2008年03月21日

アヒルと鴨のコインロッカー

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http://www.cinema-today.net/



私、日々おもしろいものを探しておりますが、今日は40代以降の
音楽好きに特にお勧めのこんなもの

なんと、USB接続のレコードプレイヤー。私もアナログを数は少な
いですが持っていて、レコードプレイヤーも持っているんですが、
このデジタル時代、その音源を聞く方法がプレイヤーで聞く以外
にないためほとんど聞きません。しかも30分に1回ひっくり返さ
なければならないというのがもう億劫。
というわけで、USBのプレイヤーがあれば、iPodなんかでもお気に
入りのアナログが聞けてしまうということですね。
実はまだ発売前で発売は4月15日、値段は24000〜26000円程度
です。お気に入りのアナログをデジタル化したいという方はぜひ
どうぞ。
SONY USB端子搭載 ステレオレコードプレーヤー


今日は伊坂幸太郎原作の『アヒルと鴨のコインロッカー』です。
今週末から同じ伊坂幸太郎原作の『死神の精度』が公開。
期待できるかな…?
公式サイト

伊坂幸太郎といえば、先日、最新作の『ゴールデンスランバー』
を読みました。日本で首相の暗殺事件が起こったという物語、
これはかなり面白かった。ぜひどうぞ。
伊坂 幸太郎
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ちなみに『死神の精度』の原作はこちら
伊坂 幸太郎
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■ 今日の映画
 アヒルと鴨のコインロッカー

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■ 今日の映画 − アヒルと鴨のコインロッカー


--cinema2172------------

 アヒルと鴨のコインロッカー

 2006年,日本,110分

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<キャスト&クルー>

監督 中村義洋
原作 伊坂幸太郎
脚本 中村義洋
   鈴木謙一
撮影 小松高志
音楽 菊池幸夫

キャスト 濱田岳
     瑛太
     関めぐみ
     大塚寧々
     松田龍平
     関暁夫

<評価>

☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 大学に入学し、仙台に引っ越してきた椎名は近所への挨拶で隣に
住む河崎という変わった男と出会う。河崎は逆隣に住むブータン人
のために“広辞苑”を本屋に奪いに行こうと椎名に持ちかける。椎
名は河崎に押し切られる形で本屋に向かうが…
 人気ミステリー作家・伊坂幸太郎の同名小説の映画化。驚きのト
リックで映像化不可能といわれた作品をどう料理するかが注目され
たが、結果は…


<レビュー>

 私は原作を読んでから見たので、はっきりいってまったく楽しめ
なかった。原作の“あの”トリックをいかに映像化するのかという
楽しみはあり、そのシーン自体はまあ「あーなるほど」と思う感じ
で悪くはなかったのだが、全体の進め方がどうにも納得がいかない。
原作はある程度の長さがあり、それを2時間にまとめるのだから、
どうしても落としていくところが出てくるわけだけれど、序盤は原
作をかなり丁寧に映像化してゆっくりとした展開で中盤は急速に進
み、終盤またゆっくりと進む。面白いのは中盤の展開なのに、それ
がばっさりと落とされてしまっていることでミステリーとしての面
白みがほとんど奪われてしまっている。
 しかも、原作で非常に魅力的な登場人物であるペットショップの
店長麗子の存在感が薄く、物語に深みがない。しかも、原作では重
要な役割をする猫シッポノサキマルマリも登場しない。尻尾の先が
丸まった猫をどうやって見つけてくるかというのも映画化の楽しみ
の一つだったので個人的にも残念だ。

 しかし、原作を読んでいなければ、伊坂幸太郎のトリックの中で
も屈指の驚きを誇るトリックだけにミステリーとして楽しむことは
できるだろう。映像で見ると少し卑怯という気もしないではないが、
決して矛盾があるわけでもないので、いいと思う。ただ、この肝心
のトリックのネタが中盤にばらされてしまうので、そのあとの展開
がだらけてしまい、構成としていまひとつという気がする。もう少
しこのバラシを引っ張って、そのあとの展開を圧縮したほうが映画
としてしまったのではないかとも思う。
 役者たちも派手ではないけれどそれなりにまとまった演技をして
いると思う。主役の濱田岳はなんだかすごく小さく見えるが、存在
感は大きくて、顔も動きも派手な瑛太に負けない演技を見せている。
瑛太と松田龍平はどちらも大げさなタイプなので、すこし食傷して
しまう感はあるが、まあ映画全体が淡白なだけにバランスは取れて
いるのではないかと思う。
 原作と役者はいいが、脚本と演出がいまいちというのは同じ伊坂
幸太郎原作の『陽気なギャングが地球を回す』でも感じた。映画化
が難しいからそうなってしまうのか、それとも単に脚本と監督に問
題があるだけなのか。ハリウッドあたりで映画化したら面白い作品
になりそうだが…




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 『陽気なギャングが地球を回す』
  


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<今日の作品:陽気なギャングが地球を回す>

価格:¥ 3,759(定価:¥ 4,935)
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<今日のお勧め>

 やはり原作です。ぜひ読んでください。

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 お勧め伊坂幸太郎作品

伊坂 幸太郎
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2008年03月20日

マイ・ブルーベリー・ナイツ

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つい昨日ですが、これを買いました。

まあ、ブレンダーなんですが、ジューサーになったりマッシャー
になったり、ミルになったりするという“バーミックス”のよう
なもの。
値段はバーミックスの3分の1、しかもメイドインジャパンで、
刃物メイカーの貝印ということなので、わざわざ高い金出して
バーミックス買うこともねえんじゃね?という商品です。
私の周りには最近、赤子が多いのですが、離乳食作りにも大変便
利、私が買ったのは専用容器がおまけでついて6700円というやつ
で、一番割安のものです。単品で一番安いのはこちら

アマゾンにもありますが、アマゾンでは7500円でした。


4月から新生活という方にも便利だと思いますので、ご検討くだ
さい。
ただ、新生活でちゃんと料理もしようという方はフードプロセッ
サー
なんかもあったほうがいいと思うので、こちらをどうぞ




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■ 今日の映画
 マイ・ブルーベリー・ナイツ

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■ 今日の映画 − マイ・ブルーベリー・ナイツ


--cinema2171------------

 マイ・ブルーベリー・ナイツ

 My Blueberry Nights
 2007年,香港=中国=フランス,95分


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<キャスト&クルー>

監督 ウォン・カーウァイ
原案 ウォン・カーウァイ
脚本 ローレンス・ブロック
   ウォン・カーウァイ
撮影 ダリウス・コンジ
音楽 ライ・クーダー

キャスト ノラ・ジョーンズ
     ジュード・ロウ
     デヴィッド・ストラザーン
     レイチェル・ワイズ
     ナタリー・ポートマン

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 ニューヨークに暮らすエリザベスは失恋し、恋人の家の鍵をカ
フェのオーナーに預ける。後日、閉店後のその店にやってきたエリ
ザベスはそのカフェのオーナーであるジェレミーと話し込み、毎日
売れ残るというブルーベリー・パイを食べる。ジェレミーはエリザ
ベスに恋心を抱くが、恋人を吹っ切れないエリザベスはニューヨー
クを後にする…
 香港映画の巨匠ウォン・カーウァイが始めて英語作品に挑んだラ
ブ・ストーリー。主演はグラミー賞歌手でこれが映画初出演となる
ノラ・ジョーンズ、脇をジュード・ロウら豪華キャストが固める。


<レビュー>

 この映画を見てまず思ったのはウォン・カーウァイはどこへ行っ
てもウォン・カーウァイだということであり、これはウォン・カー
ウァイのアメリカでの再出発の作品なのだということだ。
 最近のウォン・カーウァイは『花様年華』や『2046』といっ
た90年代の彼から考えると「らしくない」作品を取ってきた。どこ
がどう違うかを説明するのは難しいのだが、『恋する惑星』や『天
使の涙』といった90年代の作品は「スタイリッシュ」という言葉が
見事に当てはまる作品で、なおかつどこかユニークなところがあっ
て新しさを感じさせてくれた。しかし、2000年以降の作品(あるい
は『ブエノスアイレス』とそのあとの作品)はそれまでとは別のユ
ニークさを求めているようでスタイルよりも芸術性を求めているよ
うな感じがした。それはまるでグラフィックデザイナーが画家へと
転身を遂げようとしているかのようでどうも居心地が悪いものだっ
たと思うのだ。
 しかし、この作品で彼は舞台をアメリカに移し、英語の作品を作
ることで90年代の作品に立ち返り、再び自らのスタイルで映画を撮
り直したのではないかと思う。彼らしいざらつきとあえてコマを落
とした映像、軽快なカッティングのリズム感、疾走するカメラのス
ピード感といった映像面でのウォン・カーウァイのスタイル、そし
て登場人物たちがみなどこかずれているという感じ、それはまさに
90年代香港の王家衛そのものだ。フェイ・ウォンやトニー・レオン、
ミシェル・リーがやっていたことをノラ・ジョーンズやジュード・
ロウ、ナタリー・ポートマンがそのままやっているというそんな印
象をこの作品から受けた。

 それはそれで90年代のウォン・カーウァイを好きな人にはいいの
だろうし、そういったスタイルの作品が好きな人にもいいのだろう
けれど、いまそのようなスタイルの作品を見ると、ちょっと鼻白い。
90年代に新しかったことは今はもはや新しくはなく、当時はものめ
ずらしかったことも今ではすっかり陳腐になってしまっていたりす
る。
 この作品にもそんな感覚に襲われるシーンがいくつもある。もっ
ともわかりやすかったのはジュード・ロウがはじめてノラ・ジョー
ンズにキスをするシーン、このシーンの「くささ」はなんとも見て
いるほうが恥ずかしくなる。行為自体も「くさい」のだが、その撮
り方がそれに輪をかけて「くさい」。そのあたりがこの作品のスタ
イリッシュさに古臭い印象を与えてしまっているのだろう。
 あとは、ナタリー・ポートマンの役どころというのも微妙なとこ
ろという気がする、本来はそもそもちょっとずれているふたりの物
語にさらにぶっ飛んだキャラクターを投げ込むことでオリジナリティ
を出すという狙いだったのだろうけれど、結果的にはただかき混ぜ
ただけでラブ・ストリーの主プロットにはあまりかかわりのないエ
ピソードになってしまったように思える。
 それで散漫になってしまったせいもあって物語としても尻すぼみ
だし、なんだかスッキリしなかった。

 なんだか、ちっともほめていないような気がするが、決してつま
らない作品ではない。ウォン・カーウァイの作品は大して面白くな
くても映像と音楽のリズムによって作品の中に入り込めるように作
られている。以前の作品の印象やらなにやら余計なことを考えずに
映画を見ればそれなりに面白いし、ストレートなラブ・ストーリー
を楽しむこともできるだろう。
 この作品はアメリカという地で再出発を果たしたウォン・カーウァ
イが新たな境地を切り開くためのひとつのステップだと私は考えた
いと思う。そう考えれば、そんなに悪い作品でもないと思う。



□ ヒビコレリンク

 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』公式サイト

 『2046』
  


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<今日の作品:マイ・ブルーベリー・ナイツ>




<今日のお勧め>

 90年代のウォン・カーウァイ作品。

価格:¥ 3,441(定価:¥ 3,990)
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2008年03月18日

股旅:市川崑監督特集

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1ドル95円なんていうときに日銀総裁が空席になって大丈夫なん
だろうか?
率直な市民の呟きです。
しかし民主党もダメダメいってるだけで、なら誰がいいのかはいっ
こうに言わない。それを見ると昔の社会党じゃないけどとりあえ
ずなんでも反対の野党って感じがしてどうも良くないですね。対
案を示せばいいのに、みんなが納得するような。それが出来ない
んじゃ自民党と何も変わらん。

しかし、凄い円高です。
外貨で財テクを始めるならいまがチャンスということで、外貨預
金にかなり人が流れているそうです。私にはそんな余剰資産は無
いので、関係ありませんが、数十万単位で余剰資金がある方は外
貨預金を考えてもいいかもしれませんね。
イーバンク銀行は外貨預金の手数料が片道1ドル当たり10銭とお
得だそうです。

口座を持っているのでそういう情報だけは入ってきます。
まあ私がイーバンクを使うのはネット振込みかtotoですが。
あー今週もtotoBIGを買わなきゃ
イーバンクはネットで買えてポイントもたまります。


外貨といえば、少し前にFXで主婦が数億円の脱税なんてニュース
がありましたね。FXのほうもいまは大忙しなのでは。
しかし外国為替はリスクもありますので、ちょっと勉強してから
という方はこちらをどうぞ。




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 股旅

□ ヒビコレリンク

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■ 今日の映画 − 股旅


--cinema2174-----------

 股旅

 1973年,日本,96分

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<キャスト&クルー>

監督 市川崑
脚本 谷川俊太郎
   市川崑
撮影 小林節雄
音楽 久里子亭
   浅見幸雄

キャスト 小倉一郎
     萩原健一
     尾藤イサオ
     井上れい子
     常田富士男

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 江戸時代、一宿一飯を求めて旅をする渡世人、たまたまある家で
一緒になった源太、信太、黙太郎の3人はつるむわけではないのだ
が何度も一緒になり、流れ流れてニ井宿・番亀一家の世話になるの
だが…
 市川崑がATGに参加して作ったリアリズム任侠劇。任侠もので
あるにもかかわらずリアリズムを追求して、ATGらしい異色の作
品になっている。


<レビュー>

 任侠ものというと清水の次郎長に代表される芝居がかった大げさ
なものという印象がある。それは清水の次郎長が浪花節という話芸
から広まった話であり、そこにはたぶんに粉飾が施されているから
だ。義理、人情、仁義といったものを純粋で絶対的なものとして描
き、裏切り者は決して許さないという美学を貫く、それが任侠もの
の鉄則である。
 しかし、実際は人間のやること裏切りもあるだろうし、怖気づく
やからだってたくさんいるはずだ。しかも彼らの多くは今で言う不
良で親元を追い出された半端もの、立派でない人間だってたくさん
いるはずだ。
 この作品はそんな流れ者をリアルに描く。彼らはぼろに身を包み、
一宿一飯にありつくために仁義を切る。もちろん恩義を果たして助
太刀はするけれど、そこでも無謀に命を賭けるなんてことはせず、
自分がやられないように心がける。腕をちょっときられたり、頭を
ものでぶん殴られればもんどりうって痛がり、戦意は喪失する。ド
ラマとしては拍子抜けだが、現実はそんなものだ。
 結局彼らは生きるすべを見つけるためにさまよう若者であり、任
侠道というのは生きるためのひとつの道でしかない。他に何かいい
生き方(それなりに自由で食うに困らない生き方)があれば簡単に
腰を落ち着けるだろうし、いい顔の親分に杯をもらうという彼らの
目標もいわば一種の就職という感覚なのだろう。
 若者が被写体になると、それは時代を超えたテーマとなる。ここ
で描かれた流れ者達といまの若者とはもちろんかなり違っているが、
その心に抱えている不安や根拠の無い自身というのは共通している
ような気がする。この放浪は彼らにとって一種の社会勉強であり、
このたびを通して大人になっていくわけだ。もちろんいまの社会と
は違って常に死と隣り合わせの厳しい世界ではあるけれど、根本的
には変わらない気がする。

 映画としての凄さは任侠をこのようにリアルに描いたことに尽き
るが、それを演じた小倉一郎、萩原健一、尾藤イサオの3人も非常
に良かったと思う。いまや渋い中年のオヤジとなった3人だが、こ
の頃はそれぞれの個性が際立っていて、その個性がぶつかり合って
いる。3人組として調和しているというよりは凸凹でちぐはぐな感
じがこのテーマにはまっているのだ。このテーマをリアルに描こう
とした発想と3人のキャスティングによってこの作品は時代超えて
残りうる作品となったと言えるだろう。
 70年代は日本映画の斜陽期、市川崑もこの前年TVで「木枯し紋
次郎」を手がけ、テレビ時代の一翼を担ったが、同時に映画界で頑
張っていたATGに参加してこのような作品を作るあたりはさすが
というところだろう。TVはあくまでTVであり、お茶の間で見る
作品を作るところだ。このようなとんがった作品はTVではなく映
画で作るべきで、そのような映画の特性によって日本映画は70年代
80年代という苦難の時期を乗り切った。市川崑はこの時代に数少な
い巨匠の一人として映画界を引っ張り続けた。市川崑の作品群を見
ていると、日本映画の戦後史が見えてくるようだ。




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<今日の作品:股旅>

価格:(定価:¥ 4,935)
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<今日のお勧め>

 70年代の市川崑

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2008年03月17日

パラダイス・ナウ

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今朝の朝日新聞にイラクで女性による自爆テロが増えていると
いう記事というか社説が載っていました。このところイラクで
はタリバーンとイラク国内の過激派の乖離が進み先頭が沈静化
しているようですが、国民の生活の回復はまだ始まってすらい
ません。それが夫を失い、生活することするままなら無い女性
たちの自爆テロにつながっているということです。

今日はそんなことにも関係してきますがパレスティナの自爆テ
ロを描いたサスペンス『パラダイス・ナウ』です。

今日からアラブ映画祭も始まっていますし、アラブ関係の映画
に注目してみてください。

アラブ映画祭2008




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 パラダイス・ナウ

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■ 今日の映画 − パラダイス・ナウ


--cinema2173-----------

 パラダイス・ナウ

 Paradise Now
 2005年,パレスチナ=フランス
 =ドイツ=オランダ=イスラエル,82分


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<キャスト&クルー>

監督 ハニ・アブ・アサド
脚本 ハニ・アブ・アサド
   ベロ・ベイアー
撮影 アントワーヌ・エベルレ
音楽 ジナ・スメディ

キャスト カイス・ネシフ
     アリ・スリマン
     ルブナ・アザバル
     アメル・レヘル
     ヒアム・アッバス
     アフラフ・バルフム

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 イスラエル占領地、ヨルダン川西岸地区の町ナブルス、車の修理
工場に勤めるサイードとハーレド。ある日ハーレドが客と悶着を起
こしクビに、サイードはヨーロッパ育ちの女性スーハと知り合う。
その夜、ふたりはテルアビブでの自爆テロの実行者に決まったと告
げられる。翌日ふたりは決心を決めて国境へと向かうが…
 自爆テロを題材としたサスペンス・ドラマ。監督はパレスチナ人
のハニ・アブ・アサド。アカデミー外国語映画賞にノミネートされ
るが、イスラエル人による反対運動が起こったといういわく付きの
映画。


<レビュー>

 この映画からわかるのは、自爆テロ犯というのが必ずしも宗教的
狂信者では無いということだ。希望の無い生活に絶望した若者が自
分の未来と家族や国家の未来、そしてこの戦いの行く末を見据えよ
うと努力しながら、選択した選択肢なのだ。そのような選択に至る
にはさまざまな要素があることをこの作品は描く。入植者によって
土地を奪われたことへの怒り、それを発端とする戦争により家族や
友人を奪われたことへの憤り、テロという手段の有効性に対する疑
念、他の手段が見つからないもどかしさなどなど、それらの様々な
要素を整理して考えるというよりはそれらをすべて飲み込んだ上で
どのような感情が沸くかによって行動を決めようとするサイードに
はためらいがある。それに対してシンプルに自爆テロの意義を信じ
るハーレドにはためらいが無い。
 しかし、最初の計画が躓いたことでふたりの心境に変化が表れる。
そこで生じる心の変化というのはなかなか捉えずらい。結論として
は自爆テロをするかしないかというどちらかなのだが、その結論の
どちらに振れるかは様々な要素よ微妙なバランスによって違ってく
るのだ。その微妙さ、テロを実行するかどうかということが妄信的
な決意によってではなく微妙な判断の結果であることを言うことに
この映画の意義があるのだろう。
 この作品はその決断に至る過程をサスペンスとして描くことでそ
の部分をクロースアップする。テロという明確な行為の背後にある
決して明確では無い背景、そこに目を向けることから問題のありか
が見えてくるのだろう。

 根本的な問題はステレオタイプ化と二元論にあるのだろう。イス
ラエル人とパレスティナ人、入植者と被入植者、加害者と被害者そ
のような二元論によって人々は行動に駆られ、自爆テロを起こした
り、戦争に参加したり、映画上映の反対運動に参加したりする。
 しかし、その二元論の2つの項目の境界というのはそれほど鮮明
なものなのだろうか。作品の終盤でイスラエルもパレスチナもとも
に加害者であり同時に被害者であるということが語られる。加害者
と被害者はその瞬間には明確であるように見えるけれど、その事柄
を取り巻く状況を見てみると、それほど明らかではなくなってくる。
それはテロを実行する/しないという二者択一の判断の微妙さとも
通じるものだ。選択に至る過程は様々で、その判断は非常に微妙な
ものだけれど、結果からはする/しないというという単純なふたつ
の結論しか出てこないのだ。二元論というのはつまりそういうこと
だ。物事をふたつに分け、その内部の違いには目をつぶり、物事を
単純化して断罪したり擁護したりする。
 私がここで敢えて自爆テロ犯と映画上映の反対運動に参加する人
を同列に論じたのは二元論によって論じられる一方にはそれほどか
け離れた人々が一緒くたに含まれているということを言いたいがた
めだ。アメリカがパレスチナの“過激派”という人たちの中にはこ
の映画でテロ実行犯となるべく選ばれたサイードはもちろん含まれ
るが、たとえばその母親も息子を守ろうとしただけでそこに含まれ
てしまう恐れがある。パレスチナ人は“過激派”と“それ以外”に
区別されてしまうが、その境界はどれほど明確なのだろうか。アメ
リカはイラクを空爆した際、一般人は巻き込んでいないといったが、
その“一般人”と“戦闘員”の間にどれほど明確な境界があるとい
うのか。しかし、アメリカは(同時にイラク側も)そこに境界を定
めて自分達の正しさを声高に主張する。そこから生まれるのは水掛
け論と無理解と恨みと復讐だけである。
 重要なのはその二元論自体を壊すことであり、ステレオタイプと
いう牢獄から人々を解放することだ。それは何も大げさなことでは
なく、一人一人の人間がそのように考えることによって始まること
だ。二元論はわかりやすい。だから人間は二元論に頼る。しかし現
在の社会/世界では複雑なことを単純化する利益よりもその弊害の
ほうが大きくなってしまっている。われわれは二元論を捨てて、人
間の特性である巨大な脳を使って複雑なことを複雑なまま捉える努
力をすることこそがいま求められているのだと私は思った。






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<今日の作品:パラダイス・ナウ>

価格:¥ 3,441(定価:¥ 3,990)
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<今日のお勧め>

 アラブ関連のドキュメンタリーをいくつか 

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2008年03月16日

州議会

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昨日、テレビで『UDON』をやってましたね。
ちょっと見たんですが、「キャプテン・ウドン」とかいうところが
あまりにひどくて見られなかったのでレビューには書きませんが、
讃岐うどんは食べたくなりました。
讃岐には一度行ったことがありますが、本当においしかったからね。

とうわけで、やはり讃岐うどんのご紹介
私が最も印象に残っているのは丸亀の「中村」でしたが、こちらは
その本家というべき「なかむら」。『UDON』にも登場。

一番の有名人はやはり池上のるみばあちゃん

楽天ランキング1位は有名店「山田屋」

うどんは冷凍もおいしいと思いますが、香川県がうどん用に開発し
「讃岐の夢2000」の冷凍というのがあります。




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 州議会

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■ 今日の映画 − 州議会


--cinema2171------------

 州議会

 State Legislature
 2006年,アメリカ,217分


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<キャスト&クルー>

監督 フレデリック・ワイズマン
撮影 ジョン・デイヴィー

キャスト アイダホ州議会議員

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 アイダホ州の州議会、上院の議長がホールで高校生たちに説明を
している。アイダホでは州議員たちは専任ではなくほかに職業を持っ
た人たちらしい。そして議会が開会、冒頭で今日は59年前に硫黄島
で米軍が勝利した日だといって、そこで死んだ米兵と日本兵に哀悼
の意が述べられる。
 映画は各委員会での議論を中心に、本会議、公聴会など議会のさ
まざまな活動を具に記録していく。フレデリック・ワイズマン34本
目の長編ドキュメンタリー。


<レビュー>

 フレデリック・ワイズマンのドキュメンタリーは多くの場合、普
段私たちの目にはあまり触れないような部分を映し、それによって
対象物に対する新たな発見をもたらすということが多い。それが時
には動物園のような日常的な場所であったり、バレエ団のような日
常とは離れた場所であったり、軍事施設のような私たちの目からは
隠されている部分であったり、対象はいろいろであるが、基本的な
線はそこにある。
 しかし、この作品はそうでもない。州議会(あるいは議会)とい
うのは基本的には開かれた場所だ。もちろん裏でいろいろの権謀術
策がめぐらされ、目に見えない部分も多いと言う印象はあるが、議
会ということに限っていえば基本的には公開されているし、実際こ
の作品のほとんどのシーンで市民が聴衆や発言者として映像に映っ
ている。
 なので、この作品には秘密の場所を覗き込むという窃視者的な楽
しみはあまりない。しかしこの作品は面白い。それはこのアイダホ
の州議会が非常に魅力的だからだろう。このアイダホの州議会は私
たちが抱く議会のイメージとはかなり異なっている。私たちがイメー
ジする議会とはニュースで見るような政党や派閥の駆け引きによっ
て、「永田町の論理」で物事が決まっていく世界だ。しかし、この
アイオワの州議会では本会議でも委員会でもここの議員が自分自身
の意見を明確に述べ、「自分の」有権者の代表として(実際彼らは
「私の有権者」という言葉をたびたび口にする)その意見を主張す
るのだ。
 そして、もうひとつは市民たちも積極的に参加をしているという
ことだ。多くの委員会では傍聴する市民たちで部屋はぎゅうぎゅう
になり、あふれ出さんばかりだし、公聴会ではさまざまな人が発言
をする。まあ、この公聴会の発言というのは実際のところあまり意
味がない、というかほとんど全員が自分の意見を「これが正しいの
だ」と主張しているだけであまり議論の参考になる発言ではないの
だけれど、そのような発言でも市民に発言の機会を与えるというこ
とが重要なのだということは良くわかる。
 また、ホールは常に市民に開放されているようだ。冒頭では高校
生たちの社会化見学のようなものが行われていたが(この高校生た
ちが寝そべっていたりガムをかんでいたりして非常に態度が悪いが、
熱心に聴いてはいるようである)、それ以外にも小学生くらいの子
供が見学をしていたり、コーラスが行われていたりする。この建物
自体もかなり歴史のあるいい建物で、いかにも市民の集まる場とい
う感じだ。

 アイダホというのは議員たち自身も言っているが決して「進んだ」
土地ではない。しかし、その議会制度はかなり進んでいるように見
える。あるいは保守的で村社会的な伝統が残っているからこそ現代
的な政党政治に毒されることなく民主的な政治が行われうるのか。
 この作品は大げさに言えば、アイダホというひとつの州議会から
議会制民主主義のあり方を問う作品だと言えるだろう。先進的とい
われる州や国の議会というのはこれでいいのかという提題である。
しかし、同時にこのアイダホの州議会にも有色人種の議員がいない、
宗教的色合いが強すぎるなどという問題も見える。
 ホールでコーラスをしていた子供の中には有色人種もいたから、
けっして市民に有色人種がいないというわけではないのだろうけれ
ど議員の中にはいないし、陳情に訪れたメキシコからの移民に対す
る態度からも彼らが非白人の問題をあまり重視していないことが見
て取れる。この姿勢はアイダホの有色人種たちを声なき人々(サバ
ルタン)化するという意味で問題だ。
 また、この議会ではつねに「神」という言葉が付きまとう。何か
の記念碑の建立に関する公聴会でユダヤ教のラビが発言するのだが、
そこに現れるのはこの州議会のキリスト教的な一面である。政教分
離が原則ではあるが、住民のほとんどがキリスト教徒である保守的
な州では必然的に政治はキリスト教よりになってしまうだろう。し
かし、宗教の面でも人種と同様にマイノリティは存在する。公聴会
で発言したユダヤ教もそうだし、傍聴席にはアーミッシュらしき人
も見える(アーミッシュはキリスト教徒だが、極端に保守的という
点で主流派とはまた異なる)。彼らもまた声を奪われる可能性があ
るという点は有色人種と変わらないのかもしれない。

 ワイズマンはやはり最終的には私たちにさまざまなことを考えさ
せる。御年78歳、まだまだ元気に映画を作ってほしいものだ。




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posted by ヒビコレエイガ at 15:04| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ2000年以降 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする