2008年03月14日

ジェリーフィッシュ

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http://www.cinema-today.net/




今日はホワイトデーですが、まあそれはもういいでしょう。
今日もまだまだ忙しいです。
ふう…

甘いものでも食べてリフレッシュかな。



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ジェリーフィッシュ

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − ジェリーフィッシュ


--cinema2173-----------

 ジェリーフィッシュ

 Meduzot
 2007年,イスラエル=フランス,82分


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<キャスト&クルー>

監督 エドガー・ケレット
   シーラ・ゲフェン
脚本 シーラ・ゲフェン
撮影 アントワーヌ・エベルレ
音楽 クリストファー・ボウエン

キャスト サラ・アドラー
     ニコール・レイドマン
     ゲラ・サンドラー
     ノア・クノラー

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 テルアビブのホテルでウェイトレスとして働くバティアは不器用
で怒られてばかりいる。そのホテルで結婚式をあげたケレンとマイ
ケルだったが、ケレンが骨折をしてしまい新婚旅行は中止、近くの
ビーチのホテルに泊まることに。
 エドガー・ケレットとシーラ・ゲフェンがオリジナル脚本で撮っ
た初監督作品。カンヌ映画祭でカメラドールを受賞した。



<レビュー>

 浮き輪をつけた迷子を主人公のバティアが見つけ、預からざるを
得なくなるというプロットと、その子がどうしてもその浮き輪を話
そうとしないというエピソード、そして全体的な映像の印象からこ
の作品はやや幻想的なガーリーな映画という感じがする。主人公の
バティアはつらい失恋をしたばかりで、どこか世の中に絶望してい
るというのもいわゆる“負け犬”な感じで雰囲気がある。
 しかし、実際はそれほど単純なものではなく、結婚したばかりの
カップルや女性カメラマン、フィリピン人のヘルパーといった複数
の主人公が登場し、現在のイスラエルの現実を複眼的に描くように
なっている。結婚したばかりのカップルの新郎のほう(マイケル)
がロシア語のほうが得意だったり、フィリピン人のヘルパージョイ
が介護する老婆がドイツでの記憶を引きずっていたり、イスラエル
という国には実にさまざまな人がいる。彼らはユダヤ教という宗教
とヘブライ語という言語でつながってはいるけれど、ヘブライ語と
いう言語は親の世代にとっては母国語ではなく学んだ言葉なのであ
る。そして、イスラエルという国が数十年も近隣の国との間で戦争
を続けていることも大きく影を落とす。
 さらっとみるとフランス映画のような印象を与える映画だけれど、
実際に言葉や映像として現れない部分でもイスラエルという国の抱
える問題や、そこに暮らす人々が抱える暗さのようなものが垣間見
える。

 それでも、ここに登場する人たちはほとんどが好感が持てるとい
うか、いい人たちなのだ。それぞれに悩みを抱え精一杯に生きてい
る。イスラエルという国を見てしまうと、どうも問題のある国と思
えてしまうが(それはイランなどにも当てはまることだが)、そこ
に暮らす人々は私たちと変わらない人たちなのだ。それは当たり前
のことだけれど、国際政治というマクロな視点に慣れてしまうとつ
いつい忘れがちな事実だ。日本のように本当にさまざまな国から映
画が入ってくる国では、そのそれぞれの映画を見ることでその当た
り前の事実を思い出すことが出来る。
 日本人は国際感覚があるほうではないと思うが、そのようなレベ
ルで世界を感じていられることのほうが重要なのではないかと思う。
この主人公のバティアの感じていることやある種の現実逃避に共感
できる人は世界中にいると思う。そしてこの作品はそれを言葉に頼
らずに表現することで、そのような距離を越えた共感というものを
実現していると思う。
 それほど「面白い!」という作品ではないが、なんだかじわじわ
と味が滲み出してくるようでいい。イスラエル映画は最近結構入っ
てきているから見る機会もあるだろう。となると今度はその近辺の
ヨルダンやレバノン、サウジアラビアといった辺りの映画も見てみ
たくなる。





□ ヒビコレリンク

 『ジェリーフィッシュ』公式サイト
  


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ジェリーフィッシュ>

 イスラエル映画のDVD売っているこんなサイトが。
  


<今日のお勧め>

 くらげといえば…

価格:¥ 3,441(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 3,751(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:




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2008年03月13日

ノー・カントリー

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3月も半ば、4月から新生活なんていう方も多い季節になって
きました。
ということで、アマゾンでも新生活向け商品のセールなんかも
行われています。
最大90%オフだそうですよ。

今日もまだまだ忙しいです…



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ノー・カントリー

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − ノー・カントリー


--cinema2172------------

 ノー・カントリー

 No Country for Old Men
 2007年,アメリカ,122分


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<キャスト&クルー>

監督 ジョエル・コーエン
   イーサン・コーエン
原作 コーマック・マッカーシー
脚本 ジョエル・コーエン
   イーサン・コーエン
撮影 ロジャー・ディーキンス
音楽 カーター・バーウェル

キャスト トミー・リー・ジョーンズ
     ハビエル・バルデム
     ジョシュ・ブローリン
     ウディ・ハレルソン
     ケリー・マクドナルド

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 ガスボンベを手にした男が保安官に捕まるが、その保安官を殺し
て逃走、さらに逃走途中にそのガスボンベで男を殺す。一方、テキ
サスの荒野でハンティングをしていたモスは銃撃戦の現場を発見、
その近くで大金を発見して持ち逃げするが、その夜、不用意に現場
に戻ったことで追われる身になってしまう…
 コーエン兄弟がコーマック・マッカーシーの『血と暴力の国』を
映画化。アカデミー賞主要4部門を受賞した。ハビエル・バルデム
がとにかく怖い。



<レビュー>

 映画の内容云々よりもとにかくハビエル・バルデムの“顔”が印
象に残る映画だ。本来はトミー・リー・ジョーンズ演じる老保安官
がストーリーテラーとして主役となり、ジョシュ・ブローリン演じ
るモスが逃げる男として物語を展開させる役割を果たすのだろうけ
れど、実際にはこのハビエル・バルデム演じるシガーが完全に映画
をのっとっている。
 彼の持つ武器のアイデアがこの作品を他の作品とはまったく違う
ものとし、シガーの恐ろしさが見るものを圧倒する。観客は完全に
シガーに目を奪われ、他の者は脇役にしか映らないはずだ。しかし、
アカデミー賞でハビエル・バルデムが取ったのは助演男優賞で、主
演はあくまでトミー・リー・ジョーンズなのだ。
 主演、助演という区別は作品にとって重要ではないものに見える
かもしれない。しかしこの作品の場合、実際に主人公がトミー・
リー・ジョーンズ演じた老保安官エドであり、シガーは脇役に過ぎ
ない。にもかかわらず存在感はシガーのほうが何十倍もあり、言っ
てしまえばエドがいなくても映画としても物語としても困ることは
ないともいえてしまう。
 このような状況が生み出すのは、見るものの落ち着かなさだ。脇
役の存在感が群を抜き、主役がいてもいなくてもいいような存在だ
と観客は一体どこに身をおいていいのかわからなくなってしまう。
エドの立場に身をおこうにも彼は物語にほとんどコミットしないし、
モスのほうも今ひとつ何をしようとしているのかわからない。
 これがこの作品の非常に落ち着かない感じにつながる。映画に没
頭しようと構えた観客からすればこの作品は完全に拍子抜けのもの
となるだろう。

 しかし、この落ち着かなさも作品の狙いなのだろうと思う。この
落ち着かなさの最大の要因は、作品中で最も存在感のあるシガーが
まったく理解できない存在であることだ。まったく無表情でためら
うこともまったくないこのシガーという男を理解するのは到底不可
能だ。
 しかし、この理解不可能な恐ろしさは現代社会の恐ろしさの象徴
であるわけだ。エドが「最近の犯罪は理解できない」と言っている
ように、この作品が捉えるのは現代社会の恐ろしさであり、シガー
こそがその象徴というわけだ。
 つまり、結局のところこのシガーを理解できないわれわれはエド
であり、“No Country for Old Men”と題された“Old Men”たち
なのである。(だからこの作品の邦題を『ノー・カントリー』とし
てしまうのはまったくの見当違いで、この題名ではいったい何の映
画なのかわかりもしない。そのままじゃ長いなら『フォー・オール
ド・メン』のほうを取るべきだったと思う)
 そんな“Old Men”であるわれわれが唖然と見つめるこの作品は
果たして面白いのか。間違いなく記憶には強く残る映画だけれど、
面白いかと聞かれると難しい。見ていて落ち着かないし、後味も決
してよくないが、怖いもの見たさという面白さはある。そして、非
現実的なようでいてどこかで現実の恐ろしさを垣間見せる物語にも
魅力を感じる。見て損はないと思うが…

 アメリカでは興行収入7000万ドルの大ヒット(2008年3月現在)
となっているようだから、一般の観客にも受けているということだ
ろうが、日本では果たしてどうか。




□ ヒビコレリンク

 『ノー・カントリー』公式サイト



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ノー・カントリー>

コーマック・マッカーシー
価格:¥ 900(定価:¥ 900)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 見逃してませんか?コーエン兄弟

価格:¥ 1,340(定価:¥ 1,490)
おすすめ度:


価格:¥ 890(定価:¥ 995)
おすすめ度:




価格:¥ 1,470(定価:¥ 2,500)
おすすめ度:




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2008年03月12日

選挙

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このところなんだか忙しくて発行もままなりませんが、なんとか
がんばって行きたいと思います。

忙しいと思いをはせるのは休暇ですが、今年のGWは4連休と微妙
です。一昨年から5月4日が祝日になったので6日の火曜日が振
り替え休日となって何とか4連休。何をしましょうかね。
旅行計画はANA楽パックでどうぞ。
あー沖縄行きたい。お勧めの宿はこちら(石垣島)。
那覇ならここかな




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 選挙

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 選挙


--cinema2171------------

 選挙

 2006年,日本,120分

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<キャスト&クルー>

監督 相田和弘
撮影 相田和弘

キャスト 山内和彦
     山内さゆり
     荻原健司
     川口順子
     橋本聖子
     石原伸晃
     小泉純一郎

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 2005年の川崎市議会議員補欠選挙、山内和彦は自民党の公募で候
補者となった落下傘候補、選挙のイロハもわからないまま先輩の市
議会議員や県議会議員、国会議員らの応援を受けて選挙戦に挑む。
 相田和弘が「観察映画」第一弾と題して製作したドキュメンタリー
映画。ナレーションやインタビューを排し、「観察」に重きを置い
て選挙という現象の内幕を明らかにしていく。


<レビュー>

 まずは、映画の主人公である山内和彦を紹介するように映画は始
まる。文字や言葉による説明はないが、彼の行動、支援者や町の人々
との会話から彼が川崎市宮前区の市議会議員補欠選挙の自民党公認
の候補者であり、公募によって選ばれた初出馬の候補であること、
選挙のために最近引っ越してきたことなどがわかる。
 前半は彼の不慣れな選挙活動を丹念に描く。カメラは彼に密着し、
時には会話をし、ともに町を回る。確かにナレーションもインタ
ビューもないが、果たしてこれが「観察」と言えるかどうかには多
少疑問がある。ひとつはカメラがひとつの人格として山内候補と会
話をしたりするという点、もう一つはカメラがあることで山内候補
が会う人、特に一般の人たちに影響を与えるという点である。
 もちろんカメラが存在していてまったく影響を与えないというこ
となどありえない。選挙という場ではカメラはそんなに珍しいもの
ではないだろうけれど、この作品にも映っているように子供たちは
カメラに向かってアクションを起こし、時にはカメラに映らないよ
うにかがんで通り過ぎるような人も出てくる。「観察映画」という
からにはそのような目に見える明らかな影響はなるべく観客の目に
触れないように編集するべきではなかったかと思う。実際には影響
を与えていたにしても、それを見えないように、山内候補にも有権
者にもコミットしていない部分だけで映画を構成するべきだったの
ではないか。
 もちろんそうすることは恣意的な選択であり、フィクショナルな
物に一歩近づくようには見える。しかし、「観察映画」ということ
とフィクションであるということは必ずしも矛盾しないのではない
だろうか。ドキュメンタリーと言われている映画も恣意的な選択と
構成の産物であり、そこにはフィクションの要素が必ず入って来る
映画の目的に合わせて事実を再構成したものがドキュメンタリーだ
としたならば、「観察映画」もこれが「観察」であるということを
観客に納得させるために事実を再構成してもドキュメンタリーであ
ることに変わりはないはずだ。この作品はドキュメンタリーとして、
あるいは客観的でなければならないと言うことに対して変に忠実で
あるがために、わざわざ宣言した「観察映画」というタイトルと矛
盾するような構成を取ってしまったのではないか。
 わたしはわざわざ「観察映画」などというタイトルはつけずに作っ
たほうが自由に作れたのではないかと思う。この作品が描こうとし
ているのは選挙を通した民主主義の実情だろう。その主題を描くこ
とを第一とするならば「観察映画」などという思わせぶりなタイト
ルを使う必要はなかったのではないか。

 その主題の面では、この作品はなかなかうまく構成されていると
思う。特に街中での演説風景や選挙とは関係のない通勤や屋台の風
景と講演会などの選挙に深くかかわってる人との会合を対比させる
ことで選挙というものの実情を明らかにしている。最初の演説シー
ンで聞いている人がまったくいなかったことに代表されるように、
毎日を忙しく過ごしている人には選挙にかかわっている暇などない
のだ。朝ぎゅうぎゅう詰めの電車に押し込まれる人々(最近はかな
り少なくなったがこの作品の舞台となっている田園都市線沿線では
決して珍しい風景ではない)は一日仕事をして疲れて帰ってくる。
8時から8時までと決められた選挙運動の時間に家にいることはほ
とんどない。しかし彼らは自分の考えでどの候補がいいかを判断し
投票する。
 これに対して講演会とかかわっているような年寄りや自営業者は
候補者と直接あって話をする。世の中には時間をもてあましている
人も多いのだ。自民党の支部ではおばさんたちがチラシを手作業で
一枚ずつ折っているが、何万円かを出して機械を買えば数分で終わっ
てしまう作業だ。ここではお金よりも人手が余っているのである。
そしてそんな人たちが投票する先を決めるのは縁や恩である。
 果たしてこれが民主主義なのか。これを見ているといったい民主
主義とは何なのかわからなくなってくる。もちろん地縁血縁で投票
する先を決めてもいいわけだが、そのような地縁血縁やあるいは単
なるイメージで決まった議員が政治を行うのが民主主義というもの
なのだろうか。民主主義とは本来は人々の意見を代表する人たちが
議論することによって政治を行うという制度のはずだ。
 さらには、山内候補が自民党の組織力のすごさについて話したと
き、その相手となった応援議員(だと思う)が「公認は党をあげて
の支援を受けて当選しているのだから、造反なんてとんでもない」
ということをいう。これは議員もまた自分自身の主義主張よりも
しがらみに縛られながら議員活動をしていると言うことを図らずも
明かしてしまっているシーンだ。自分の主張と違っていれば、たと
え所属する党であっても反対を突きつけるのが政治家であり、民主
主義だと思うのだが…
 そのような疑問をこの作品は投げかける。そこは非常に面白い。
答えを与えるのではなく、見るものに考えさせるそれはこの作品の
いいところだ。

 そして、時折生々しい人間の姿が現れるのもこの作品のいいとこ
ろだ。その際たるものは奥さんが帰りの車の中で愚痴とも怒りとも
つかない言葉を並べ立てるシーンだ。奥さんの言っていることはもっ
ともで、それが素直な感情であることが伝わってくるしすごく面白
い。この場面だけでもぜひ見てほしいので内容は言わないが、これ
はカメラが内側に入り込んでいくことで存在感をなくし、人々の生
の姿を捉えることができた瞬間だと思う。




□ DVD今日の買い!

<今日の作品:選挙>

価格:¥ 2,476(定価:¥ 2,940)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 話題のドキュメンタリー映画(国内)

価格:¥ 4,119(定価:¥ 4,800)
おすすめ度:


価格:¥ 1,410(定価:¥ 1,500)
おすすめ度:


価格:¥ 4,381(定価:¥ 5,040)
おすすめ度:



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2008年03月10日

暁の追跡:市川崑監督特集

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ホワイトデーはまもなくです。
あ、準備していない!という男性の皆様に、迷っているならこちら
で。1個315円のスイーツ。



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 暁の追跡

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 暁の追跡


--cinema2170-----------

 暁の追跡

 1950年,日本,93分

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<キャスト&クルー>

監督 市川崑
脚本 新藤兼人
撮影 横山実
音楽 飯田信夫

キャスト 池部良
     水島道太郎
     伊藤雄之助
     杉葉子
     菅井一郎

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 新橋駅前交番の石川巡査は子供の具合が悪くなったという同僚の
代わりに勤務に付く。結局や金になった朝早く、ひとりの容疑者が
連れられてくる。石川が一瞬目を離した隙に逃げ出したその男を追
跡すると、男は線路で電車に轢かれてしまった…
 池部良監督、市川崑監督による犯罪ドラマ。脚本は新藤兼人でサ
スペンスのなかにヒューマン・ドラマが込められているという感じ。


<レビュー>

 この作品は石川が死なせてしまった容疑者の舟木が巻き込まれた
犯罪の捜査と、石川が警察官であるということに悩む人間ドラマと、
石川とラーメン屋の娘友子とのロマンスという3つの要素からなっ
ている。映画の展開は舟木の死を発端として展開されるその犯罪の
捜査にそって進んでいくが、その捜査が石川に警察官であることへ
の疑問を生じさせ、同時にそれがロマンスにも影響していく。この
脚本はなかなか秀逸で、この時代の日本映画にはあまり見られない
ものだ。
 実際のところ、犯罪の捜査というのは物語を展開させていくエン
ジンのようなもので、それ自体に面白みがあるわけではない。石川
は一回の警邏に過ぎず、捜査本部への配属を申し出るが、それをか
なわず、捜査に参加することはできない。その中で捜査は淡々と進
み、紆余曲折を経ながらも順調に進んでいくのだ。
 それよりも面白いのは石川という人間を描いたヒューマンドラマ
の部分である。ヒューマニストである石川は警察官であっても人間
だということをまず原則に考え、警察官としての職務を果たすこと
を何よりも重視する同僚の警官と対立する。そして仲の良かった同
僚の檜が銃の暴発によって解雇されてしまうと、自分も警察を辞め
ることを考えるのだ。そこには労働争議のデモを制圧に行ったとき
に感じた無力感も理由としてあった。それは警察官が見方であるべ
き貧しい人々を暴力で制圧しなければならない現実であり、彼は自
分も月給をもらっている身として「共食いをしているようないやな
気持ちになる」と語る。
 最終的に彼は警察は貧しい人を助けて、犯罪を起こさなくて住む
社会を作るのが理想だと語る。警察の理想とは警察がいらない社会
を作ることだというのだ。これはこの作品が一貫して貧しさゆえに
犯罪に加担してしまった人々を描いているということに合致してい
る。もちろんいくら貧しくたって犯罪を犯さない人もいるのだから、
犯罪を犯すというのは“弱さ”の表れではあるのだろうけれど、そ
こには簡単に“弱さ”のためといって片付けてはいけないものもあ
る。
 さすがにこの作品は東宝争議の末出来た新東宝の作品という気が
する。作られたのも1950年でまだまだ戦後の混乱期、貧しい人は本
当に貧しく、社会もそれを支えられるほど強くは無かった。その中
で警察の役割を見直し、貧しい人々に目をやるというのはいかにも
「大衆のもの」であろうとした映画らしいというところではないか。
 この作品の製作には警察が協力しているが、そこには警察のイメー
ジの刷新という意味もあったのではないか。警察というと戦争中ま
では国家の手先であり、人々を糾弾するものというイメージがあっ
たけれど、戦後民主主義の下では警察は民衆の味方であり、人々の
ために働く公僕となった。そのことを人々の理解してもらうために
映画が大きな役割を果たすと考えたのだろう。この作品に登場する
通行人達は警官の姿を捉えると逃げて行ったり顔を隠したりする。
別に疚しいことをしているわけではないのだろうが、やましいとこ
ろが無くてもいやな目にあわされてきたこれまでの記憶が警察にそ
のような態度をとらせるのだ。これ1本で警察のイメージが変わっ
たとは思えないが、警察官も一人の人間に過ぎないというメッセー
ジは充分に伝わっていると思う。
 これは本当に良く出来た作品だ。市川崑の初期の代表作のひとつ
であり、新東宝の代表作のひとつでもあると思う。まだ若かった市
川崑と新藤兼人という2人の才能が出会って、こういう作品が出来
上がったのだろう。




□ DVD今日の買い!

<今日の作品:暁の追跡>

価格:¥ 2,940(定価:¥ 4,725)
おすすめ度:



<今日のお勧め>

 新東宝時代の市川崑。

価格:¥ 8,400(定価:¥ 10,500)
おすすめ度:


価格:¥ 3,350(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:


価格:¥ 3,751(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:




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2008年03月07日

接吻

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まだまだ寒いですが、ネットでは早くも夏のマンゴーの予約が
始まっております。ああ、そろそろと思った頃にはもう売切れ
てしまっていたり、来るのが2ヵ月後だったりしたりします。
ので、今のうちに予約しておいて、7月くらいに「ああ、そう
いえば」なんていう感じでマンゴーがくるなんてのもいいかも
しれません。
やはり沖縄かな。2kgで5980円というのは安いです。
個人的には石垣島のマンゴーが忘れられません。
まあ、世間的には宮崎でしょうか。太陽のたまごです。

いまは仕方ないのでドライマンゴーを食べています。
が、これもうまいのです。こばらがすいたときにぴったり。
100g×10袋とか、20kgなんてのも…




-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 接吻

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 接吻


--cinema2168-----------

 接吻

 2008年,日本,108分

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<キャスト&クルー>

監督 万田邦敏
脚本 万田珠実
   万田邦敏
撮影 渡部眞
音楽 長嶌寛幸

キャスト 小池栄子
     豊川悦司
     仲村トオル
     篠田三郎

<評価>

☆☆☆☆(満点=5)


<プレヴュー>

 閑静な住宅街を歩く男が突然一軒の家に侵入し、殺人を犯す。一
家3人を惨殺したその男坂口は自ら告知して報道陣が集まる中逮捕
される。会社員の遠藤京子は同僚と打ち解けられず、一人くらいオ
フィスで残業をする日々だった。ある日彼女は坂口が逮捕される
ニュースを見て、彼が逮捕される瞬間に浮かべた笑顔に釘付けにな
る。その後彼女は憑かれたように坂口のことを調べ始める…
 『UNLOVED』の万田邦敏監督によるラブ・ストーリー。狂気を感
じさせる愛が心に響く。


<レビュー>

 一家3人を惨殺する事件なんてのは映画にしやすい題材だ。通り
魔的な反抗で一家3人を惨殺、しかも母親を殺したあと子供と父親
が帰ってくるのを待って3人を皆殺しにする。そんな犯人の心理を
描くというのはサイコ・サスペンス的な物語として興味深いものに
なるはずだ。
 しかし、この作品はそのような犯人の心理の分析ということはせ
ず、その犯人が見せた一瞬の笑顔の虜になってしまった女性の心理
を描くことである種の社会的な病を描き出していくのだ。
 映画の序盤は殺人を犯した男坂口を中心に展開されるが、まず気
づくのは彼の声がないという点だ。電話をしているシーンがあるの
でしゃべっていないわけではないが、彼の声は映画には表れない。
そして、小池栄子演じる京子もそのことに気づく。彼女がノートに
書いた初めての自分の言葉は「彼の声が聞きたい」というものだっ
たのだ。
 しゃべらないというのはその人がかなり異常に見える要素だ。坂
口はまったくしゃべらず、京子もほとんどしゃべらない。職場でも
同僚との交流はあるのだが、言葉はほとんど発しない。家に帰って
も一人でしゃべる相手もいない。裁判が始まっても坂口は黙秘を続
ける。京子は裁判の後、弁護士の長谷川に話しかけはするが、それ
は坂口に差し入れするために必要な最小限に過ぎない。
 しゃべらないことの異常さというのはそのしゃべらない人物がいっ
たい何を考えているのかわからないというところが一番大きいのだ
ろう。京子は長谷川に話しかけても必要最小限のことしかしゃべら
ない。質問にはちゃんと答えているのだけれど、そこに感情が表れ
ることは無いのだ。
 京子はさらに無表情でもある。常に目を見開いているが顔の筋肉
は能面のように動かない。この作品はこの京子を演じた小池栄子に
尽きるのではないか。もちろん殺人犯に事故を投影してしまうとい
うこの主人公のキャラクターの創造ももちろん重要だが、それを映
像として表現する上で小池栄子のは非常に大きな役割を果たしてい
るだろう。
 徹底的に殺人者と同一化し、彼の行動を予言し、それに合わせて
自分の行動を決める。彼のために生きると決意し、仕事もやめて引
越しまでする。それは献身的な恋人のようだが、彼女の無表情はそ
こにわずかな違和感を感じさせる。坂口と面会するとき、彼女は笑
顔を浮かべもするけれど、その笑顔には常にぎこちなさがあり、笑
顔とは裏腹に笑っていない目は坂口を突き抜けてどこか遠くを見つ
めているように見える。
 この京子の感情、考え方は非常に興味深い。彼女はずっとエゴを
抱えながらそれを吐き出すことができないまま生きてきた。その彼
女が坂口の中に見たのは、そのエゴを過激な形で吐き出すことのカ
タルシスである。自殺するのではなく死刑を望む坂口、周囲にいつ
も「自殺しそう」と見られることに怒りをにじませる京子、京子が
坂口を愛するのは、彼を通して自分のエゴを吐き出すことができる
からだ。坂口と一体になることによって彼の犯した殺人を自らの体
験とし、カタルシスを得ようというのだ。彼女の行動は坂口のため
の行動といいながら、実はエゴイスティックな行動であり、それは
終始一貫している。
 果たしてこの物語から何を受け取るか、それは人によって違う。
しかし京子の異常さは必ず何かを残す。それは完全な拒絶かもしれ
ないし、共感かもしれない。「映画史上誰も見たことの無い衝撃の
ラスト」と誇大に宣伝されたラストの意味も、それぞれが京子から
何を受け取ったかによって異なってくるだろう。それは衝撃かどう
かは別にして、意表をつくものではある。そこからさらに浮き彫り
にされていく京子の人物像、それを考えるとこの物語に深みが出て
くる。




□ ヒビコレリンク

 『UNLOVED』
  


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:接吻>

 『接吻』公式サイト
  


<今日のお勧め>

 万田邦敏作品です。

価格:¥ 2,520(定価:¥ 5,040)
おすすめ度:


価格:¥ 3,090(定価:¥ 3,990)
おすすめ度:



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