2008年02月18日

恋人:市川崑特集

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昨日のサッカーは今ひとつの試合でしたが、若い選手に“アウェー”
を経験させるという点ではよかったのではないでしょうか。日本
代表は以前はアウェーにすごく弱かったのが、最近はそうでもな
い。それはやはりアウェーの経験をつんできているからでしょう。
しかし、若い選手はそれほどアウェーの経験をつんでいないので、
手痛い“アウェーの洗礼”を受けたということでしょうね。
次の中国戦は更なるアウェー。明らかにこの大会の優勝よりも若
い選手の経験値が目的といえるメンバー構成ですので、次回も厳
しいブーイングをお願いしたいところです。

今日は市川崑特集。初期の作品『恋人』です。

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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 恋人

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 恋人


--cinema2156-----------

 恋人

 1951年,日本,70分

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<キャスト&クルー>

監督 市川崑
原作 梅田晴夫
脚本 和田夏十
   市川崑
撮影 横山実
音楽 服部正

キャスト 池辺良
     久慈あさみ
     千田是也
     村瀬幸子
     北原谷栄

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 遠藤誠一は幼馴染の小田切京子の家を訪ねる。京子は結婚して家
を出てしまったが、誠一は京子の両親と時間を過ごす。そこで誠一
は京子の結婚式の前日、京子と二人で1日を過ごしたときのことを
思い出す。ふたりはお互いに恋心を抱えたままその一日を過ごした
のだった…
 市川崑が梅田晴夫の「結婚前夜」を新東宝で映画化したラブ・ロ
マンス。市川崑にしてはオーソドックスな演出で芸達者ぶりを実感
できる。



<レビュー>

 映画の始まりは、誠一が「おばさん」「おじさん」と呼ぶふたり
を訪ねるシーンである。最初は本当に親戚の叔父さん叔母さんかと
も思うのだが、まもなくそうではなく幼馴染の両親なのだとわかる。
このあたりの映画のつくりや会話は松竹調(つまり小津っぽい感じ)
を思わせる非常にオーソドックスなものだ。しかも、登場人物の感
情も控えめに表現され、現代的な感情の吐露や激しさは見られない。
 そして、その控えめな表現は最後まで崩れない。誠一の回想シー
ンになり、魅かれあうふたりがふたりが複雑な感情を抱えながら1
日を過ごすという展開になってもなかなか感情は表に出てこず、腹
の底のほうで渦を巻いているようだ。このあたりは小津というより
は成瀬を思わせる。表面の穏やかな感じとその背後に隠された激し
い感情、それが一緒くたになって画面に表れる。
 最後には現代的な京子の感情が表に出てモダンな感じにはなるの
だけれど、それはあくまでも物語の現代性ゆえであり、この作品を
支配するのは終始控えめな表現だ。
 それでも、映像面ではモダニストとしての萌芽も見ることが出来
る。映像は単にプロットを追い、人物を描写するための道具ではな
く、そのもので意味を持ち、“ムード”を作り出すことが出来る。
列車を映したインサートやスケートのシーンに見られるのは、そん
なモダニストとしての意識ではないか。

 市川崑は東宝系の製作会社にアニメータとして入り、後に東宝の
助監督部に移籍、戦中に『娘道成寺』で監督に昇格するが、この作
品の公開前に終戦を迎えたため、GHQによって公開が禁止された。
その間に東宝争議が起き、市川崑は新東宝に移って48年にようやく
監督としてデビューする。東宝争議が解決した後の51年に市川崑は
東宝に復帰するが、この作品は新東宝時代の作品である。
 この新東宝時代の市川崑は自分らしいスタイルを模索していたの
か、それとも新東宝という基盤の弱い製作会社だったために製作に
困難があったのか、さまざまなスタイルの作品を作っている。もち
ろんそれは昭和30年代に入る頃から確立されるスタイルへのステッ
プであり、その多くは以後に生かされているわけだけれど、この作
品に限っていえば、以後にあまり類を見ない雰囲気の作品といえる
だろう。もちろんすべての作品を見たわけではないので、そう断言
することは出来ないのだがが、60年代以降の彼の作品からはなかな
か想像しがたい作品になっている。
 この作品を見て、市川崑というクリエイターは底知れぬ魅力を持っ
ていると改めて感じた。ひとつの“らしさ”を打ち出して巨匠とな
るのではなく、本当にさまざまな作品を作り出し、常に新しいこと
に挑戦し、(時には失敗作もあるにしても)面白い作品を次々と生
み出していく。
 この作品単体ではそれなりに面白いが、決して傑作ではない。し
かし、苦労して監督になり10本目のこの作品には映画を作ることが
出来る喜びがあふれているようにも思える。







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<今日のお勧め>

 新東宝時代の市川崑に注目(今後取り上げる予定です)。

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posted by ヒビコレエイガ at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする