今朝は、映画関係のニュースをふたつ新聞で見ました。
ひとつは黒澤映画の廉価版DVD販売差し止め裁判のニュース。
控訴審ですが、黒澤明を著作者のひとりと認めて死後38年間著作
権が存続するとしたとか。本来映画は誰の著作物と特定できない
ので、公表から70年という存続期間(これも、2003年に他の著作
物の50年から延長された)が決められているのですが、今回の裁
判では、旧著作権法の「著作者の死後38年」という規定が適用さ
れたというわけです。
この違いは、著作者が団体なのか、個人なのかということで、著
作権が黒澤明個人にあるならば、死後38年存続するというわけで
す(団体ならば公表後33年)。
ここで問題なのは、映画の著作者が誰かわからないということで
す。私はそもそも映画が個人の著作物だとは思わない(映画は決
してひとりでは作れない)ので、これは映画会社の利益を守るた
めの詭弁に過ぎないと思いますが、まあ仮に個人の著作物たりう
ると認めたとしても、どの作品が誰の著作物かをどうやって決め
るのかという問題が残ります。
たとえば今回、問題となった作品のひとつ『生きる』の脚本家の
一人橋本忍さんはまだご存命です。彼が著作者に含まれるとした
ら著作権の存続期間はまだまだ延びます。さらには音楽著作権の
問題も絡みます。
あるいは、誰が監督なら監督が著作者といえるのかという問題も
あります。
しかも、著作者は個人といいながら、いま著作権を持っているの
は映画会社なわけで、著作権が存続しているからといって映画を
作った人たちの利益が守られるわけではない。
ただ、映画会社がもうとっくに元を取った映画でもうけ続けるわ
けです。黒澤の廉価版は見たことないですが、廉価版DVDというの
は基本的にあまり質のいいものではないのだから、消費者の立場
としては質の悪い安いものと、質の高い少し高いものがあったほ
うがありがたいし、パブリックドメインになればDVDが発売されな
い海外でも見れたりします。
映画の発展を願うなら、映画会社の利益を守るより、いい作品が
広く見られることを考えたほうがいいんじゃないですかねぇ。
あまり長く書きすぎたのでもうひとつのニュースは割愛。
「ノルウェーの森」映画化、というニュース。
今日は『雪崩』です。成瀬巳喜男監督の中篇。
成瀬巳喜男監督は1969年に亡くなっていますので、1953年以前の
作品は今年で著作権が切れます。
が、件のコスモからすでに廉価版が出ています。
『おかあさん』
『銀座化粧』
■ 今日の映画 − 雪崩
--cinema2264------------
雪崩
1937年,日本,59分
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<キャスト&クルー>
監督 成瀬巳喜男
原作 大仏次郎
脚本 成瀬巳喜男
撮影 立花幹也
音楽 北猛夫
キャスト 佐伯秀男
霧立のぼる
江戸川蘭子
汐見洋
英百合子
<評価>
☆☆(満点=5)
<プレヴュー>
金持ちの息子日下五郎は駆け落ちのように蕗子と結婚するが、五
郎の父はそれを祝福する。1年後、五郎は幼馴染の弥生に心惹かれ
るようになり、蕗子と離婚することを考えるが、優しい父がそれに
強固に反対する。それでも意志を通そうとする五郎だったが…
成瀬が大仏次郎の原作を映画化したドラマ。助監督には黒澤明が
ついた。
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