世の中はiPhoneと山本モナで大騒ぎですが、山本モナは別に何も
悪くないと思いますがねぇ… 彼女は独身なんだし、好きな人と
好きに遊べばいいような気もするんですが、世の中はいったい何
を騒いでいるのか。ニュースキャスターは夜遊びもしちゃいけな
いのかねぇ。私は山本モナがこのままキャスターをしても番組が
面白ければ見ますけどね。逆に好奇心が沸いてみたいくらいだ。
対してニ岡選手は奥さんとの関係でも、球団との関係でも問題が
あるでしょうねぇ。奥さんとのことは周りが言うことではないで
すが、巨人は「怪我を治す気あんのか」といいたいでしょうねぇ。
高い給料払ってんだから、酒なんて飲んでないで怪我を治せと私
が巨人のフロントならそう思います。
結局長々と書いてしまいましたが、別にいいです。
それより気になるのは中東です。イランのミサイル実験やトルコ
の米領事館近くでの銃撃戦。原油の高騰もあってきな臭いです。
このイランの実験は先月のイスラエルの大規模な軍事演習に対す
る対抗措置だとか。アメリカとイスラエルはイランに対する先制
攻撃の準備を進めているという噂もあるし、いやな感じです。
映画は川島雄三監督の『風船』です。
まとまりはありませんが、しばらく日本映画が続くかもしれませ
ん。
■ 今日の映画 − 風船
--cinema2251------------
風船
1956年,日本,110分
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<キャスト&クルー>
監督 川島雄三
原作 大仏次郎
脚本 川島雄三
今村昌平
撮影 高村倉太郎
音楽 黛敏郎
キャスト 森雅之
三橋達也
芦川いづみ
北原三枝
新珠三千代
左幸子
<評価>
☆☆☆☆(満点=5)
<プレヴュー>
カメラ会社の社長の息子圭吉は未亡人の久美子を愛人とし贅沢な
暮らしをしていた。そこに目をつけた歌手のミッキーが圭吉にちょっ
かいをかける。圭吉の妹珠子は小児麻痺の影響で少しトロいが、久
美子と仲良くなり…
川島雄三が大仏次郎の原作を映画化。女優陣の競演が見所の愛憎
劇。今村昌平が脚本と助監督で参加している。
<レビュー>
単純に言ってしまえば、三橋達也演じる金持ちのボンボン圭吉が
未亡人から歌い手に乗り換えるというのが物語の骨子である。もと
もとの愛人の未亡人・久美子(新珠三千代)は圭吉にぞっこんで、
乗り換える方の歌い手ミッキー(北原三枝)は計算ずくである。そ
こに圭吉の父親と妹が絡んでくる。
序盤は圭吉の父春樹(森雅之、名前はなんと村上春樹!もちろん
ただの偶然ですが…)が京都に行くエピソードが挿入されたり、妹
の珠子(芦川いづみ)が何故か久美子に会いに行ったりして散漫な
印象があるが、中盤は圭吉を中心としたどろどろとした人間関係に
収斂してぐっと物語が締まる。そして終盤は珠子が物語の中心に躍
り出て、これが(ドストエフスキーの)『白痴』的な物語のバリエー
ションであったことが明らかになる。
本当に散漫な話なので、解説してもよくわからないと思うのだが、
細かく分解していくとこのようになる。
・画家を目指したが経営者に転進し成功、昔の下宿を訪ねたことら
か隠居したいと思うようになる父親。
・小児麻痺のせいで少しトロく、母親と兄から子ども扱いされてい
る珠子、しかし別の世界に飛び込みたいとも思っている。
・甘やかされて育ち、男前で金持ちなので何でも自由に出来ると思っ
ている圭吉、女に愛情を感じたことはなく、金ですべてを解決し
ようとし、自己中心的でもある。
・その圭吉を愛してしまった久美子。
・圭吉を甘やかす母親。
・その母親となんらかの関係があったらしいナイトクラブの経営者。
・その経営者のところで歌うミッキー、その経営者の口ぞえで圭吉
を誘惑する。
・珠子は久美子と会ってその純粋さに気づき、慕うようになる。
・春樹は昔下宿していた家を訪ね、そこで貧乏ながらも明るく暮ら
しているるい子(左幸子)に会い、その素朴な生活に惹かれる。
・珠子も京都を訪れるい子と意気投合する。
このような散漫な物語が一気にまとまるのは圭吉に捨てられそう
になった久美子が自殺をほのめかし、実際に自殺未遂するところか
らである。ここで圭吉が本当に人でなしであることが明らかになり、
これに対して珠子は人の本性を見抜く能力があることがわかる。そ
して母親はあくまでも圭吉を弁護し、父親はそんな圭吉を突き放す。
しかし父親とて圭吉を見限ったわけではなく、甘やかしてきた自分
を省み、圭吉がまっとうな人間になってくれるよう突き放すのだ。
そして妻と圭吉を置いて珠子と京都に行こうと考える。
しかし、ここで物語がすんなり進まないところがこの作品が優れ
ている点だ。普通に考えれば珠子はすんなり京都に行きそうなもの
だが、珠子はこれを拒む。珠子は兄と母が自分を馬鹿にしていなが
らも自分を必要としていることを感じ取り、残る事に決める。彼女
はそれを考えて決めているのではなく、感じて決めているのだ。
そこが彼女が「白痴」的(ムイシュキン公爵的)なところである。
「白痴」的人物とは頭は弱いかもしれないけれど純粋で、自分の利
益は省みず、周囲の人々の本性を見抜き、求めていることに自然と
応じる。その純粋さが人々の心を打つ。この作品が珠子にその姿を
求めたのは、ラストシーンが子供に混じって盆踊りを踊る珠子の姿
であることからも明らかだ。
そしてその珠子を演じる芦川いづみが非常にいい。芦川いづみと
いうと裕次郎を中心とする日活アクションのヒロインという印象が
強いが、お飾りのようなヒロインではない役でこそ力を発揮するの
かもしれない。この作品の珠子というキャラクターは市川崑監督の
『青春怪談』のシンデというキャラクターと重なる。かわいいけれ
どどこかとろく、しかしちょっと怖いような、そんな不思議なキャ
ラクター。人形のような顔立ちがそんなイメージを起こさせるのだ
ろうが、見た目のイメージだけでなく、その役柄をしっかり演じて
もいるのだ。
この作品では同じく裕次郎の相手役として名を馳せる(もちろん
後に結婚もする)北原三枝とも共演。ともに裕次郎の相手役ながら
対照的なキャラクターを演じるふたりを対比して見られるのも面白
いが、やはりこの作品で光っているのは芦川いづみだ。実は芦川い
づみは川島雄三監督に見出され、川島監督の『東京マダムと大阪夫
人』でデビュー、川島監督の日活移籍後、松竹歌劇団を退団し日活
に入社した。だから、川島監督としては芦川いづみに大きな期待を
かけ、この役を彼女に任せたのだろう。そして彼女もそれに答えた。
派手なところがなく、少し埋もれた感じもあるが、いろいろと面
白いところが多い作品だ。
□ ヒビコレリンク
『青春群像』

