

 ヴィトゲンシュタインという天才をデレク・ジャーマンという鬼
才が映像にする。難解なヴィトゲンシュタインの思想を、難解なデ
レク・ジャーマンの映像で解釈する。このような映画が凡人には理
解出来ない難解な映画になるであろうことは想像に難くない。そう
思ってついつい敬遠してきたのだけれど、もしかしたら難解さと難
解さが出会ったとき、そこにまったく違うわかりやすさが生まれる
こともあるのかもしれないと期待して作品を見てみた。
 序盤ははっきり言ってまったくわけがわからない。ヴィトゲンシュ
タインの少年時代について語られ、片手のピアニストの兄や画家の
姉が登場、少年ヴィトゲンシュタインの苦悩が語られ、話し相手あ
るいは哲学問答の相手として緑色の火星人が登場する。しかも、映
像はずっと真っ暗な舞台の上に登場人物だけがいて、そこにスポッ
トライトが当たっているようなもので、場面設定を説明するような
ものも一切ない。そして、ヴィトゲンシュタイン少年のひとり語り
はまったく難解で、そもそも何が話題になっているのかすらわから
ない。
 しかし、中盤に差し掛かり、ヴィトゲンシュタインとバートラン
ド・ラッセル(ヴィトゲンシュタインの先生となる哲学者)とメイ
ナード・ケインズ(あの有名な経済学者ケインズ、ケンブリッジの
同僚)を中心に展開されるようになると、だんだん面白くなってく
る。特にヴィトゲンシュタインのセミナーで彼が自分の思想を説明
することで、観客にも彼の考え方が多少ではあるが伝わってくる。
言葉やコミュニケーションの問題、その問題はヴィトゲンシュタイ
ン自身の存在の可否にまでかかわってくるような問題なのだ。
 それでももちろん、この映画で語られるのは果てしなく哲学の問
題だ。哲学的な素養な必要とは思わないが、哲学的な姿勢が少なか
らずないと見るのはつらいかもしれない。しかし、この映画を見な
がらボーっと考えていると、生きて言葉を扱うこと自体が一種の哲
学的な姿勢であり、人と何らかのコミュニケーションを取っている
人が哲学的ではないということはありえないという気になってくる。
哲学というのはごく当たり前のものであって、それを難しくしてい
るのは哲学者なのだ。
 ならば、生きることに対して多少なりとも意識的でなければこの
映画を見るのはつらいかもしれないと言い換えようか。この作品に
はデカルトとかフロイトとかいろいろな名前が出てきて、それを知
らないと作品が理解できないようにも思えるが、根幹のところでは
それは関係ない。問題なのは、ヴィトゲンシュタインがいったい何
に悩んでいるのかということだろう。不意に考え方を変えたり、労
働者になろうとしたり、果ては自殺をしようとしたりするヴィトゲ
ンシュタインの苦悩の根本にあるものが何であるのか、それを考え
ようとすることがこの映画を「見る」ということなのではないかと
思う。

 私はヴィトゲンシュタインの思想にはまったく親しみがないが、
言葉やコミュニケーションという問題については大いに興味がある。
この作品を見て、彼が言葉ともの関係について語り「自然だ」とい
う考え方について太陽と地球の関係(太陽が地球の周りを回ってい
ると考えるほうが「自然」だが、事実は地球が太陽の周りを回って
いるのだ)を持ち出して説明するそのスタンスに興味を覚える。こ
の文章を成り立たせている言葉という記号は、果たして読む人に何
を伝えているのか。あらゆる人々が日常に発する言葉は聴く人に何
を伝えているのか。そんなことを考え始めると、まったくきりがな
い。
 デレク・ジャーマンはそんなヴィトゲンシュタインの思想の根本
を伝えるという目的のために、映像を限りなくシンプルにしていっ
たのではないかと思う。これが普通の映画のように部屋の中や街の
中で演じらる劇だったとしたら、そこに映り込むあらゆるものが記
号としての意味を持ち、セリフとして発せられる言葉の意味を薄め
てしまう。それを避けるために背景も音楽もすべてをそぎ落として
いった。そんな風に思えてならない。






□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ヴィトゲンシュタイン>

価格:¥ 12,600(定価:¥ 4,935)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 ウィトトゲンシュタインを読む?

永井 均
価格:¥ 735(定価:¥ 735)
おすすめ度:


ウィトゲンシュタイン
価格:¥ 735(定価:¥ 735)
おすすめ度:






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2008年01月28日

ぼくの好きな先生

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ネットをぷらぷらしていたら、「生一丁!プレミアム」という
フラッシュゲームを見つけて、これが意外と難しくてついつい
やってしまいました。

サイトに載せましたので暇な人はぜひやってみてください。
高得点が出ると和民の割引券がもらえるそうですが、私は
まだもらえてません。いまどきは、ネットにいろいろなサービスや
ゲームがありますねぇ…
ダウンロードゲームだったら本格的なものも無料でいろいろあ
るし、数独とかクロスワードといったペンシルパズルもたくさ
んあるし、ついつい暇がつぶれてしまいます。
あ、今晩は和民に行くんだったという方もゲームをどうぞ。




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ぼくの好きな先生

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□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − ぼくの好きな先生


--cinema2141------------

 ぼくの好きな先生

 Etre et Avoir
 2002年,フランス,104分


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<キャスト&クルー>

監督 ニコラ・フィリベール
撮影 カテル・ジアン
   ロラン・ディディエ
音楽 フィリップ・エルサン

キャスト 


<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 フランスの田舎の小さな小学校、小さな子供から6年生までの十
数人の子供がひとつの教室で学ぶ。この学校のロペス先生は、小さ
い子供にアルファベットを教えている間、大きな子供には自習させ
るなどして授業をしている。
 ニコラ・フィリベールが小さな小学校の一人の先生と生徒の日常
を描いた心温まるドキュメンタリー・ドラマ。フランスでドキュメ
ンタリー映画として異例のヒットとなり、全米批評家協会賞のドキュ
メンタリー賞も受賞した。



<レビュー>

 始まりは雪の中を歩く牛、そして教室をのそのそと歩く亀、牛と
亀というのんびりした動物がこの作品のリズムを象徴している。田
舎の生活はゆったりと進み、小学校の時間の流れもゆったりとして
いる。3歳から11歳までをまとめて教えるゴメス先生の授業は生徒
ひとりひとりと語りあう授業であり、時に声を荒らげることはあっ
ても決してあせらずじっくりと生徒が学ぶのを助けてゆく。
 そしてカメラはそんな授業を受ける生徒達の表情を克明に写し取っ
ていく。集中している顔、気が散っている顔、いらだっている顔、
その表情がなんともいえなくいい。このような“本当の”表情を捉
えることができるというのはドキュメンタリーならでわだ。子供達
は時にカメラを凝視し、カメラを意識するが、慣れてしまえばいつ
も通りに戻り、いつも通りの表情を見せる。それはやはり演技して
いる子供達とは違っている。そして時々映る子供達の両親も非常に
自然だ。そこで生活しているという安定感がにじみ出ているし、わ
ざとらしく無い生活臭さがそこにはある。
 しかし、この作品はおそらくある程度の演出をした作品ではある
だろうと思う。会話のシーンなどではカメラをセッティングして改
めて話をしてもらうなどという準備をしているのだろうなぁと思わ
せるシーンが結構あった。もちろん映画のためにそのような会話を
準備したというわけでは無いだろうが、先生から「これからこの生
徒と話をしに行くよ」などという話を聞いて、あらかじめ準備をし
て撮影をしたのだろうと思う。そのためこの作品にはいかにもドキュ
メンタリー的なカメラのぶれや動きというものがあまり無い。それ
がこの映画をドキュメンタリーであるにもかかわらずドラマとして
非常に見やすいものにしているのではないかと思う。私はこんなド
キュメンタリーの作り方もあっていいと思うが、第三者的な視線を
逸脱しているという意味でドキュメンタリーとしてはどうかという
意見もあるかもしれないし、同時に変にドラマ的である分、逆に退
屈に思えてしまう向きもあるかもしれない。

 しかし、そのようなドキュメンタリーとしての疑問点をカバーし
て余りあるほどにこの作品は内容がいい。教室のシーン、各生徒に
家のシーン、子供達が遊んでいるシーン、遠足のシーン、先生が子
供達にあと1年半で退職することを告げるシーン、先生へのインタ
ビューのシーン、そのどのシーンをとってもまったく無駄がなく、
しっかりとまとまっている。それはおそらく、このゴメス先生の教
室自体が完全にひとつの世界としてまとまっているところに大きな
理由があるのではないかと思う。
 十数人しかいない生徒達は互いのことをよく知っており、先生も
生徒達のことをよく知っている。主人公の一人とも言える最上級生
のひとりジュリアンはあまり勉強ができなくて、家でも間違えて母
親に叩かれる。しかしそこには愛情がある。このジュリアンは同学
年のオリヴィエと喧嘩をしてふたりで先生に呼び出されるのだけれ
ど、決して仲が悪いわけではなく、おそらく兄弟のような関係なの
だろう。10年近く毎日机を並べて兄弟のようにもなるだろうし、そ
うなったら相手のいいところもいやなところも目に付いて時には喧
嘩になる。今はまだ入ったばかりの小さな子供達もいつかはああな
るんだろうなぁという兆しを日々の関係の中で見せたりする。
 そんな完全な世界をうまいバランスで切り取った映画もやはり完
全な世界を作り上げる。素材の選択の絶妙さといいバランス感覚が
この映画を魅力的な作品にしているのだ。ドキュメンタリーとして
だけではなく、一本のドラマとしても十分に楽しめる作品だと思う。



□ ヒビコレリンク

 ニコラ・フィリベール・レトロスペクティヴ

 『パリ・ルーヴル美術館の秘密』



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ぼくの好きな先生>

価格:¥ 4,536(定価:¥ 5,040)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 “先生”が主人公の映画をいくつか

価格:¥ 3,471(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 1,330(定価:¥ 1,481)
おすすめ度:


価格:¥ 4,242(定価:¥ 4,935)
おすすめ度:


価格:¥ 1,340(定価:¥ 1,500)
おすすめ度:




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2008年01月27日

パリ・ルーヴル美術館の秘密

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/



しかし、毎日寒いですねぇ…
まあ、冬ってこんなもんだったか。
ことしは、燃料高もあってか、エコブームのおかげか、湯たんぽが
かなり流行っているようですね。確かに湯たんぽは暖かくていいし、
手足が温まると眠りに入りやすくなるそうです。寒くて寝られない
という方はぜひどうぞ
両手両足で4つくらい置いておけばいやでも眠ってしまうはず?

今日はニコラ・フィリベールの『パリ・ルーヴル美術館の秘密』
です。東京での話ですが、ニコラ・フィリベールの作品は昨日
から銀座テアトルシネマでレトロスペクティヴが始まりました。
2月2日からは、未公開だった『動物、動物たち』が、2月9日
からは新作の『かつて、ノルマンディーで』が公開されます。
一人のドキュメンタリー作家が特集されることというのもあまり
ありませんので、ぜひこの機会にご覧ください。



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 パリ・ルーヴル美術館の秘密

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − パリ・ルーヴル美術館の秘密


--cinema2140------------

 パリ・ルーヴル美術館の秘密

 La Ville Louvre
 1990年,フランス,85分


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<キャスト&クルー>

監督 ニコラ・フィリベール
脚本 ニコラ・フィリベール
撮影 ダニエル・バロー
   リシャール・コパン
   フレデリック・ラブラス
   エリック・ミヨー
音楽 フィリップ・エルサン

キャスト 


<評価>

☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 パリ・ルーヴル美術館に巨大な絵が運び込まれる。そこは学芸員、
修復技師、警備員などたくさんの人々が働く働く世界。
 カメラは、その人々の活動や、普段は目に触れることの無い美術
館の地下、そしてもちろん数多くの美術品を切り取り、ルーヴル美
術館という“村”の全貌を明らかにしていく。
 『ぼくの好きな先生』などのドキュメンタリー監督ニコラ・フィ
リベールの出世作となった長編第1作。



<レビュー>

 「どっからこんな巨大な絵を入れたんだろう?」というのはルー
ヴル美術館を訪れた人の多くが思う疑問だろう。この映画は重く閉
ざされていているように見える壁が実は可動式だったり、十メート
ル以上ある筒が実は巨大な絵が巻き取られたものだったりというこ
とを見せて、その疑問に答えを出す。
 ルーヴル美術館というのは普通に見に行ったら決して1日では見
切れないような巨大な美術館だ。そのコレクションの時代範囲はエ
ジプトやオリエントといった古代から近代絵画まで数千年にわたり、
それこそ世界中の美術品が収集されている。その数はなんと30万点、
展示されているのはほんの一部で、その多くは収蔵庫に保管されて
いる。
 学芸員の一人がおもむろに扉を開け、階段を降りて行った先はそ
んな収蔵庫や修復室などがある巨大な地下空間である。この空間は
私たちの目には決して触れることは無いが、かなり広大だ。その大
きさはどれくらいなのかわからないが(最後に地下通路の長さは13
キロとの説明があるがそれで空間の広さがわかるわけではない)、
おそらく地上の空間より広いのではないかと思う。
 この作品が捉えるのは、私たちの目には触れない美術館の裏側で、
そのような地下で作業している修復技術者や金メッキ師などが登場
する。さらには、がらんとした展示室で絵の配置を話し合う学芸員
やピラミッドの窓を拭く清掃員などが登場する。もちろん、モナリ
ザやミロのビーナスといった名画や彫刻も登場するが、それはこの
作品では脇役に過ぎない。

 そんな美術館の裏側に興味がある人にはこの作品は面白い作品だ
と思う。しかもそれは世界屈指の美術館ルーヴル美術館である。
 しかし、そういった興味からではなく、一本の映画としてこの作
品を見ると、ちょっと退屈だ。この映画はあまりに断片的過ぎてド
ラマが無い。議論を繰り返すふたりの学芸員や、シャツを忘れてし
まった職員など繰り返し登場する人はいるが、彼らを追ってそれが
映画の縦糸となっているわけではなく、モザイク状に組み立てられ
たピースのひとつでしかないのだ。全体としてはがらんとした美術
館が観覧者が入れる状態に少しずつなっていくという流れで、それ
はそれでスムーズではあるのだが、特に説明があるわけでもなく、
映画がどこに向かっているのかがわかりにくく、そのためそれぞれ
の断片を全体に結びつけるのが難しい。
 これは1990年の作品なので、あのピラミッドが作られた大改築の
際の状況を撮影したもので、改築後の再開に向けた準備を描いたも
のなのだろう。公開された当時はその改築の記憶も新しく、だれも
がすぐにそれとわかり興味深く見ることができたのだと思うが、20
年近くたった今では、しばらく見てようやく「ああ、あのときの…」
と思うくらいで、なかなかすぐにはピンと来ない。それがいっそう
この作品の散漫さを助長してしまっているわけだ。
 この作品が普遍性を獲得するためには、一人の人やひとつの作品
といった“主人公”を見出す必要があったのかもしれない。もちろ
んそれはひとりではなく複数でもいいし、あるいはそこに映らない
人(つまりカメラという視点)でもいいのだが、観客がそこにいれ
ば迷うことなく追っていけるという居場所を作り必要があったので
はないか。それがあればこの素晴らしい美術館とそれを支える人々
をもっと身近に感じることができたのではないかと思う。



□ ヒビコレリンク

 ニコラ・フィリベール・レトロスペクティヴ

 ルーヴル美術館公式サイト



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:パリ・ルーヴル美術館の秘密>

価格:¥ 5,102(定価:¥ 5,670)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 アート関係のDVD売れ筋

価格:¥ 3,441(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 3,441(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 3,990(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 2,764(定価:¥ 2,940)
おすすめ度:


価格:¥ 4,343(定価:¥ 4,935)
おすすめ度:



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2008年01月25日

全然大丈夫

ホームページ「日々是映画」はこちら
http://www.cinema-today.net/



もう花粉だそうです。
いやになりますね。
毎年書いているかもしれませんが、花粉に聞くらしいお酒という
のがありまして、請福ファンシーといいます。

本当に効くかどうかはわかりませんが、お酒を飲むと花粉症の症
状がひどくなるはずなのに、お酒を飲んで軽くなるなら、ぜひ飲
みたいですね。焼酎好きの花粉症の方は試してみてください。
ファンシーではありませんが、請福で作った梅酒というのもあり
ます。焼酎が苦手な方はこちらをどうぞ。

この請福酒造は石垣島の酒造所で、石垣島では人気ナンバー1で
す。石垣島の飲み屋には、この請福か八重泉が必ずあります。ど
ちらも現地で飲むとおいしいです。個人的には請福のほうが好み
かな。
なかなか本土では買えませんが、ネットでは買えます。

ちなみに、私が一番好きな泡盛は宮の鶴。こちらも石垣島では普
通に売っていますが、沖縄本島ではレアもの、本土ではプレミア
ムです。
ネットでは石垣島の稲福酒造で売っているのを見つけました。
ひとり1本だそうですが、興味がある方はどうぞ。



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 全然大丈夫

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 全然大丈夫


--cinema2139------------

 全然大丈夫

 2007年,日本,110分

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<キャスト&クルー>

監督 藤田容介
脚本 藤田容介
撮影 池内義浩
音楽 エコモマイ

キャスト 荒川良々
     木村佳乃
     岡田義徳
     田中直樹
     きたろう
     伊勢志摩
     村杉蝉之介
     蟹江敬三

<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 植木職人の見習いをする照男はホラーが大好きで、実家の古本屋
で幼馴染の久信と友達を脅かしたりしている。久信は清掃会社に勤
めるまじめなサラリーマン、その会社の求人にあかりという女性が
応募してくるが…
 独特なキャラクターで存在感を見せる荒川良々の長編映画初主演
作。監督は大人計画などの舞台で映像を作っている藤田容介で、長
編映画としてはこれが事実上の商業映画デビュー作となる。



<レビュー>

 ざっと全体を見ると、この作品は映画のコピーにもあるようにほ
のぼのとした脱力系のコメディである。それに寄与しているのはな
んといっても主演の荒川良々のキャラクターだが、その脇に配した
木村佳乃と岡田義徳もほのぼのとした世界にうまく溶け込んでいて、
キャスティングは絶妙だ。笑いどころはたくさんあるが、過激さも
なく、下ネタもなく、本当にほのぼのと笑うことができる。基本的
には下らないギャグで、「鼻くそ」とか子供が笑いそうなネタが多
いのだけれど、そういうギャグはやはり単純に面白いし、ばかばか
しいと思わせないような構成の工夫があってすばらしい。
 しかし、この作品の本当の面白さはそこにはない。この作品が本
当に面白いのは、まずはどうでもいいことへのとんでもないこだわ
りにある。私が好きなのは荒川良々演じる照男の服だ。彼はセーター
やトレーナーをいつも着ているのだが、そこに書いてあるのは
“MIZZOU”や“☆RYU☆”といったまったくわけのわからない言葉、
これを作ったにしろ探して来たにしろ相当な手間がかかるはずだ。
しかしそれは物語とはまったく何の関係もなく、映画の中で触れら
れることもまったくなく、単なる小道具としてしか現れない。それ
は照男の部屋においてあるフィギュアにも言える。こっちのほうは
多少触れられはするが、照男の人物像を作り上げるのと、ちょっと
したギャグのために相当手の込んだフィギュアをいくつも作る。そ
のあたりのこだわりが本当に面白い。
 だからこの作品は好きな人は何度も繰り返し見れば、どんどん笑
いどころが増えていく作品だと思う。ホームレスのアーティストが
作るオブジェも、古本屋の品揃えも、きっとかなりのこだわりがあっ
て、きっとじっくり見ればそこにまた笑いがあるのだろう。そうい
えば、父親からの葉書も面白かったし、歌も噴飯ものだった。思い
返しても笑えるギャグがちりばめられていて、こういうのはコメディ
映画というよりはギャグ映画というべきなのかもしれない。

 しかし、この作品はただただ下らないギャグを並べただけの下ら
ない映画ではない。かといって安っぽいヒューマンドラマでもない。
この作品の底に流れているのは、異形への愛である。笑いというの
は私たちが“普通”と考えているものとはちょっとずれたものを持っ
てくることで生じるギャップから生まれることが多い。だから外国
人や田舎者というのが笑いのネタになることが多いのだ。同様に、
身体障害者などの弱者も同様に笑いのネタになりうる。しかし、そ
のような笑いは下品なものだし相手を傷つけるものだから、心から
笑うことはできず、評価されない。だから、コメディ映画にはなか
なかそういう人を登場させることすらしない。
 しかし、この作品では田中直樹演じる湯原のように人とは違うと
いう人が登場する。ホームレスのアーティストもそうだし、悲劇的
に不器用なあかりも広い意味ではそうだ。あるいはホラーに執着す
る照男もそうかもしれない。この作品は彼らを笑いにしながら、し
かしそこには愛がある。あかりがティッシュの箱を開けられないと
いうギャグは本当におかしいが、それであかりを馬鹿にしているわ
けでは決してない。
 それはこの作品がそのような「人とは違う」(=異形)というこ
とに対してある種のうらやましさとか畏敬の念とかを持っているか
らではないか。文字通り異形の湯原は内面的にすばらしいものを持っ
ていて、自分の外見を気にしてはいるが卑下してはいない。内面的
に異形といえるあかりはそのことを気にしているが、無理やりに自
分を曲げようとはしない。そのような個人を尊重することによって
この映画は面白いギャグ映画でありながら、心に残る作品となって
いるのだ。

 監督の藤田容介は大人計画などの舞台で使う映像の制作を行って
きた人で、『イヌ的』などの伝説的な短編をいくつも作っている。
長編としては1999年に公開された『グループ魂のでんきまむし』が
あるが、グループ魂がこれだけ人気が出た今でも著作権の問題など
があってソフト化される予定はない。この『グループ魂のでんきま
むし』は本当にすばらしい作品で私が劇場に3回見に行った唯一の
作品なのだが、3回見といてよかったと思う。ちなみにグループ魂
は今ブレイク中の阿部サダヲと宮藤官九郎とブレイクしていない村
杉蝉之介の3人による大人計画内のユニット、ちなみに『イヌ的』
は荒川良々、皆川猿時、村杉蝉之介の3人による“とびだせボーイ
ズ”の公演で使われた劇中映像だ。
 これらの作品を作っていたときは藤田秀幸名義で作っていたのだ
か、今回は藤田容介と名前を変えた。私はこれは彼が本格的に劇場
映画に進出しようという意気込みなのではないかと思ったりする。
もちろんこれからも劇中映像も作っていくのだろうが、商業映画も
作ってどんどん面白い作品をリリースしてほしいと思う。そうすれ
ば、ソフト化が不可能な作品たちも色々な障害をクリアして発売で
きるんじゃないかと期待したい。



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posted by ヒビコレエイガ at 15:06 | TrackBack(0) | バックナンバー(移行中) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする