2008年03月13日

ノー・カントリー

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今日もまだまだ忙しいです…



-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ノー・カントリー

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■ 今日の映画 − ノー・カントリー


--cinema2172------------

 ノー・カントリー

 No Country for Old Men
 2007年,アメリカ,122分


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<キャスト&クルー>

監督 ジョエル・コーエン
   イーサン・コーエン
原作 コーマック・マッカーシー
脚本 ジョエル・コーエン
   イーサン・コーエン
撮影 ロジャー・ディーキンス
音楽 カーター・バーウェル

キャスト トミー・リー・ジョーンズ
     ハビエル・バルデム
     ジョシュ・ブローリン
     ウディ・ハレルソン
     ケリー・マクドナルド

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレヴュー>

 ガスボンベを手にした男が保安官に捕まるが、その保安官を殺し
て逃走、さらに逃走途中にそのガスボンベで男を殺す。一方、テキ
サスの荒野でハンティングをしていたモスは銃撃戦の現場を発見、
その近くで大金を発見して持ち逃げするが、その夜、不用意に現場
に戻ったことで追われる身になってしまう…
 コーエン兄弟がコーマック・マッカーシーの『血と暴力の国』を
映画化。アカデミー賞主要4部門を受賞した。ハビエル・バルデム
がとにかく怖い。



<レビュー>

 映画の内容云々よりもとにかくハビエル・バルデムの“顔”が印
象に残る映画だ。本来はトミー・リー・ジョーンズ演じる老保安官
がストーリーテラーとして主役となり、ジョシュ・ブローリン演じ
るモスが逃げる男として物語を展開させる役割を果たすのだろうけ
れど、実際にはこのハビエル・バルデム演じるシガーが完全に映画
をのっとっている。
 彼の持つ武器のアイデアがこの作品を他の作品とはまったく違う
ものとし、シガーの恐ろしさが見るものを圧倒する。観客は完全に
シガーに目を奪われ、他の者は脇役にしか映らないはずだ。しかし、
アカデミー賞でハビエル・バルデムが取ったのは助演男優賞で、主
演はあくまでトミー・リー・ジョーンズなのだ。
 主演、助演という区別は作品にとって重要ではないものに見える
かもしれない。しかしこの作品の場合、実際に主人公がトミー・
リー・ジョーンズ演じた老保安官エドであり、シガーは脇役に過ぎ
ない。にもかかわらず存在感はシガーのほうが何十倍もあり、言っ
てしまえばエドがいなくても映画としても物語としても困ることは
ないともいえてしまう。
 このような状況が生み出すのは、見るものの落ち着かなさだ。脇
役の存在感が群を抜き、主役がいてもいなくてもいいような存在だ
と観客は一体どこに身をおいていいのかわからなくなってしまう。
エドの立場に身をおこうにも彼は物語にほとんどコミットしないし、
モスのほうも今ひとつ何をしようとしているのかわからない。
 これがこの作品の非常に落ち着かない感じにつながる。映画に没
頭しようと構えた観客からすればこの作品は完全に拍子抜けのもの
となるだろう。

 しかし、この落ち着かなさも作品の狙いなのだろうと思う。この
落ち着かなさの最大の要因は、作品中で最も存在感のあるシガーが
まったく理解できない存在であることだ。まったく無表情でためら
うこともまったくないこのシガーという男を理解するのは到底不可
能だ。
 しかし、この理解不可能な恐ろしさは現代社会の恐ろしさの象徴
であるわけだ。エドが「最近の犯罪は理解できない」と言っている
ように、この作品が捉えるのは現代社会の恐ろしさであり、シガー
こそがその象徴というわけだ。
 つまり、結局のところこのシガーを理解できないわれわれはエド
であり、“No Country for Old Men”と題された“Old Men”たち
なのである。(だからこの作品の邦題を『ノー・カントリー』とし
てしまうのはまったくの見当違いで、この題名ではいったい何の映
画なのかわかりもしない。そのままじゃ長いなら『フォー・オール
ド・メン』のほうを取るべきだったと思う)
 そんな“Old Men”であるわれわれが唖然と見つめるこの作品は
果たして面白いのか。間違いなく記憶には強く残る映画だけれど、
面白いかと聞かれると難しい。見ていて落ち着かないし、後味も決
してよくないが、怖いもの見たさという面白さはある。そして、非
現実的なようでいてどこかで現実の恐ろしさを垣間見せる物語にも
魅力を感じる。見て損はないと思うが…

 アメリカでは興行収入7000万ドルの大ヒット(2008年3月現在)
となっているようだから、一般の観客にも受けているということだ
ろうが、日本では果たしてどうか。




□ ヒビコレリンク

 『ノー・カントリー』公式サイト



□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ノー・カントリー>

コーマック・マッカーシー
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<今日のお勧め>

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posted by ヒビコレエイガ at 15:04| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ2000年以降 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする